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効果ある?赤い勝負服
第1034回 2010年5月15日


 今、様々なスポーツで、若い世代の日本人選手が世界を舞台に戦っています。そこで今回は「トップアスリート」の秘密に科学で迫ります!今週は、お休みの所さんに代わり、林家正蔵師匠が司会を務めます。

トップアスリートの秘密① 「勝負服」
 石川遼選手もタイガー・ウッズ選手も、最終日に赤い物を身に着けて臨むことが多いように、多くのアスリートが行う験担ぎは、本当に効果があるのでしょうか?そこで、北京五輪6位、アーチェリー日本代表の守屋龍一選手の協力で実験!守屋選手が試合で着る勝負服は、黒いアンダーシャツと白いシューズ。そこで、番組で用意した、色だけ違うほぼ同じシャツとシューズでプレーしてもらい、勝負服での結果と比較します。すると、試合と同じ50m先の的に向けて矢を5本打った結果、勝負服でも違う服でも、得点は同じでした。しかし、専門家によると、勝負服はプレッシャーのかかる本番でこそ効果を発揮するそうです。勝負服でない挑戦で、割れた皿ならばと、試合用の的外側に、8枚の皿を貼り付け、的の中心を狙って、勝負服で5本、違う服で5本、計10本の矢を打ってもらいます。さらに本番並みのプレッシャーをかけるために、割ったお皿は弁償で、安いお皿なのに3万円というウソもつきました。しかし、一枚も割らなければ100万円進呈というご褒美も用意!まずは勝負服で挑んでもらうと、見事5本全て成功!ところが、違う服で残り5本に挑戦してもらうと、1本目でお皿はパリーン…本当に勝負服は重いプレッシャーの中でこそ威力を発揮するようです。

所さんのポイント
ポイント1
アスリートの験担ぎでもある勝負服。しかし、その効果は、失敗のできないプレッシャーのかかる状況でこそ発揮されるのだ!

トップアスリートの秘密② 「ガッツポーズ」
 試合でナイスプレーが決まると、ガッツポーズをして喜びを表現しますよね。実はこのガッツポーズがプレーに大きく影響するそうなんです。そこで、こんな実験です!実業団で活躍する、実力がほぼ互角のテニスのダブルスチーム2組に協力してもらい、青チームは、点が入ればいつも通りガッツポーズOK!しかし一方の、黄色チームは、ガッツポーズ禁止で、点が決まっても無表情を保ち、先に10ポイント先取した方が勝ちという試合に臨んでもらいます。すると…結果は10対8でガッツポーズをした青チームの勝利でした。続いて、今度はガッツポーズと無表情を入れ替えてもう1試合してもらうと、今度は10対5でガッツポーズをした黄色チームの勝ち。4試合行った結果、全てガッツポーズOKのチームが勝ったのです!

トップアスリートの秘密③ 「真似る」
 小さい頃から、タイガー・ウッズ選手に憧れていたという石川遼選手の他にも、スポーツ界では憧れの選手の真似をすることは珍しくありません。でも、本当に真似するだけで上手くなるんでしょうか?そこで実験!運動が苦手なバスケットボール未経験の6人を2チームに分け、彼らに一流プロバスケット選手のフリースロー映像を見せ、それを真似て練習すればどれくらい成果があるのか検証します。赤チームに渡したDVDには、ボールを頭の上で持って投げるという正統派のフォームの映像。一方、青チームのDVDには股の下から両手で投げる滅茶苦茶なフォームの映像が入っています。この映像だけをお手本として、2日間それぞれ2時間練習を行ってもらった後、1人10本ずつフリースローに挑戦してもらうと…なんと滅茶苦茶なフォームの映像で練習をしたチームの方が、13対7で勝利!実は、これ、DVDの映像に秘密がありました。滅茶苦茶なフォームでゴール滅茶苦茶なフォームのDVDには、シュートがきれいに決まるところまで収録されていましたが、正統派のフォームのDVD映像では、投げたシュートが外れていたのです。専門家によると、トップアスリートが憧れの選手の真似をするのは、成功したイメージを自分のものにする自己暗示の効果があるからだそうです。つまり、失敗の映像を真似しても結果には繋がらないのです。実は、勝負服やガッツポーズが結果に結びつくのも同じ自己暗示の効果だそうです。勝負服は、自分が過去に勝った時、ガッツポーズは、いいプレーができた時、真似をするのは憧れの選手が成功しているイメージをそれぞれ活用しているのです。

トップアスリートの秘密④ 「ガムを噛む」
 野球をはじめ、ガムを噛みながらプレーするアスリートをよく見かけますが、プレーに影響があるのでしょうか?そこで実験!女子ソフトボールのピッチャー3人にガムを噛まない時と、噛みながら、各10球ずつ投げてもらい平均球速を計測します。肩を慣らした後、まずはガムを噛まないで投げてもらうと、その平均は時速88.2kmでした。次に、無味無臭のガムを5分間噛んでもらい、再びマウンドで10球投げてもらうと…90km超えを連発!結果、なんと平均で3.3kmも球速がアップしました。さらに他の2人の投手もガムを噛んだ後は、球速がアップ!専門家によると、ガムを噛むと、多くの唾液が出ることでリラックスでき、筋肉が緩和し、より筋力が発揮できると考えられているそうです。

所さんのポイント
ポイント2
ガムを噛むとリラックスでき、筋肉がほぐれ、より自分の筋力を発揮できるのだ!




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