知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


対決 ミント vs ハッカ
第741回 2004年7月18日


 食べるとスースーするミントとハッカ。これからの暑い季節にはピッタリですね。しかしこの2つは違うのでしょうか?そして食べると本当に温度は下がっているんでしょうか?

 かつて北海道はハッカの名産地で、世界の9割の生産量を誇っていました。そこで矢野さんが現地を訪れました。現在では2軒しかハッカ農家は有りませんが、畑にはスースーと良い香りがします。この臭いは、葉の裏の油腺から分泌される精油に拠るものなのです。
 ハッカは、乾燥した葉を水蒸気で蒸留させて作ります。200キロの葉から採れる油はたった2%の4キロ。なので葉から油を採ると、運ぶ時、荷が少なくて済む、これが“薄荷(ハッカ)”の名前の由来なのです。
ハッカの巨大な結晶(ハッカ脳)  スタジオにはハッカの巨大な結晶が登場しました。そばに寄るだけで涼しい!と所さんも目がテンになりました。このスースー成分はエル-メントールといい、ハッカ油には80%も含まれていて、この様な結晶(ハッカ脳)になるのですが、ミント油には40%しかなく、このような結晶が出来ません。しかしミント油には代わりにメントフランという良い香りの成分が含まれているので、ハッカが結晶でしか使われないのに対し、油ごと使用されるのです。

 ミントとハッカ、口に入れるとスースーしますが、この時口の中の温度は本当に下がっているのでしょうか?論より証拠、サーモグラフィーで見てみました。すると口の中の温度は全く下がっていなかったのです。
 さらに今度は、熱い45度のお風呂にハッカ油を入れてみました。そして3人の方に入っていただきました。するとさら湯に比べて長く入れたのみならず、なんと冷たく感じたというのです。
 これはエル-メントールが、皮膚や舌の、冷たく感じる冷感受容体を刺激し、脳に冷たいと勘違いさせるからなのです。ちなみにこのエル-メントールは、皮膚に浸透し血管を刺激し、血行を良くする働きもあります。先程の風呂に入った3人は、エル-メントールの入った風呂の後のほうが湯冷めしなかったのです!これが入浴剤にミントやハッカが使われるゆえんだったのです。

所さんのポイント
ポイント1
ミントとハッカで涼しく感じるのは、単なる脳の勘違い!
温度は1度も下がっていない!


防虫効果実験結果  ミントとハッカには防虫効果も有るらしい、ということで、体半分にミント油を塗った学生さん4人に、蚊200匹のいるビニールハウスに入っていただきました。すると1人を除き、ミント油を塗った方は全く蚊に刺されなかったのです。
 ミント油をエサを食べているカブトムシの口元に垂らすと、カブトムシももん絶。ミントとハッカは、地下茎で増えていくことも出来るので、臭いの強い油で身を守っているのです。

所さんのポイント
ポイント2
ミントとハッカには防虫効果が有った!
北海道では実際にハッカ油が防虫スプレーで使われている!





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