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肝がウマイ! カワハギ
第751回 2004年10月3日


 食欲の秋到来。そんな中これから旬を迎える魚で美味しいのがカワハギ平べったくっておちょぼ口の変な魚ですが、肝が絶品であることで知られています。そこで今回は、所さんも大好物のカワハギを科学します。

 実は、カワハギは釣るのがかなり難しい魚。なので、あまり大量に水揚げされず、魚屋さんの店頭に並ぶことが少ない高級魚なんです。
 そこで、世界を釣る新キャラ“矢野方弘樹”がカワハギ釣りに挑戦!エサはカワハギ大好物のアサリをつけて、仕掛けには針が3本、その下にオモリがついているカワハギ釣り専用の釣具を使用、いざ漁船に乗り込みました。しかし、自信満々の矢野方弘樹だったんですが、いくら頑張っても竿の先に当たりがないままエサをとられるばかり。一体、どうしてなのでしょう?

エサ取り名人  その秘密は、カワハギの泳ぎ方にありました。普通の魚は主に尾ビレを振って泳ぎ、エサは見つけるとパクリと食いつきます。しかし、カワハギは尾ビレを振らずに背ビレと尻ビレをうまく使って、まるでヘリコプターのホバリングのように泳ぎます。これで、水中にとどまって、エサをついばむように食べるので、当たりが無いのです。さらにカワハギは、持ち前の鋭い歯でエサをかじりとるので、釣り人の間では「エサ取り名人」と呼ばれているのです。

 しかし矢野方弘樹が隣を見てみると、カワハギ釣りの名人は、いとも簡単にカワハギを釣っています。実はカワハギには、その生態を利用した科学的な釣り方があったのです。それは、エサを微妙に上下させること。そうするとカワハギは、エサになかなか食いつくことが出来ず焦りだし、目の前にエサが来た瞬間がっちりと食いつくんだそうです。
 このコツを伝授された矢野方弘樹、今度こそ釣れるのかと思ったら…なんと船酔いでダウン!結局1尾も釣れませんでした。

所さんのポイント
ポイント1
エサ取り名人のカワハギは、エサを上下させ焦らせないと釣る事は出来ない!

 カワハギは英語で“ヤスリ魚”(file fish)といいます。その理由は、うろこが退化して小さいトゲになり、皮と一体化しているからなのです。なんと、3日間乾燥させたカワハギの皮では、わさびもすりおろせるほど。

皮を剥がれたカワハギ  またカワハギは、ちょっと力を加えるだけで一気に皮が剥がれます。実は、皮が剥がれやすいからカワハギという名前がついたのです。皮が剥がれやすい理由は、カワハギは他の魚に比べて皮が厚く身も硬いから。剥ごうとしても途中で皮が切れることも、皮に身がつくこともなく一気に剥がれるんです。英語の名前も日本語の名前も、カワハギの皮の特徴に由来してたんですね。
 しかしカワハギはなんでこんなに皮が硬いのでしょう。そこでアジにカワハギの皮を巻きつけ、エイに与えてみました。するとエイは口に入れたものの吐き出してしまったのです!口に入れて噛み切れなかったので、エイは食べようとしなかったのです。

所さんのポイント
ポイント2
身を守るためにカワハギの皮は硬い。
更に身も硬いのでペロっと皮が剥げ、これが名の由来!


 体重に対する肝臓の重さを比べてみると、サバは1%台、タイは0%台なのに、なんとカワハギは15〜20%もあるのです。なぜこんなに大きいのでしょう?その理由は、カワハギは他の魚に比べて運動量が少ないので、身に脂をためこむ必要がなく、その分栄養を脂肪に変えて肝臓に蓄えているからなのです。
 カワハギ釣りでは全くダメだった矢野方弘樹がとんでもないことを思いつきました。「カワハギの肝をもっと大きく出来ないだろうか」
 秋になるとカワハギの肝が大きくなるのは、冬の寒さと春の産卵に備えてたくさんエサを食べ、肝臓にどんどん栄養をためこむから。ならば人工的に秋を再現し、カワハギの肝を巨大化させてしまおう。
 そこで、秋の海と同じ水温の海水に、通常の2倍のエサを与えてカワハギを育ててみました。そして史上初の試み、カワハギの肝の大きさを最新のMRIで測定してみると、なんと実験前はおよそ縦5cm横5cmだったのが、実験後では縦6cm横7cmと立派にカワハギの肝は大きくなっていたのです!



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