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疲れ解消!!理想の休日
第1029回 2010年4月10日


 今、日本ではゴールデンウィークなどの長期休暇を地域ごとにずらし、渋滞や混雑を減らそうという、連休の分散化計画が立てられています。もし実現したら日本の休日は大きく変わるでしょう!そこで今回は、休日の身近な疑問を科学します。

 休日の過ごし方といえば、外で身体を動かす「アクティブ派」と、家でゆったり過ごす「インドア派」に分かれますよね。では、一体どちらが、疲れない良い過ごし方なのでしょうか?そこでこんな実験!同じ会社で働く37歳のアクティブ派と、インドア派の営業マン2人の休日に密着し、心拍数などから身体の状態を分析する加速度脈派計で数時間おきに疲れ具合を測定します。まずはアクティブ派の休日。朝からジムでランニングと筋トレをし、温泉に浸かった後に疲労度を測定してみると、その数値は3.47でした。2.00以上で疲れている状態を示すので、これはかなりお疲れの数値。しかし、午後に大好きな家電や洋服のショッピングを楽しんだ後に測ってみると、なんと1.33と良好な状態に戻っていたのです。一方、インドア派には和室を用意し、ゴロゴロしながら、好きなDVDやマンガを存分に楽しみ過ごしてもらいます。3時間後の測定では、当然数値も1.24と良好な状態。ところが、夕方まで好きなことをやり続けた後に、再び計測してみると、何と数値は13.64になっていたのです!専門家によると、たとえ大好きなことでも、集中して1つのことをやり続けると過緊張状態となり、身体が疲れてしまうそうです。つまり、週休2日の場合、土曜日には好きなことに長時間没頭し、日曜日は緊張状態にならないように、色々なことを少しずつやるのが、心も身体も疲れない理想の休日といえるでしょう。

所さんのポイント
ポイント1
大好きなことでも集中してやり続けると過緊張状態になり、身体はかなり疲れてしまうのだ!

日曜ゼッケンをつけて走る3人  では、理想的な休日を過ごすことで本当に疲れは取れるのでしょうか?そこでこんな実験!3人のサラリーマンの方に、仕事を終えた金曜の夜と、理想の休日を過ごした日曜の夜に、ルームランナーで10分間、自由に速度を変えながら全力で走ってもらい、距離を比べます。すると…なんと疲れた状態で走った金曜夜よりも、リフレッシュしたはずの日曜夜は全員の記録がダウンしたのです。専門家によると、これがブルーマンデーと呼ばれる現象で、日曜の夜は、疲れていなくても、月曜の事を考えて気分が落ち込み、運動でも100%の力が発揮できないそうです。
 そこで、ブルーマンデーの影響を探るためにこんな実験です。4人の方に1種類あたり100粒の豆を5種類、計500粒を混ぜた皿から、片手で1粒ずつ延々と豆を種類別に分けてもらいます。まずは何も伝えずに分けてもらい順位を見ます。そして、実験はここからが本番。まずは下位の2人を呼び出しもう一度作業をしてくれるようお願いします。しかし、この2人には作業後、バイキングに招待する約束をして、ハナ金気分になってもらいます。一方上位だった2人には、2回目の作業後に、ゴキブリやクモなど嫌なムシを触ってもらうと伝え、超憂鬱のブルーマンデーの状態を作りました。すると…バイキングが控えている2人はそれぞれ3位から1位、4位から3位と順位を上げ、ムシが待っている2人はそれぞれ1位から2位、2位から4位と順位がダウン。ブルーマンデーのような超憂鬱な気持ちはやはり悪影響を与えるようです。ちなみにブルーマンデーとは嫌なことから逃避するために起こる極端な現象ですが、月曜に備えて無理しないようセーブすることも含むそうです。

 さて、休日の過ごし方の代表といえば旅行ですよね。街で話を伺うと、皆さん旅先でガイドブックは手放せないといいます。そこでこんな実験!浅草観光は初めてという若者4人を、ガイドブックを利用するAチームと行き当たりばったりのBチームに分け、浅草を巡ってもらい、ゴールまでの時間をみます。2チーム共に、Aチームが事前にガイドブックを見ながら決めた9つの観光ポイントを巡り、ゴールの浅草駅を目指します。すると、ガイドブックを駆使したAチームは次々とポイントを順調にまわり、55分でゴール。仲見世で迷うBチーム一方、スタート直前にポイントだけ書かれた紙を渡された行き当たりばったりのBチームは、ポイントが中々見つからず、色々な人に道を尋ね、歩き回る珍道中…。ゴールにたどりついたのは、1時間50分後でした。
 やはりガイドブックがないと旅行は楽しめないのでしょうか?そこで、2組に回ったポイントや実験中に起こった出来事をクイズに出して、記憶力を確かめる抜き打ちテストを敢行!すると…ガイドブックチームはルート通り先を急ごうとしたためか、見落としが多く、不正解を連発。10問中、2人の平均正解率はたったの25%でした。一方、行き当たりばったりチームは、迷ったハプニングなどのおかげで印象に残ったことが多く、正解率は50%と圧倒的な勝利!ガイドブックは短時間で効率良くポイントを回れるものの、それ以外の事に対しては印象が薄くなってしまう傾向があるようです。行き当たりばったりでゆっくり楽しんだ方が、思い出に残る旅になるのかも知れませんね。

所さんのポイント
ポイント2
ガイドブックは目的地を効率良く回るのには便利だが、それ以外の印象は薄くなってしまうのだ!




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