知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


美しい アイ の秘密解明
第848回 2006年9月17日


 サッカー日本代表のユニフォームカラーと言えば“ジャパンブルー”。実は、このジャパンブルーと言う言葉、古くから海外で日本を象徴する色として知られていました。その理由は、明治時代に、アトキンソンという化学者が、藍染めの色をジャパンブルーと呼び、世界に知らしめたからなのだそうです。
 そこで今回の目がテンは、久々登場の矢野左衛門が日本伝統の色、藍染めに迫りました。

タデ藍  主に日本で藍染めの原料になるのは、8月から9月に収穫されるタデ藍という植物。しかし、なぜ緑色のタデ藍の葉から、あんな藍色が出来るのでしょうか?
 そこで真っ白いハンカチを、タデ藍から作られた「藍液」という、染めるための液体につけてみると、やはり緑っぽい色になりました。ところが、時間がたつにつれ、なんと段々青色に変わっていったのです。一体、どういうことでしょう?
 実は、タデ藍の葉には、インジカンという無色の物質が含まれていて、そのインジカンは酸化すると様々な工程を経て、インジゴという青い色素になるのです。
 さらに藍染めは、不純物を取り除きながら何度も染めていくと、色々な濃さの美しい藍色になります。実は藍染めは、染める回数や染め方によって微妙に色が変わってくるので、藍色の中でも10種類以上も名前がついて区別されているのです。

所さんのポイント
ポイント1
タデ藍のなかのインジカンという成分が青色にしていた。
また藍染めの色は染め方によって変わってくるので、10種類以上も名前が分かれているのだ。


 ある文献によると、徳川家康をはじめ、武士たちは藍染めのふんどしを愛用していたそうなのです。しかし、藍染めの下着にどんな意味があるというのでしょうか?もしかして、藍染めにはにおいを抑える効果があったりするのでしょうか?
 そこで、「目がテン!藍染めデオドラント実験」を敢行。藍染めの生地半分と何も染めていない生地半分を縫い合わせ、一つのTシャツにしたものを男女合わせて4人に着てもらいました。そして、たっぷり汗をかいてもらい、においセンサーで臭さに違いがでるかどうか調べようというのです。
 汗をかいた直後、早速においセンサーで調べてみると、わずかながら藍染めの生地の方が臭くないという結果がでました。
 続いて、Tシャツについた雑菌を繁殖させるために、3日間温かい所に放置しました。すると、明らかにTシャツからは強烈なにおいが出ていました。ところが、においセンサーで調べてみると、白い生地の部分からは強いにおい反応がでたのですが、藍染めの生地の方はあまりにおいを感じないレベルだったのです。
 そこで今度は、藍染めの生地と染めてない生地に、体臭のもとである「黄色ブドウ球菌」を2日間培養してみました。すると2日後、藍染めの生地の方は菌の増殖が抑えられていることが確認できたのです。
 以上のことから、藍染めには抗菌効果があるため、菌の繁殖を抑え嫌なにおいを抑えることができると言えそうです。

 さらにさらに、藍染めには虫除けの効果もあるのではないかと、こんな実験。
 矢野さんが、普通の作務衣と藍染めの作務衣を着て虫が寄ってくるかどうか確かめました。協力してくれた虫は、メキシカンレッドニー・タランチュラという毒グモ。
 命がけの実験でしたが、結果は、普通の作務衣を来ているときは、背中や服の中に入ってきたのですが、藍染めの作務衣を着るとタランチュラは全く寄り付かなかったのです。
藍染めふんどし  また、衣類につく小さな虫でも検証したところ、数日間放置しても藍染めを施した布は虫食いのあとが見られませんでした。やはり、藍染めには防虫効果もあるようです。
 と、いろんなことがわかった矢野左衛門。所さんに藍染めのお土産を持って帰りたいということで、「目がテン特製!藍染めのふんどし」を作成。しかし、所さんの反応は、やっぱりイマイチでした。

所さんのポイント
ポイント2
藍染めには、抗菌効果による悪臭予防や防虫効果があった!
だから昔は、ふんどしとしても愛用されたのかも!?





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