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戦国非常食(秘)松の甘皮
第928回 2008年4月6日


 4月6日は「4(し)」と「6(ろ)」で「の日」です。現在全国で戦国時代以降のお城や城跡は約5000ヶ所も残っています。今回はそんな日本のシンボル「お城」に隠された秘密を科学で徹底解剖します。

 さて、みなさん、「お城」と言えば、まず何を連想しますか?この問いに、100人が答えてくれました。そして、栄えある第1位に輝いたのは、「天守閣」
 城の顔とも言える天守閣には、熊本城などの「黒い天守閣」と名古屋城などの「白い天守閣」がありますが、実は豊臣秀吉に仕えた大名の城は黒、徳川家康に仕えた大名の城は白なんです。続く第2位は、「城門」!世界遺産「姫路城」には現在も門が20か所残っており、築城時には80か所以上あったと伝えられています。
 なぜ、お城にはたくさんの門が必要だったのでしょうか?秘密を探るため、矢野さんが姫路城のガイドを務める70歳の岸本さんと入り口の門から天守閣正面の広場まで徒歩でタイムトライアルを決行!矢野さんは5分のハンデをもらい、先にスタート。早足でいくつもの門をくぐり、15分後、ようやくゴールしました。ところが、なんとそこには5分遅れでスタートした岸本さんの姿がありました。そこで、岸本さんの動きを追ってみると、岸本さんは第一の門をくぐると矢野さんのように真っ直ぐではなく右方向へ曲がっていたのです。実はこの道こそが天守閣へ向かう最短のルートの入り口だったのです。ではなぜ、矢野さんは迷うことなくまっすぐ進んでしまったのでしょう?矢野さんの視線を追った映像をチェックしてみると、一旦左右を確認したものの視線は正面の門に集中していたのです。そこで、こんな実験です。3歳から5歳の園児26人に、部屋に入って3つあるぬいぐるみのどれか一つを取ってきてもらうという実験を行いました。部屋の正面に門を置きその前に一つのぬいぐるみをセット。さらに左右2つにもセットしましたが、正面のぬいぐるみより入り口からの距離が半分になっています。まずは半分の13人で実験開始。結果、13人中12人が躊躇することなく真っ直ぐ正面のぬいぐるみへ向かったのです。
 では、正面の城門がないとどうなるのでしょう?残り半分の園児達で実験したところ、今度は迷う子供達たちが続出し、正面以外のぬいぐるみを取る子が3人も現れました。結果は、門なしのグループでは、正面のぬいぐるみを選んだ子が10人でこの内6人は迷ったあげくの行動でした。なぜ、違いが出たのでしょう?心理学の先生によると、人間は門を次の世界への入口と認識するのだそうです。つまり門という記号により矢野さんの視線は正面に固定されてしまったのです。
 さらに、天守閣に近い門の脇にはUターンするように造られた門がありますが、実は死角にあるこの門が天守閣までの近道ルートでした。しかしこの門を見つけ、くぐったのにUターンして戻ってきたお客さんが何組もいました。その人達に理由を聞いてみると、道が下り始めたので引き返したと言います。これは、下り坂にする事で天守閣から遠ざかってしまうという錯覚に陥ってしまったため戻ってくるのです。さらに門をくぐってから初めて下り坂が見えることで、より効果を増すそうです。

所さんのポイント
ポイント1
城には敵を惑わす色々な仕掛けがある。特に城門は、人間の心理や錯覚を巧みに利用した城最大の防備だった!

 そして同じく2位は、「石垣」!その役割は、敵兵の侵入を防ぐための防御の他に、土を盛り上げられ造られた土台の表面を補強する役割があります。つまり石垣は表面に一列のみ石が積み上げられているだけなのです。石垣には、自然に近い石を積み上げた、表面がデコボコで石の大きさもバラバラなものと、江戸時代で主流となった、石をキレイに加工し、大きさを揃えて隙間なく積み上げた贅沢な作りのものがあります。では、どちらの石垣が強いのか実験してみました。石垣の耐震実験(2つの石垣、並びの比較)最新式の移動型地震発生装置に、忠実に6分の1スケールで再現した石垣を乗せ、揺れに対する強さを調べます。まずは震度6で実験たところ、どちらもほぼ変化なし。さらに震度7の揺れを与えてみると、デコボコの石垣はなんとか耐えましたが、キレイな石垣は一部が大きく崩れ、今にも落ちそうな状態でした。実はキレイな石垣の場合、上下の石の接合部分は表面の1ヶ所のみのため、大きく揺れると接合部分がズレやすく崩れやすいのです。一方、デコボコの石垣は自然に近い石を使っているため凸凹が多く、数ヶ所で接しているため多少ズレても他の部分が接するので崩れにくかったのです。実は、整然とキレイに積まれた石垣は、耐震性を犠牲にし、見栄えと美しさを追求したものだったのです。

 さて、お城につきものの松の木。でもどうしてお城にはマツが多いのでしょうか?それは燃やしてみるとわかるということで、マツとスギとナラを同じ高さにセットし同時にガスバーナーで加熱する、「木材別燃焼選手権」を行いました。すると、開始早々マツだけが燃え始め、火を止めても燃え続けたのです。マツの甘皮餅実は、松の樹脂、松脂(マツヤニ)は石油に近い成分の油なので、マツは非常に燃えやすいのです。そのため、マツは城に植えられ、ろう城した時の燃料に使われました。さらに、松ぼっくりの中には「松の実」があり、高カロリーで栄養価が高く、ろう城した時の非常食になっていたそうです。さらにマツの木の皮の内側にあり、栄養分の糖が運搬される「甘皮」といわれる柔らかい皮も食べられます。この甘皮を茹でてアクぬきし、当時の非常食、甘皮料理を再現してみました。マツの甘皮のしゃぶしゃぶと甘皮餅を試食した所さんは、微妙な反応でしたが、食べられないことはないという感想でした。

所さんのポイント
ポイント2
松がお城にたくさんあるのは、燃えやすいので燃料として使われ、さらに松の実や甘皮がろう城した時に非常食にもなるからだった!




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