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悪臭 ジーンズ vs 猛毒蛇
第986回 2009年5月23日


 1870年代のアメリカで作業着として誕生し、100年以上経った今、ファッションアイテムへと変わったジーンズ。今回はそんなジーンズの魅力に科学で迫ります。

 まずは流行の街・表参道で実際にどれだけの人がジーンズを履いているのか調査した結果、なんと1000人中682人がジーンズを履いていました。今や、日本人一人当たり3〜4本も持っているといわれる、ジーンズ。履いている人にジーンズの好きなところを聞いてみたところ、皆さん口を揃えて「色落ち」という答え。では、なぜジーンズは魅力的に色落ちするのでしょう?そこで、同じ染料で染めたジーンズの生地とTシャツの生地を機械でこすってみました。すると、Tシャツの生地は青いままだったのに、ジーンズの方は白い部分が出てきたのです。実は、丈夫なジーンズには太く、強くねじってある糸が使われているため、染料が内部まで浸透しづらいのです。このように、中央に白い部分が残る現象を「芯白(しんじろ)」と呼び、この芯白のおかげで、履きこむほどに、独特の美しい色落ちにできるのです。では、そんな色落ちしやすい糸で作られた生地を、なぜわざわざ青く染めたのでしょうか?専門家によると、なんとカウボーイが毒蛇から身を守るために染めたというんです。その真相を確かめるため、佐藤アナがカウボーイ姿でジャパンスネークセンターへ向かい、猛毒ガラガラヘビと対面!しかし、ヘビが嫌いな佐藤アナはケースに入ることもできず断念…。そこで、佐藤アナに代わり、スタッフが特製ガラガラヘビ防護グッズを装着し、その上からジーンズを履いて近付いたところ・・・なんとあっさり防護靴にガブリ!天然インディゴから逃げるヘビガラガラヘビはその後、何回やってもジーンズを嫌がる素振りはありませんでした。再び専門家に話を伺うと、なんと現在のジーンズは石油から科学的に作り出した合成のインディゴを使用しているため効果はないと言うのです。そこで、今度は白いジーンズをタデアイの葉で作った天然の染料で青く染めてリベンジ!すると…ヘビは威嚇音も出さず逃げる一方でした!実は天然インディゴには、殺虫剤として有名なピレスロイドという成分が含まれているため、ヘビは逃げていったのです。伝説は真実なのかもしれません。

所さんのポイント
ポイント1
殺虫剤の成分を含む天然インディゴにヘビは退散!ジーンズは毒蛇除けのために青く染められたという伝説は本当かも!?

 さて、街の人にジーンズをどれくらいの頻度で洗濯するか聞いてみたところ、なんと30人中半数以上が、年に一度も洗わない、または洗うつもりもないと回答したのです!洗濯なし、毎回洗濯のシャーレ カビ比較ジーンズはその古びた風合いから汚れが目立たないため、みなさんあまり気にしていないんだとか。でも実際はどのくらい汚れているのでしょうか?そこで履く度に洗ったジーンズと約2年間まったく洗っていないというスタッフのジーンズを検査してみます。まずは、ジーンズの汚れを液にもみ出し、その液をそれぞれシャーレに入れて菌を培養し一週間置きます。すると、頻繁に洗ったジーンズはほとんど変化がありませんでしたが、2年間一度も洗っていないジーンズのシャーレにはなんとカビが大量発生!やはり目立たなくても確実に汚れているのです!

 しかし、「洗うと生地がボロくなる」、「高いから大事に保存したい」との声が。そこで今度は強度の違いを確かめてみることに。強度を証明するために馬で引っ張った、あの有名な実験を21世紀に再現!馬ではなく超大型バイク、ハーレーにフルパワーで引っ張ってもらい、耐えた時間を比較します!まずは一度も洗っていないジーンズをバイクの間にセットしスタート!すると7秒で破けてしまいました。続いて、履くたびに洗っていたジーンズは16秒まで耐えたのです。そこで、2つのジーンズの生地の強度を引っ張り試験機で測ってみると、洗っていないジーンズは87キロ、履くたびに洗ったジーンズは105キロ!実は、ジーンズは洗わないと、長持ちどころかカビが繁殖し繊維を劣化させてしまうのです。

所さんのポイント
ポイント2
ジーンズを洗わないとカビが発生し、繊維を劣化させてしまうので、ジーンズは頻繁に洗ったほうが丈夫さを保てるのだ!

 ところで、ジーンズと言えば腰履き!そこで最新腰履き事情を調査しました。腰履きの人に腰骨からジーンズまでの距離を測らせてもらったところ、その平均は約10cmでした。でも腰履きを見ているととても動きづらそう。そこで普通履きVS腰履きでバスケ対決です!すると…なんと腰履きチームは終始軽快な動きでしたが、普通履きチームは、後半明らかに動きが悪くなり、結果はなんと34対52で腰履きチームの圧勝でした!普通履きチームに敗因を伺うと、「きつい」「暑い」などの意見が!なんと試合中にジーンズ内が異常に暑く蒸れるというのです。実際にサーモグラフィーで見てみると、確かに腰履きよりも普通履きの方が下半身の温度が異常に上がっていたのです。温度計で測ってみると、ジーンズ内の温度に平均で3.4度も差がありました。生地が丈夫なジーンズは元々通気性が悪いので、腰履きはファッション性だけでなく、中が蒸れないとても合理的な履き方だったのです!



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