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所さん絶賛 生キャビア
第821回 2006年3月5日


チョウザメの顔  フォアグラ、トリュフと並び、世界3大珍味と言われるキャビア世界を代表する高級食材ですよね。このキャビアはチョウザメの卵。しかしチョウザメって、名前は聞いたことあっても、ちゃんと見たことないはですよね。そこで今回の目がテンは、高級食材キャビアとその産みの親・チョウザメに迫りました。

 実はチョウザメは、名前にサメとついていても、サメではないらしいのです。そこで矢野さんが、チョウザメが泳いでいる水槽に潜ってみました。しかし、チョウザメは矢野さんに接近するも、襲いかかることはありません
 さらにチョウザメの口の中を観察してみても、どう猛なサメに特徴的な、鋭い歯はありませんでした。その代わりにチョウザメは、口を伸ばしてエサを吸い込むように食べていたのです。普段チョウザメは、水の底にいる貝類やエビなどをエサにしているので、下に伸びる特殊な口を持っているのです。チョウザメはひげのような感覚器官を持っていて、触れたものを丸呑みにする性質があるのです。

 チョウザメがサメかサメじゃないか区別する方法がありました。一般的に魚は浮き袋という器官を使って水中で浮くのですが、サメにはこの浮き袋がありません。その代わりサメは脂肪をたっぷり含んだ巨大な肝臓を使って浮いているのです。では、チョウザメはどうなのでしょうか?実は、チョウザメは普通の魚と同じように、浮き袋で浮いていたのです。やはり、チョウザメはサメではなかったのです。実はサメが軟骨魚類に属するのに対し、チョウザメは硬骨魚類に属し、サメとは全く異なる魚だったのです。
 では、なぜチョウザメと呼ばれているのでしょう?実はチョウザメは、体の表面を覆っている粘膜を落とすと、硬いウロコが現れます。そのウロコの形が、羽を広げた蝶に似ているのです。蝶の形をしたウロコを持ち、体型がサメに似ていたため「チョウザメ」という名前が付けられたと言われています。

所さんのポイント
ポイント1
チョウザメはサメではなかった。蝶の形をしたウロコを持ち、体型がサメに似ているから“チョウザメ”という名前がついたのだ。

 キャビアは、一体どのようにして採られているのでしょうか?矢野さんが日本でもキャビアを採っている岩手県の釜石市に向かいました。そして、体長1m50cm、体重約21.6キロのチョウザメのお腹を割いてみると、たっぷりキャビアがつまっていたのです。その重さは約5キロ。なんと体重の約25%がキャビアだったことになります。
 この後、普通のキャビアは、1粒1粒をバラバラにして洗い長期保存できるように塩漬けにします。しかし今回、スタジオの所さんは、塩漬けにする前の生キャビアを試食しました。本来、キャビアは新鮮なものでないと生で食べることができないのですが、今回特別に、とれたての生キャビアを瞬間冷凍して運んできたのです。試食した所さんの感想は、生キャビアも「美味しい」とのことでしたが、やっぱり塩漬けにしたキャビアの方が好きとのことでした。

 なぜキャビアはあんなに黒いのでしょうか?イクラやカズノコなど、多くの魚の卵は、透き通っていますよね。実は、よく調べてみると、キャビアの中身は白く表面だけが黒いのです。
 そこで専門機関にお願いして、この黒い物質を調べてもらったところ、なんと“ユーメラニン”というメラニン色素であることがわかりました。日焼けや髪の毛の色でおなじみのメラニン色素です。なぜこの様な色素を持つのか、現在、はっきりとわかってはいないのですが、産卵場所である川の中の岩の色に合わせた保護色なのではないかと考えられています。

 あれだけ美味しいキャビア。ならば、その産みの親・チョウザメの肉は食べられないのでしょうか?
チョウザメの薄造り  そこで、日本料理の名店“なだ万”にチョウザメの調理を依頼しました。初めての試みに、料理長さんもちょっとびっくりしますが、なんとチョウザメは“フグ”の味に似ているというのです。そして、スタジオで所さんが試食したところ「本当にフグだ」と目がテンになっていました。
 実は美味で中国などでも珍重されてきたチョウザメなのですが、サメという名で「美味しくない」と敬遠され、一方キャビアが珍重されることから、近年あまり食べられなくなっているそうです。

所さんのポイント
ポイント2
チョウザメは、キャビアだけでなく魚肉も食べられる!
しかも、フグの味にそっくりなのだ!





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