知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


科学の発見(秘)ベスト10
第914回 2007年12月30日


 激動の2007年!実は科学の世界にも様々なニュースが相次ぎました。そこで目がテンは番組でお世話になった科学者に今年最も気になった科学ニュースを緊急アンケート。題して、2007年科学の総決算、目がテン科学ニュースベスト10!

 第10位は、「巨大恐竜の化石」。兵庫県の丹波市でティタノサウルスという巨大な草食恐竜の化石が次々と発見されました。通常、化石は食べられたりしてバラバラの状態で発見されますが、尻尾などが繋がって出てくるのは世界的に見ても珍しいことなので注目されているのだそうです。このままいけば全身の化石が出てくる可能性もあるのだそうです。第9位は「ウナギの稚魚規制」。6月のワシントン条約の国際会議でヨーロッパ産ウナギの稚魚の輸出を規制することが可決されました。実は、ウナギはどこでどのように生まれているのかいまだにわからない謎の魚。養殖といっても海で捕まえた稚魚から育てる方法しかないんです。
鯛と金魚  そこで脚光を浴びたのが、ウナギ研究の第一人者、田中秀樹さん。田中さんは養殖ウナギを人工的に産卵させ、卵からウナギを養殖する「完全養殖」を成功させたんです。しかし多額の研究費のためお店で出すと一人前数百万円!日本のウナギの未来はこの研究にかかっています。ここで一つの水槽で泳ぐ鯛と金魚がスタジオに登場。実は水槽に入っているのは好適環境水という、海水魚に必要不可欠な成分だけを淡水に加えた塩分濃度1%の水。海水魚と淡水魚両方に適している水なのです。その不思議な光景には所さんもかなりビックリした様子でした。

 さて、第8位は「緊急地震速報」。今年7月に発生した新潟中越沖地震をはじめ、近年巨大地震が頻発している日本。そこで気象庁が10月1日から緊急地震速報をスタートしました。これは、早く伝わる小さな揺れを地震計がキャッチすると、すぐさま計算して地震の大きさと大きな揺れが来るまでの時間を各地に知らせるというシステムなんです。命を守るこのシステムに期待が高まっています。第7位は「バイオガソリン」。4月27日にトウモロコシやサトウキビなどのでんぷんから造られるバイオエタノールを混ぜた燃料、バイオガソリンが発売されました。CO2を吸収して生長したトウモロコシで作ったバイオ燃料で車を走らせるとCO2の循環が起こり、二酸化炭素の量が増えないため、地球温暖化防止に注目されているのです。
 さらに、納豆で世界を救おうとする注目の研究者が原俊夫先生です。先生が研究で作っているのは納豆の糸の成分、ポリグルタミン酸を取り出し、ガンマ線を当て、フリーズドライしてできた白い粉。水を止める納豆樹脂この粉末の実力を試しに佐藤アナが矢野さんの家を訪れ、入浴中の浴槽に投入して3分ほどかき混ぜると、なんとお湯がドロドロに変化したのです。実はこの粉、納豆樹脂と呼ばれるもので、自らの重さの2000倍の水を蓄える力を持っているんです。その秘密は高分子構造という網の目のような構造で、水分を大量に取り込みドロドロのゲル状にする性質があるんです。なんと原先生は、この納豆樹脂を砂漠にまいて、その場に水を蓄え緑化を実現しようと考えているんです。近い将来納豆が世界を救う日が来る、かも知れません。

所さんのポイント
ポイント1
納豆の糸の成分から作られた、水を大量に取り込む力がある納豆樹脂が砂漠の緑化を実現し、世界を救う!かも知れないのだ。

 さて、第6位は「タミフル問題」。インフルエンザの特効薬として使用されているタミフルですが、服用した患者の異常な行動が相次いだことで厚生労働省は10代への処方を原則控えるよう指示しました。しかし現在インフルエンザの有効な治療薬はタミフルしかないため、一刻も早い原因究明が待たれています。第5位は「カエルツボカビ」。カエルツボカビとはカエルの皮膚で繁殖する壷状の菌で、水を媒介にして急速に広がり、感染したカエルはほぼ死んでしまうという恐ろしいもの。今年の1月には日本でも緊急事態宣言が出されました。カエルの数が激減すると生態系が変化する恐れがあるので、人類のためにもカエルを救うことが求められているのです。第4位は「超薄型テレビ」。厚さわずか3mmという驚きの薄さを実現した有機ELテレビが登場しました。従来の液晶テレビは後ろからライトを当てて画面を映し出しているので、ライト分の奥行きが必要なのに対し、有機ELと呼ばれる炭素や窒素の化合物は電気を流せば自ら光り発色するため、極限まで薄くできるのです。まだまだ高価ですが、テレビは超薄型時代へ突入しました。

 第3位は「月探査衛星・かぐや」。9月14日、日本初となる月探査ミッションのため、衛星かぐやを搭載したH−IIAロケットが打ち上げられました。今回のミッションはまだ謎の多い月の起源と進化を解明することで、月の表面だけでなく、月の内部の構造にまで迫ろうとしています。さらに、かぐやは月の表面や、月から地球が登るという神秘的な瞬間など、驚異の美しい映像を送ってきました。かぐやはこれからも新発見を地球に届けてくれそうです。第2位は「地球温暖化」。世界各国で最高気温が軒並み更新されたり、氷河が溶けて湖になってしまったりと、地球温暖化問題は年々その深刻さを増しています。そもそも地球温暖化とは、二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中に増え、太陽光で温められた熱が宇宙に放出されなくなるために地球がどんどん温かくなってしまうという現象なのです。実際に二酸化炭素量は近年急激に増え、それに伴い地球の平均気温も上昇しているのです。そんな中、日本に天候を自由に操る男がいるという情報を聞きつけ、矢野さんが新潟空港に飛びました。そこで出会ったのは、人工的に雨や雪を降らせる研究をしているという気象庁の村上正隆さん。村上先生はこの時期新潟の各所に気象観測所を設置し、24時間体制で雪雲の観測をして、雲に上空からドライアイスをまくというのです。ドライアイスを雪雲にまくと雲の中の水蒸気がドライアイスに付着して成長し雪となって落ちてきます。先生はこの人口降雪をダムの上などで行い渇水対策にしようというのです。矢野さんは早朝、実験場所のダムで待機。村上先生を乗せた小型飛行機が高度3000mの雲の中へ突入しドライアイスをまき始めた40分後、劇的に天気が変わり、雪が降ってきたのです!この研究で日本の水不足が解消するかもしれません。そして栄えある第1位は「新たな万能細胞」万能細胞とは、体の部位に関わらず失われた機能を再生させる細胞のことで、脊髄損傷や手足の切断などの再生医療の分野で期待されています、近年、どんな部位にも変化させることができる人の受精卵をもとにES細胞という万能細胞が開発されていましたが、受精卵を使うことには倫理的な問題が指摘されていました。ところが今年、京都大学の山中教授が、成人女性の皮膚の細胞に特殊な遺伝子を組み込むことで、ES細胞とほぼ同じ能力を持つ新たな万能細胞、IPS細胞を作り出すことに成功したのです。この新たな万能細胞が医療の新領域への突破口を開こうとしているのです!

所さんのポイント
ポイント2
科学は地球の環境や私達の生活を守るためにとても重要。今後も科学の進歩からは決して目が離せない!




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