クジャク
が空を飛ぶ!
第837回 2006年6月25日
動物園の人気者、
クジャク
。羽を広げたときは、黒山の人だかりになりますよね。しかし、いざ動物園に行っても、
クジャクが羽を広げているのを見るのは難しい
のが悩み。そこで今回の「目がテン!」は、
クジャクが羽を開げた、美しい姿を見るためのポイント
を徹底調査しました!
クジャクが羽を開いている時間帯を知りたい!
ということで、目がテンのAD君が
1羽のクジャクに密着
しました。こうすれば、きっとクジャクがいつ羽を開いているかが明らかになるはずです。
観察してみると、まず開園前の
早朝5時頃にクジャクは起きだして、いつも活動している自分の縄張りへと向かいました
。しかし、まだ羽は広げていません。すると
午前7時すぎ、ようやくクジャクは羽を広げ始めました
。そして、ちょうど開園時間の午前9時には、多くのクジャクが羽を広げていました。
ところが
午後になり、クジャクはパッタリ羽を広げなくなってしまいました
。実は、クジャクはインドなど暑い地域が原産の鳥なので、
最も暑くなる午後の時間帯には、羽を閉じて休んでしまう習性がある
のです。
しかし、さらに密着を続けていると、
夕方3時頃、再びクジャクは羽を広げ始めました
。涼しくなってきたので、また活動し始めたのです。日暮れまで、クジャクは何度も羽を開いたり閉じたりしていました。そして暗くなると、縄張りから移動し、なんと飛び上がって
木の上で眠る
のです。
つまり1日のうち、クジャクの羽を見るチャンスは2回。朝の5時頃目覚めたクジャクは、7時頃から羽を広げ始め、
10時頃に1度めのピーク
を迎えます。そして、お昼頃には開かなくなりますが、
3時頃から日暮れまで
また開きだします。そして、7時頃には身を守るために木の上で眠るのです。
ただし、この羽を開く時間帯は天候にも左右され、晴れている日は午前中と夕方によく開くのですが、曇りの日は午後でも開く場合があるそうです。
さらに驚くべきことに、
クジャクの羽はなんと7月から徐々に抜けていってしまう
というのです。実は、
クジャクの羽は毎年新しく生え変わります
。7月になると段々羽が抜け始め、11月には全て無くなってしまいます。そして、12月頃から新しく生え始め、次の年の
4月から6月にかけて一番美しくなる
のだそうです。
その理由は、羽を広げる理由に関係がありました。そもそも
美しい羽をつけているのはオスのクジャクだけ
。実は、
オスのクジャクがメスにプロポーズするために羽を広げている
のです。そして、
クジャクの繁殖期と言うのが4月から6月
にかけて。つまりこの時期は、オスのクジャクがメスのクジャクに向けて、さかんに優美な羽を扇状に開き、プロポーズしているのです。
クジャクが羽を広げるのは、午前中と夕方だけ。
さらに、4月から6月の繁殖期を過ぎると、クジャクは羽が抜け落ちてしまうのだ!
クジャクのオスが持っている羽は、
上尾筒(じょうびとう)
と言って、メスにアピールするための羽です。しかし、その上尾筒に隠れて、
風切羽
という空を飛ぶときに使われる羽もありました。ということは、
クジャクも空と飛ぶことができるのでしょうか?
そこで、たまたま屋根の上にいたクジャクを発見し、ねばって観察してみると、
なんと80mの大飛行を目撃
。実は、クジャクは、
美しい羽とは別の羽を使ってちゃんと飛べる
ことがわかったのです。
ところで、クジャクの羽にある、あの
目玉模様は一体何個あるのでしょうか?
そこで、何でも数えてみる「目がテン!」が、目玉模様を数えてみることに。羽を広げている3羽のクジャクを写真にとって一つずつ数えてみると、
平均で139個の目玉がついている
ことがわかりました。さらに調べてみると、あの目玉模様は、1本の羽に1個だけ付いていることがわかりました。つまり、
羽の数も139本
あるのです。
この結果から、クジャクの羽の重さを計算してみました。すると、概算で
約170g
。実は、
あの大きいクジャクの羽は、ものすごく軽いものだった
のです。その理由は、クジャクは主に地上性の鳥ですが、地上を動き回ったり空を飛んだりするときのために、
ぎりぎりまで軽量化された
と考えられています。
クジャクは飛ぶための羽も持っていて、空を飛ぶことができる!
その分、あの大きくて美しい羽はとても軽いものだったのだ!