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運動会で活躍!!必勝法
第1053回 2010年10月2日


 やってきました運動会の季節!街行く人に記憶に残る競技を聞くと、挙がったのは玉入れ・大玉転がし・騎馬戦・障害物競走などの定番競技。でもよく考えると、不思議な競技ばかりですよね。そこで今回は、運動会の競技の謎に迫ります!

 まず、「玉入れ」にはどんな意味があるのでしょう?そこで、小学校1、3、5年生10人ずつのチームで学年対抗玉入れ大会を開催!2分間で100個の玉を何個入れられるか競います。すると…5年生は100個のパーフェクトを達成。3年生は84個とまずまずでしたが、1年生は31個と極端に悪い成績でした。身長のハンデが響いたのか?そこで今度は、カゴの高さを30秒毎に上げ下げする、チャンスタイムを作って再挑戦。すると、5年生はさらに好タイムでパーフェクトを達成!3年生も11個アップの95個。そして1年生は…カゴを低くしたにもかかわらず、記録は24個と、なぜか先ほどよりもダウン。そこで、運動会の競技を研究している専門家に理由を伺うと、玉入れは、玉を投げるうちに、ゴールの位置を触らなくても、感覚で理解する空間認知能力が重要で、1年生や低学年はまだこの能力が未発達だそうです。だから、カゴを低くしても、高さの変化に混乱してしまったようです。玉入れは、空間認知能力の発達具合を家族の前で披露する意味を持つ競技なんですね。

所さんのポイント
ポイント1
玉入れには、成長に伴う、空間認知能力の発達具合を家族の前で披露するには最適な競技なのだ!

大玉転がし  お次は、誰もが一度はやった「大玉転がし」。勝つために重要なのはスピードか?パワーか?それぞれのスペシャリストで徹底検証!対決するのは100m走のスプリンターを集めたスピードチームと、パワーリフティング選手の怪力チーム。さらに比較のため、みんなを応援するために集まった女子チアダンスチームも参加。1チーム3人で、コーンが置かれた30mのコースをジグザグに進んでもらいます。そして、スタートすると…なんとチアチームが圧倒的なリードのまま1位でゴール!2位は怪力チーム、最下位はスピードチームでした。
 ところが、女子に惨敗を喫した男子達は悔しがっている様子はありません。それもそのはず、実は怪力チームとスピードチームはそれぞれ目隠しで連れてこられ、レース直前に初めて顔を合わせた初対面同士のチームだったのです。一方、チアチームは普段から一緒に練習する仲良し先輩後輩の関係。でも、それが大玉転がしに関係するのでしょうか?再び先生に伺うと、大玉転がしは前方の状況がわからない中、指示役、玉の方向を修正する役など役割分担をした方が良い結果に繋がるんだとか。ならば、さらに実験!負けた男子の2チームに一緒にお弁当を食べてもらい、会話を通して少し仲良くなってもらいます。そして30分後に再び対決!すると…今度は3チームほぼ横一線のまま折り返し、ゴール直前でのデッドヒートを制したのはスピードチーム!怪力とチアはほぼ同着でした。男子に感想を聞いてみると、チームワークが良くなってやりやすくなったとのこと。人間関係で勝敗が左右される大玉転がしは、社会性の成熟具合を披露する意味合いがあるようです。

 さて、運動会の花形競技、「騎馬戦」には、どんな意味があるのでしょう?そこで、屈強な法政大アメフト部員の協力で実験です。まずは、3、4年生のチームと1、2年生のチームに分け、8騎ずつ騎馬を作り、騎手の帽子を取る騎馬戦を開始!すると…開始わずか43秒で1、2年チームは全滅してしまいました。やはり、体格に勝る上級生が有利なのでしょうか?と、ここで、数々の運動会で騎馬戦を指導している、まさに軍師とも言うべき先生が、1、2年生チームに緊急ミーティングを開き、ある作戦を伝授!そして、わずか20分のミーティングを終え、運命の第2戦!すると、今度は開始わずか39秒で1、2年生が大勝利!大外に回りこみ敵を分断究極の騎馬戦必勝法とは一体?実は、先生が最初に行ったのは、騎馬の組み替え。普通は体重の軽い人が騎手になりますが、機動力を持つ速い騎馬と、身長の高い大きな騎馬を作り、小さい騎馬がおとりとして相手につっこみ、その隙に高い騎馬が後ろから帽子を奪うという作戦を取ったのです。さらに、この作戦をより活かすため、騎馬が外側から敵の背後に回りこみ、敵の騎馬を中央に誘い込み、勢力を分断させていたのです。騎馬戦は、作戦の話し合いが自然と行われやすく、みんなで力を合わせて頑張ることの大切さを学べるので、運動会でよく行われるようです。

 そして最後は、「障害物競走」。一体どんな意味があるのでしょうか?そこで小学校6年生の5人に、網抜け、麻袋、ぐるぐるバット、飴探しが待ち受ける60m障害物競走にチャレンジしてもらいます。事前に行った徒競走の順位をゼッケン番号にしてスタートすると…徒競走では最下位だった5番の小さな女の子が、障害を軽快にくぐりぬけ、1位でゴール!なんと、5位から1位まで徒競争の順位が見事に逆転!他のグループで試しても、足が速い子は大苦戦していました。専門家によると、障害物競走は、速さだけではなく運も大きく作用し、勝負がわからなくなるので、運動が苦手な子でも活躍できる、運動会には欠かせない競技なのだそうです。

所さんのポイント
ポイント2
足が速いだけでは勝てない障害物競走は、運動が苦手な子でも活躍するチャンスのある、運動会に欠かせない競技だった!




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