知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


人気クイズ番組の裏側
第1127回 2012年4月21日


 いつの時代も愛されるクイズ番組!その人気の理由を街で聞くと…「ついつい観ちゃう」という意見が多数。そこで今回は、クイズの人気の秘密を科学で解明します!

①クイズ番組は、なぜついつい見てしまうの?
 番組でクイズ問題が出ると、答えが出るまでつい観ちゃいますよね。そこで、ユージさんの書いた著書でこんな実験!街行く人に、まずは本のタイトルを普通に紹介した後、この本を読んでみたいかと尋ねると…読みたいと答えたのは、10人中わずか2人だけ。でも、ここからが本番!今度はタイトルの一部を隠して、その言葉を予想してもらう、クイズ形式で紹介。そして、正解を伝えた後、本を読みたいか尋ねると…なんと10人中6人が読みたいと答えたのです!さらに確認のため、こんな実験!A、B、C、D、4つのコップに全く同じお茶を入れ、街の人に、あまり馴染みのない国から輸入した、別々のお茶だとウソの説明をした後、どれを飲みたくなったか選んでもらいます。ただし、AとBは「どこの国のお茶だと思います?」とクイズ形式で紹介し、CとDは一方的に国名を紹介します。すると…20人中14人がAとBのお茶を選択!念のため、今度はCとDだけをクイズ形式で紹介すると…やはり20人中15人がCとDを選択!でも、なぜクイズのような質問形式にすると興味が湧いたのでしょう?理由を専門家に伺うと…「人は、質問をされると、答えの候補を考え、自分が関与することで、対象に対する興味が湧くと思われる」そうです。

所さんのポイント
ポイント1
クイズ番組をついつい観てしまうのは、人は質問されると、答えを考えるため、無意識に興味を持ってしまうからだった!

②クイズに正解すると、どれほど嬉しくなる?
 クイズ番組の魅力をさらに街で聞いてみると…「自分が正解できると嬉しい!」という声が多数。確かに、クイズ番組を観ていて、正解すると、なぜかテンションが上がりますよね。そこで、どのくらいテンションが上がるのか?こんな実験!20代の男女3人に、バンジージャンプのジャンプ台に上がってもらい、いつでも飛べるスタンバイ状態で、超簡単なクイズを10問出題。回答後に「飛んでください」という合図が出てから、自分の意思で飛ぶまでの時間を計測します。もちろん全員がバンジー初体験。果たして、正解すれば嬉しくなって、早く飛べるのでしょうか?まずは1人目の女性。さすがに地上22mはかなり恐い様子ですが…全問正解後、合図と同時にタイマースタート!すると…21秒でジャンプ!続いて2人目の男性は16秒、3人目の男性は、なんと6秒という早さ!でも、思ったほど恐くなかったのかもしれません。バンジージャンプ2回目「+55秒」そこで確認のため、2時間の休憩を挟み、再び飛んでもらいます。ただし今度は、飛ぶ前に、考えても分からないような超難問の10問が出題されます。すると…先ほどわずか21秒で飛んだ女性は、全問不正解後、2回目なのに、恐怖でなかなか飛べず。なんと飛んだのは合図から1分16秒後でした。
 1回目は16秒で飛んだ男性も、全問不正解後は、1分59秒もかかり、わずか6秒で飛んだ男性も15秒と、全員が記録ダウン。3人に感想を聞くと…不正解が続き、テンションが下がり、飛びにくかったそうです。念のため、別の3人で、今度は先に不正解、2回目に正解と順番を入れ替えて同じ実験を行った結果、3人中2人が正解続きの方が早く飛んだのです。では、正解すると、なぜテンションが上がるのか?脳科学の専門家に伺うと…「正解が続くとドーパミンの分泌が高まり、やる気や意欲がアップして、脳の活動が高まる」そうです。実際に装置を使い、正解と不正解の時の、脳の血流の違いを真上から見比べると…正解が続くと、脳の血流が増え、活性化したのに対し、不正解続きでは、ほとんど変化はありませんでした。

所さんのポイント
ポイント2
クイズに正解すると、脳でドーパミンが分泌され、脳のやる気に関わる部分が活性化するため、テンションが上がるのだ!

③クイズ番組で、なぜタレントさんは簡単な問題を間違えてしまうのか?
 さて、クイズ番組を観ていると、インテリと言われるタレントさんでも、なぜか簡単な問題を間違えてしまう場面をよく見かけますよね?過去には、アナウンサー出身の有賀さつきさんが、得意なはずの、言葉に関する簡単な問題を間違えてしまうことも。これってまさかウケ狙いなのか、ご本人に直撃してみました!すると有賀さんは、「プレッシャーのせいで本当に答えが出なくなる」との事。時間制限ありで不正解「5時25分」そこで実験!街行く人に、小学校低学年レベルの簡単な問題を早押しで10問出題。こうして、それぞれの問題の回答時間を計測して、ここからが本番!全問正解した1人目の女性が、最も回答までにかかった時間は一問5秒68。つまり6秒あれば、全て正解できるはず。そこで、制限時間を6秒に設定し、プレッシャーのかかった状態で、数字を入れ替えた同じレベルの10問に挑戦してもらいます。すると…なぜか不正解を連発!10問中4問も間違えてしまいました。
 計20人で実験を行った結果、時間制限なしの状態で全問正解したのは6人。しかし、時間制限ありの2回目では、全員が不正解を連発し、平均で2.8問も間違えてしまったんです。皆さんに感想を聞くと…やはり焦ってしまい、思うように答えられないそうです。そして、残りの14人は、時間制限なしの状態では平均不正解数が2.0問だったのに対し、時間制限ありの2回目では3.6問と、さらに増加。この理由を専門家に伺うと…「強いプレッシャーがかかると、脳が活性化し過ぎた状態になり、答え以外のことも考えてしまって、クイズそのものの答えが出にくくなってしまう」そうです。やはり、プレッシャーは焦りや混乱を招いてしまうんですね。



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