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夏に必見!体臭 撃退法
第1144回 2012年8月18日


 残暑厳しい今年の夏。気になる事と言えば…満員電車などの、密室にただようイヤ〜な体臭。もしや、自分もニオイの発生源になっているかも…というのも心配ですよね。そこで今回は、気になる体のニオイ撃退法を、科学の力で徹底解明します!

①汗はどれぐらいクサいのか?
 そもそも、人はどんなニオイをクサいと感じるのでしょうか?そこで実験!20代の男女10人に目隠しをして、鼻の下に出された物のニオイが、不快と思うものには「クサい」の札、そうでなければ「クサくない」の札を上げてもらいます。まずは、納豆。すると…ニオイが苦手な人が多かったのか、5人がクサいと回答。さらに、お酢のニオイは6人、1週間放置した魚は、全員がクサいと回答。そこで、人はどういうニオイをクサいと感じるのか専門家に伺うと…「不快に感じるニオイは大きく分けて3つある」と言います。1つ目は納豆などに含まれるイソ吉草酸やお酢の酢酸などの「酸性臭」。2つ目は、アンモニア、シンナーのような、鼻にツンとくる「刺激臭」。そして3つ目は、卵が腐った時に出る硫化水素や、魚が腐った時に出るトリメチルアミンなどの「腐敗臭」。これは、食べると生命の危険を及ぼす可能性もあるので、最も不快に感じやすいそうです。では、街でこの時期、気になるという声が多かった、汗のニオイは、どれぐらいクサいのでしょう?男性に、両腕を袋で密閉したまま、運動してもらい、袋にたまった汗を試験管に採取。先ほどの10人に同じように目隠しで判定してもらうと…なんと10人全員がクサくないと回答!この理由をニオイ研究の専門家、五味先生に伺うと…「汗自体はクサくない」と言います。実は、汗腺には2種類あり、1つは、脇の下と局部にあるアポクリン腺。日本人では多くても数百個程度しかないそうです。そして、もう1つが、体中におよそ350万個もあるエクリン腺。夏の暑さでかく汗のほとんどは、このエクリン腺からの汗で、その99%が水分のため、クサくないそうなんです。では、なぜ人は汗クサいと感じるのでしょう?そこで実験!
 20代の男性5人にシャワーを浴びてもらい、気温35℃、湿度70%と、蒸し暑い猛暑日とほぼ同じ状態に設定した人工気象室に入ってもらいます。1時間ごとに休憩を挟み、わきの下を臭気センサーで測定。5時間でどれほど変化していくのかをみます。実験前、5人の数値の平均は18でしたが、1時間後…5人の平均は40と、倍以上に!さらに灼熱地獄に耐え続け、5時間後…5人のニオイ数値の平均は、なんと300を上回ったのです!この理由を先生に伺うと…「汗をかくと、皮膚の上に住む常在菌の表皮ブドウ球菌が、汗や皮脂をエサに繁殖し、酸性臭を作って、ニオう」そうです。さらに、「衣類の湿った環境が、細菌の繁殖を助けニオイがどんどん強まる」そうです。実は猛暑実験で、服の裏に貼りつけていた1cm四方の布を、定期的に採取し、布に付着した表皮ブドウ球菌の数を確認すると…時間を追うごとに表皮ブドウ球菌が、ドンドン繁殖していました!つまり、汗のついた衣服を着ていると、時間と共にニオイが強くなるんです。そこで、気になる夏の体臭撃退法、その①は、『汗をかいたら、こまめに着替えるか、拭き取るべし!』

所さんのポイント
ポイント1
汗そのものはクサくない!ただし、衣服を着たままだと、表皮ブドウ球菌が汗や皮脂をエサに繁殖し、時間が経つにつれクサくなるのだ!

②体型によって汗のニオイは違うの?
 街で、気になるニオイについて聞くと、「太っている人は汗をかいているイメージがあるのでクサそう」という声が…。そこで、体型によってニオイは違うのか、こんな実験です!20歳から30歳までのポッチャリ体型と、ヤセ型の男性、各4人に、シャワーを浴びた直後、全員で、同じダンスを15分間踊ってもらい汗のニオイを測定します。実験前に臭気センサーで測った首筋のニオイの数値はほぼ同じでしたが…ダンス終了後、ポッチャリ型4人の首筋のニオイの数値の平均は46だったのに対し、ヤセ形の平均は96と、倍以上の数値だったのです!ポッチャリ型のニオイ嗅ぐユージそこで、念のため、別のポッチャリ型男性4人で同じ実験を行うと…なぜか今度は全員が100を突破し、中には150台の人も。実際に、ユージさんが直接嗅ぐと、酸っぱいニオイが…
 どうして同じポッチャリ体型の2組で、ニオイに差が出たのでしょうか?先生に伺うと…「一般的に、ニオイの強い汗をかく人は、運動不足の人が多く、普段から運動する習慣がないと、汗をかく時、血液の中の刺激臭のアンモニアなどが、汗と一緒に出てしまい、体臭が強くなる」そうです。そこで、数値の高かったポッチャリグループと、ヤセ型グループの人に話を聞くと、全員が運動していないと回答。実は、ポッチャリなのにニオイ数値が低かった4人は、大学のラグビー部員。毎日練習で汗を流しているので、ニオイが少なかったんです!実際に血液中のアンモニア濃度も最も少なかったのです。先生に、ニオわない汗をかく対策を聞くと…「日頃から運動習慣をつけ、汗腺の機能を高めることが大切。運動ができない人は、長風呂やサウナで汗をかき、汗腺機能を維持することが重要」だそうです。さらに先生によると、「クーラーに依存し過ぎると汗腺機能が衰えて、ニオイの強い汗をかくだけではなく、熱中症にもなりやすいそうなので、要注意」だそうです。そこで、気になる夏の体臭撃退法、その②は、『適度な運動で、汗をかく習慣をつけるべし!』

③体臭を抑えることが出来る食べ物とは?
 以前、番組で行った「肉だけダイエット」の実験中、体がクサくなるという現象が起こりました。これは、足りなくなった糖を補うため、体内の脂肪を分解して糖を作る際にできるケトン体がニオイの原因だと紹介しました。しかし、先生によると、「肉類に含まれる動物性のたんぱく質は、腸内で分解されると、刺激臭ができやすく、さらに、動物性の脂質は、分解されると、皮脂腺から酸性臭ができやすい」そうです。ところが、「あるモノを一緒に摂るだけで、肉を食べて出るニオイを減らすことが出来る」と言います。そこで実験!「お肉が大好き」という5人の男性に、朝食はハンバーグ500g、昼食は500gのステーキ、夕食は焼肉500g、夜食に唐揚げ400gを食べてもらいます。5人は全て完食し、大満足で就寝。そして翌朝…24時間経ったところで、着ていたTシャツを回収し、街で20人の方にニオイを嗅いでもらい、クサいか、クサくないか判定してもらうと…4人のTシャツを、半数以上の人がクサいと判定!実際に臭気センサーで計測したところ、5人の平均は、なんと217!実験前のおよそ30倍になっていました。そして4日後、同じ5人に、全く同じ肉尽くしの1日を送ってもらいます。ただし、今度は食事と一緒に、先生おススメの食材で作った秘密のジュースを一緒に飲んでもらいます。そして翌朝、同様に、着ていたTシャツのニオイを20人に嗅いでもらったところ…クサいと答えた人数が前回に比べ、大幅に減ったのです!実際に、臭気センサーの平均値も79と、肉だけを食べた後より、大幅ダウン!さて、体臭を抑えたジュースの正体とは…たっぷりのひじきに、キャベツ、さらに飲みやすいようにバナナを加え、ミキサーにかけた、特製のひじきジュース!「目がテン!特製ひじきジュース」スタジオで所さんに飲んでもらうと、「意外に飲みやすい」との好評価!
 でも、なぜ、ひじきでクサくなくなるんでしょう?先生に伺うと…「ひじきやキャベツに含まれる食物繊維が、腸内でできるニオイ分子を吸収するのを抑えて、外に排出してくれるため、ニオイが少なくなる」そうです。さらに食物繊維は、ニンニクなど他のニオイを発する食べ物にも有効だそうです。食物繊維を豊富に含む料理は、例えば、「ゴボウ&海草サラダ」や「豆入り寒天」などが挙げられます。ということで、気になる夏の体臭撃退法、その③は、『食物繊維を、食事に取り入れるべし!』

所さんのポイント
ポイント2
食物繊維を食事に取り入れると、食べ物による体臭の発生を抑えられるのだ!




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