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ヘルシー!? とり肉 の謎
第757回 2004年11月21日


 11月21日はフライドチキンの日。そして12月は日本で一番とり肉が食べられる時期でもあります。そこで今回は、これからピークの季節を迎えるとり肉を科学しました。

 とり肉の代表的料理と言えば、やはり鳥の唐揚げ。しかし、なぜ豚肉や牛肉の唐揚げは無いのでしょう?
 そこで、目がテンでは豚肉や牛肉でも唐揚げを作って鳥の唐揚げと食べ比べをしてみました。材料は全てももの部分の肉を使用し、肉の大きさも統一しました。すると試食した人は、豚肉や牛肉の唐揚げは硬いと言うのです。機械で分析してみると、なんと豚肉はとり肉の2倍、牛肉はとり肉の4倍硬いことが判明しました。
 なぜこんなに硬さが違うのでしょう?それは、それぞれの肉に含まれるコラーゲンの量に関係がありました。コラーゲンは筋肉の中に含まれていて、65度以上の熱で締まる性質があります。このコラーゲンの量は最も牛肉が多く、その次に豚肉、とり肉が一番少なかったのです。コラーゲンは筋肉や骨などの体の構成物を形作る大切なもので、量は一般的に体の大きさに比例するのです。

所さんのポイント
ポイント1
とり肉は牛肉や豚肉に比べてコラーゲンの量が少ないため、高温で加熱する唐揚げでも硬くならないのだ!

 お弁当のおかずにも人気の鳥の唐揚げ。子供が好きなお弁当のおかずランキングでも、玉子焼き・ウインナーに続いて堂々3位にランクインしています。
 その人気の秘密はなんでしょう?そこで、とり肉・豚肉・牛肉の脂肪をプレートの上に乗せ、徐々に温めていくという実験を行いました。

鳥の脂肪の融点  すると、とり肉の脂肪が最初に溶け出し、次に豚肉の脂肪が溶け、最後に牛肉の脂肪が溶け出しました。実は、それぞれ肉の脂肪は溶け出す融点が異なり、牛は45度前後、豚は40度前後、鳥は30度前後が融点なのです。
 実は、これが鳥の唐揚げの美味しさの秘密。よくお弁当にお肉のおかずを入れると、脂が冷えて白く固まってしまい美味しくないことってありますよね。でも融点が低いとり肉ならば脂が固まっても、食べると口の中ですぐに溶けてしまうので美味しく感じるのです。
 また鳥の脂肪の融点が低い理由は、豚肉や牛肉に比べて不飽和脂肪酸という脂肪の成分が多いから。なんと、不飽和脂肪酸は常温でもあまり固まらない成分で、人間の体に溜まりにくい、体脂肪になりにくいというヘルシーな性質もあるんです。

 とり肉が嫌いな方の理由で一番多いのが、肉に皮が付いているからということ。牛も豚も皮付きで料理されることは殆ど無いのに、なぜとり肉は皮付きで調理されるのでしょう。
皮付きトリ肉  そこで焼き鳥屋さんに協力して頂き、皮を取って焼き鳥を作って頂きました。スタジオで所さんが皮なし焼き鳥を試食。すると、皮がついていないとパサパサしていて美味しくないというのです。
 実は、豚肉や牛肉には肉の中に脂身が含まれているのですが、とり肉の肉の部分にはほとんど脂がありません。そのかわり、鳥は皮の部分に多く脂が含まれており、その半分は脂質なのです。一般的に鳥は、空を飛ぶのに筋肉中に脂が有ると邪魔なので、皮に脂を貯めるのです。
 ちなみに「目がテン!」では、牛と豚の皮も、とり皮の様に焼き鳥にしてみました。しかし硬くて硬くて、とても食べられる代物ではありませんでした。

所さんのポイント
ポイント2
とり肉は皮に旨みを含む脂を持っているので、皮と一緒に料理しないといけないのだ!




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