知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


貧乏ゆすり爪かみ防止
第1086回 2011年6月11日


 最近、テレビを見ていると、人気のタレントさんが舌を出したり、唇を触ったりするクセが気になりますよね。そこで今回は、街行く150人に「気になる他人のクセ」を聞き、多くの人が気になっている、誰もがやってしまうクセの正体を暴きます!

①なぜ貧乏ゆすりをしてしまうの?
 街で聞くと、多くの人がイライラしている時にやってしまうというイメージだった「貧乏ゆすり」。そこで、こんな実験!男性20人に、クジ引きでAチームとBチームにわかれてもらい、Aチームには事前に3種類の中から選んだ、一番やりたくない学習ゲームソフトに挑戦してもらい、イライラ状況を作り出します。一方、Bチームには事前に一番やりたいと選んだ、人気のアクションやスポーツゲームソフトに挑戦してもらい、楽しい状況を作ります。そして、全員に内緒で、2時間で何人が貧乏ゆすりをするかカウントします。すると…やりたくないゲームに挑戦したAチームは10人中6人が貧乏ゆすりをしました。ところが、やりたいソフトで楽しく過ごしたはずのBチームでも、10人中5人が貧乏ゆすりをしたのです。この理由を専門家に伺うと…「貧乏ゆすりはゲームの楽しさに関係なく、脳が何かに集中しているときに出やすくなる」と言います。では、貧乏ゆすりをすれば集中力がアップするのでしょうか?そこで実験!男性5人に、5色のチョコレート500粒を、片手で100粒ずつ色分けする作業に、まずは足を固定し、貧乏ゆすりができない状態で挑戦してもらい、タイムを計ります。貧乏ゆすりマシーンすると…7分〜8分半の間に全員が終了。そして30分後、今度は板にスプリングをつけた「貧乏ゆすり特製マシーン」の上に足を置き、効率よく貧乏ゆすりしながら、集中力アップを狙い、同じ作業に挑戦!しかし、なぜか全員が先ほどより記録ダウン。平均で54秒も下がってしまったのです。
 この理由を専門家に伺うと…「人は生まれながら、貧乏ゆすりのような動きをする神経の回路を持ち、普段は脳が動きを抑制しているものの、何かに集中すると貧乏ゆすりが出やすくなってしまう」のだそうです。つまり、強制的に貧乏ゆすりをしても集中力がアップするわけではないようです。

所さんのポイント
ポイント1
貧乏ゆすりは、何かに集中している時に自然と出やすくなる。つまり、強制的に貧乏ゆすりをしても集中力が上がるわけではないのだ!

②なぜツメをかんでしまうの?
 どうして人はツメをかんでしまうのでしょう?そこで、実験内容は内緒で、ツメをかむクセがあるという男性3人の一日に密着!その様子を観察してみると…皆さんはパソコンをしている時、雑誌や本を読んでいる時、携帯電話をいじったりしている時など、どうやら何かに没頭しているときにツメをかむようです。この理由を専門家に伺うと…「何かを考えたり、ちょっと不安になったりした時などに、ツメをかむことで気持ちを落ち着かせているため」だそうです。では、ツメをかむくせのある男性は、かめなくなるとどうなるのでしょう?そこで先ほどの3人に、10個の指サックを装着して、ツメがかめない状態でクロスワードパズルを解いてもらい、考え事をする状況を作り、様子を観察してみます。まずは指に何も付けていない状態だと…予想通り、すぐさまツメをかみ、考えるたびに何度もかんでいました。そして、指サックを着け挑戦してもらうと…皆さんツメをかめない代わりに腕を組んだり、額やアゴ、髪の毛など、顔や体のあちこちを触る回数が増えたのです。この理由を専門家に伺うと…「ツメをかまなくても、顔や髪の毛を触ることで心を落ち着かせることができる」のだそうです。このように、何かを考えたりする時に、活発になりすぎた脳の働きを落ち着かせるため体を触る事を、「自己親密行動」と呼ぶそうです。

③なぜ口グセは出てしまうの?
女子校生、口グセ実験「なんか〜」9回  なぜかついつい出てしまう口グセ。その理由を探るため、こんな実験!協力してもらうのは、友達曰く、「なんか〜」が口グセだという女子校生。本人には実験内容は内緒で、「惑星探査機はやぶさについてどう思いますか?」など5つの質問に答えてもらいます。すると…女子校生は言葉の合間に「なんか〜」を9回も連発!
 さらに、「あの〜」が口グセの主婦の方は11連発!他にも「そうですね〜」、「やっぱり」、「なんかこう」など、合計5人の方がそれぞれの口グセを連発したのです。一体なぜでしょう?専門家に伺うと…「口グセは、会話をしている時に次に何かを話そうかということを考える、間を作る役割も持っている」そうです。ならば今度は、「名前」や「年齢」や「血液型」など、考える必要のない質問を次々投げかけると、皆さんは即答し、口グセは一切使わなかったのです。しかし、考えている間を作るのなら、黙っていればいいのに、何でわざわざ口グセを言ってしまうのでしょう?その理由とは、専門家によると、口グセなど、何かしらの言葉を発することで、脳の言語野が刺激され、黙っている時よりもスムーズに次の言葉が出るそうです。つまり、「貧乏ゆすり」も、「ツメかみ」も、「口グセ」も、全ては脳との関係で出てしまうものなのですね。

所さんのポイント
ポイント2
口グセには、次に何を話すか考える間を作り、さらに脳を刺激して、次の言葉をスムーズに出やすくさせる効果があるのだ!




人間科学編へ
前週 次週
ページトップ

ジャンル別一覧 日付別一覧