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映画(秘)ネタバラシ実験
第1104回 2011年11月5日


 毎月1日は、映画が1000円で見られるお得なサービスデー。実はその理由は、12月1日が日本で初めて映画が公開された記念日だからなんです。また、年末年始は話題作が続々と公開!そこで今回は、街で聞いた、映画にまつわる疑問の悩みをもとに、映画の楽しみ方を徹底的に科学します!

①「字幕」と「吹き替え」どっちの方が楽しめる?
 外国映画を見る時に選ばなくてはいけないのが、「字幕」と「吹き替え」。では、一体どちらの方が楽しめるのでしょうか?そこでこんな実験!映画好きの男女計6人に初めて見る「ピノッキオ」という映画を、最初の10分を字幕で、続きの10分を日本語吹き替えで見てもらいました。そして、別室で一人ずつにどちらが良かったか尋ねると…なんと6人中5人が、字幕の方がいいと答え、残りの1人も、両方良かったという回答。皆さんに理由を尋ねると、「吹き替えはセリフと口の動きが合わず気持ち悪い」、「本人の声でないと役者の思いが伝わってこない」などの意見が。街のアンケートでも、30人中26人もの方が字幕派でした。しかし、この実験には、ある裏が!実は「ピノッキオ」は、イタリア語で作られたイタリア映画!6人が見たのは英語吹き替え版のため、セリフと役者の口の動きはしっかりと一致していなかったのです!そして、この事実を6人に伝えると…全員が英語吹き替え版だと気づいていなかったことが判明。なぜ気づかなかったのかを探るため、目線カメラで字幕映画を見ている時の目の動きを見てみると…およそ4割の時間を字幕に読むのに使っていました。専門家によると、「字幕は文字を追うことに時間を取られ、表情に注意が向きにくくなるので、必ずしも字幕の方が、演技が伝わるというわけではない」そうです。皆さんも先入観を捨て、たまには吹き替え版を楽しんでみるのもいいかもしれません。

所さんのポイント
ポイント1
字幕の映画は、字を追うことに時間を取られ、役者の細かい表情や演技をじっくりと見るのは難しいのだ!

②映画は「ネタバレ」するとつまらない?
 映画のあらすじが事前にわかってしまう、いわゆる「ネタバレ」をすると、どんな気持ちになるか、街で聞くと…「楽しみが減ってつまらなくなってしまう」という意見が大多数。では、どのくらいつまらなくなるのか、実験です!10人の男女にクジ引きでA、Bのグループに分かれ、ブルース・ウィルス主演の映画「シックスセンス」を部屋で見てもらいます。全員が、ラストに驚きの事実が判明するこの映画を見るのは初めて。まずは比較のため、普通に映画を見たAチームのメンバーに、見終わった後、1人ずつ別室で映画がどれだけ楽しめたか、自由に値段をつけてもらいます。10人の値段一覧すると、平均額は、およそ1600円という、一般の映画館の料金1800円に迫る高評価!しかし実験はここからが本番!Bチームには鑑賞前に、この映画最大の見所でもある、大どんでん返しの結末を発表し、究極のネタバレ状態に!皆さんには、結末を知ったうえで見てもらった後、Aチームと同様に、値段をつけてもらいました。すると…3000円台が2人、最安でも1800円と、ネタバレ無しを上回るという意外な結果に!
 念のため、今度は逆のAチームだけに、映画「オリエント急行殺人事件」をネタバレした状態で見て値段をつけてもらったところ…その平均額は、またしてもネタバレ無しのBチームより高かったのです!高い値段をつけた方に話を聞くと、「2回目を見るような感覚で見やすく楽しかった」との事。専門家に伺うと…「ネタバレで結末を知っても、つまらなくなるわけではなく、途中の細かいシーンがより深く理解できるなど、映画を2回見るような別の楽しみ方ができると考えられる」そうです。

所さんのポイント
ポイント2
映画はネタバレした状態で見ても、初めて見るのとは全く別の楽しみ方ができるので、必ずしもつまらなくなるわけではないのだ!

③どの席に座れば映画を一番楽しめる?
 さて、映画を見る時のよくある悩み事といえば、座席選び。映画館の前で、50人に座席表のイラストを見せ、どこに座るか選んでもらったところ…なんと半分以上の26人が端の席を選んだのです。理由を聞くと、「横の人の動きが気になる」、「前に背の高い人が座ると困る」、「端だと人が入って来なくてゆっくりできる」…など、周囲の影響を受けにくいので、端の席が人気のようです。水着、ちょんまげ、髭男爵3面そこで、映画を見る時、周りの人がどれだけ気になるのか大実験!20人を試写会場に集め、映画を見てもらいます。でも実は、被験者は中央付近に座るただ1人だけ。残りの19人全員は仕掛け人。上映スタートから15分後、映画に集中したところで3つの実験を仕掛けます。「その①」は、隣の女性がゆっくりと洋服を脱ぎ、水着姿に。「その②」は、斜め前の席に座る男性が、急にちょんまげのカツラをかぶります。そして、「その③」は、上映中に派手な衣装の髭男爵の2人が入場、並びの席に座ります。
 周囲が気になるなら全てに気づくはずですが…被験者の男性は映画に見入り、どの仕掛けにも気づかずじまい。上映を中断し、ネタバラシをされて、とても驚いた様子でした。さらに別の2人の男性でも同じ実験を行った結果、3人目の男性が髭男爵に気づいただけ。どうやら本人が思っているほど周りの事は気にならないようです。理由を専門家に伺うと…「人は、上映前は周囲の状況が気になるものの、映画が始まると、映画に集中し、周りがさほど気にならなくなると考えられる」そうです。皆さんも映画を見る際、周りを気にせず、見やすい中央の席で楽しんでみては?



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