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東京タワー ウラ側潜入
第810回 2005年12月11日


 東京の代表的な観光名所といえば東京タワー。完成してから、今年で47年が経ちました。ところが最近、「ALWAYS三丁目の夕日」「東京タワー」等の映画に取り上げられたり、ベストセラー小説のタイトルにもなったりと、何かと話題になっているのです。

 東京タワーは、テレビ・ラジオなどの電波送信塔として、昭和33年に完成しました。その高さは333mで、今もなお日本で一番高い建造物であり、自立鉄塔としては、320mのエッフェル塔よりも高く、なんと世界一の高さを誇り続けているのです。
 まずは、矢野さんが高さ150mの大展望台まで、階段で登ってみることにしました。登ってみると階段の数は563段、時間は10分31秒かかり、汗だくになってしまいました。
 さらに、ここから高さ250mの特別展望台まではエレベーターで向かいます。実は、この特別展望台は完成当初は無く、昔はただの作業スペースだったのです。その作業スペースが、昭和42年に展望台として開放されたため、特別という名前がついたのです。
東京タワーのアンテナ  では、さらに高さ250mの特別展望台の上には何があるのでしょうか?実は、この上に、テレビのアンテナがあるのです。特別展望台の上には2002年に取り付けられたデジタルテレビのアンテナがあり、さらにその上にアナログテレビのアンテナがついています

 なぜ、東京タワーは東京・芝公園に建っているのでしょうか?実は、東京タワーが建つ候補地には、上野公園も挙げられていたというのです。
 芝公園が選ばれた理由は、地下の地盤に隠されていました。実は、東京タワーの重さは3600トン。東京タワーを建てるためには、その地下が固い地盤でないと、その重さで沈んでしまうそうなのです。
 実は、東京の地下には、大昔、古多摩川によって流された礫が積もった東京礫層(れきそう)という固い地層が分布しています。しかしその地層は、東京の西側の方が浅く、東側の方が深い所に分布しているのです。調べてみると、上野公園辺りでは地下30m程度の所にあり、芝公園では地下20mの所に分布していました。そのため、技術的にも費用的にも条件の良い、芝公園に東京タワーが建てられることになったのです。
 ちなみに、芝公園や上野よりもさらに浅い地下10m程度の所に東京礫層があるのが新宿。そのため、新宿には早い時期から超高層ビルが多く建てられていったのです。

所さんのポイント
ポイント1
東京タワーが芝公園に建てられたのは、東京礫層という固い地層が、比較的浅い所にあったためだった!

 なぜ東京タワーがあって大阪タワーは無いのでしょう?大阪にも通天閣がありますが、実はこれはテレビの電波を出す塔ではなく、全国的にもテレビの電波を出すタワーは数えるほどしかありませんでした。では、他の地方ではどのようにテレビの電波を出しているのでしょう?
 実は殆どの地方が、近くの山の上に低い電波塔を建てて送信しているのです。高いタワーを建てて電波を発信しているのは、東京、名古屋、福岡くらい。しかも、その中でも東京タワーは断トツに高い333mもあります。
 これは関東の地形に秘密がありました。関東には、日本最大の関東平野があり、広いエリアを見渡せる山がありません。この関東平野をカバーするほど広い範囲に電波を届かせるためには、こんなにも高い塔が必要だったのです。

 しかし、日本一高い東京タワーも、建設から40年以上たった今、なんと周りに高層ビルが建ったことで、問題が発生しているそうなのです。

新東京タワー  それは、「都市難視」と呼ばれる障害。超高層ビルが壁となり、東京タワーから送られる電波が、各家庭に届かなくなってしまうのです。現在、この対策として、ケーブルテレビに加入するなどの方法がとられています。しかし、今後さらに超高層ビルが増えると、東京タワーの電波が届くエリアは、どんどん狭くなってしまうのです。
 そこで、その解決法として、なんと夢の新・東京タワーが計画されているというのです。その新東京タワーの高さは、現在の東京タワーの2倍、なんと高さ610m。まだ計画段階ですが、完成すれば、世界一高い建造物になるそうなのです。

所さんのポイント
ポイント2
東京タワーの周りに超高層ビルが建ったため、電波が届きづらくなっている。そのため、新・東京タワー建設の計画があるのだ!




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