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山口の絶景 秋吉台 の謎
第796回 2005年9月4日


 もうすぐ秋の行楽シーズン!今回のテーマは、佐藤アナのふるさと、山口県の秋吉台。秋吉台と言えば、日本最大級の石灰岩地帯で、日本一大きい鍾乳洞・秋芳洞(あきよしどう)があります。その中の鍾乳石は、3億年もの歳月をかけて作りだされた、まさに自然の芸術なのです。今回は、秋吉台の科学の旅に、目がテン!がご案内します。

 日本最大級の石灰岩地帯で、国定公園に指定されて50年目を迎える秋吉台。その広さはなんと130平方キロ。東京のJR・山手線が囲む面積のほぼ2倍にあたるのです。しかしここには、一般の人は入れない立ち入り禁止の場所が数多くあるというのです。
 実は秋吉台は、至るところに非常に深いタテ穴が空いているのです。その理由は、秋吉台が大きな石灰岩のかたまりであるから。実は、空気中の炭酸ガスを含んだ雨水が、長い年月をかけて石灰岩を溶かしだし、いくつもの深い穴があいてしまったのです。
 また、秋吉台を上空から見ると、月のクレーターのようなへこみが見えます。これはドリーネと呼ばれるくぼ地で、秋吉台にたまった雨水が吸い込まれる入り口になっているのだそうです。実は、秋吉台に降った雨水はタテ穴やドリーネから台地の中にしみ込み、地下で巨大な水路を作っています。だから、この秋吉台には、広大な土地にも関わらず、たった1本の川もないのです。
 緑の中に白い石が林立する秋吉台の不思議な風景、あの白い石も隆起したものではなく、雨水によって削られた石灰岩の残り、だったのです。

所さんのポイント
ポイント1
秋吉台の、緑の中に白い石が林立する風景は、1枚の大きな石灰岩が削られ出来たものだった!

3億年の芸術  日本一の大きさを誇る鍾乳洞・秋芳洞。全長8.7キロと言われるこの洞窟は、実は、観光用に公開されているのはほんの8分の1だというのです。
 また、その秋芳洞の中に出来た鍾乳石は、3億年もの歳月をかけて自然が作り出した造形美。台地の上から石灰分を含んだ雨水がしみ込んできて、洞窟の中に垂れることで炭酸ガスを失い、再び石灰分が固まったものなのです。水滴が上から垂れて出来たものを鍾乳石と呼び、垂れた水滴により下から上に伸びるものを石のタケノコと書いて石筍と呼びます。

 この秋吉台付近で豊富に採れる石灰岩は、様々なものに利用されています。コンクリートやセメントの原料から、ガラスやプラスティックの原料、鉄や砂糖を精製するときの不純物除去にも使われたり、カルシウム食品かまぼこコンニャクなどの硬化剤にも使われるのです。
 しかし何故、秋吉台も含めて山口県には広大な石灰岩地帯があるのでしょうか?現在もっとも有力な学説によれば、3億年ほど前、秋吉台は太平洋にあったサンゴ礁でした。このサンゴ礁が太平洋プレートに乗って、アジアプレートとぶつかるところまで移動し、溜まっていきました。そして、そのサンゴ礁が長い月日をかけて石灰岩へと変化していき、その後、火山活動で日本列島ができた時に陸地になり、それが今の山口県のあたりになったというわけなのだそうです。

 最近、秋吉台では、世界三大珍味のひとつである高級食材のトリュフが時々発見されています。そこで矢野さんが、ぜひ所さんに食べてもらおうとトレーニングを積んだ警察犬たちを連れて、トリュフを大捜索!
 そもそもトリュフとは、和名をセイヨウショウロといい、木の根に寄生して育つキノコのこと。地面の中で育つため発見が難しく、本場のトリュフ探しでも鼻のよいイヌが使われています。
小さいトリュフ  そのトリュフの名産地といえばフランスのぺリゴール地方。実は、石灰岩質の土壌で、コナラやナラガシワの広葉樹が生えているというぺリゴール地方の特徴は、秋吉台にもピッタリ当てはまるのです。そのため、最近秋吉台でもトリュフが採れるようになったのではないかと言われています。
 矢野さんが、捜索すること3時間。ついに小さいトリュフらしきものを発見しました。そして鑑定の結果、正真正銘のトリュフであることが判明。見事、小さいながらも秋吉台でトリュフを発見することができたのでした。

所さんのポイント
ポイント2
秋吉台は、石灰岩質の土壌でコナラやナラガシワが生えているので、トリュフが生息しやすい場所だった!




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