知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


冬の寒さ対策
第1160回 2013年1月12日


 毎年のことですが、冬は寒いです。風邪などひいていませんか?
 今回の目がテンは、厳冬を少しでもあたたかく過ごすちょっとした知恵や工夫をご紹介します。
  ①どんな動作がカラダを温めるのか?
  ②使い捨てカイロはどこに貼ると一番温まるか?
  ③カラダを動かさなくても温まる方法?
 
①どんな動作がカラダを温めるのか?
 寒いと無意識に体が動きます。手に息を吐きかけ合わせたり、腕をさすったり、カラダを丸めたり、貧乏ゆすりをしたり、なんとかカラダをあっためようという自然な動作なのですが、はたしてどれほどの効果なのか街で見かけた代表的な3動作で確かめてみました。
 A「息をはきかけて手をこすりあわせる」
 B「腕をさすって、カラダを丸める」
 C「小刻みに足を動かす」
 協力してもらったのは6人の大学生。2人ずつ3組に分かれて、A、B、Cの各動作を行い、前後の体表面温度の変化を測りました。その結果、最も効果がなかったのはAの動作。息がかかる手だけはあたたまるのですが、長続きしませんでした。
 逆に一番効果が見られたのはCの「小刻みに足を動かす」動作。一般には「貧乏ゆすり」ともいいますが、いい効果もあるようです。
 なぜ、Cの動作にあたためる効果があったのか。専門家によれば、「足を小刻みに動かすとふくらはぎの筋肉が動き、ふくらはぎの動きは、あたたかい血液を全身に回すポンプの役割をはたしてくれるので、体をあたためる効果があったと考えられる」そうです。確かにふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれていますね。

②使い捨てカイロはどこに貼ると一番温まるか?
 簡単に暖をとれるものの一つが、使い捨てカイロです。
 とっても便利なもので、カラダのあちこちに貼って外出するという人も少なくありません。ですが、この1箇所に貼れば、たくさん貼らなくても全体にあったまるなんて都合のよいスポットがわかれば、もっといいと思いませんか。カイロが一つしかなくてもそこにさえ貼ればいいのですから・・・。
 そこで街の人(20人)に「どこにカイロをはると一番あたたまると思うか?」聞いてみました。回答で最も多かったのは、「腰に貼る」(10人)。ついで「背中」(5人)、「お腹」(4人)中には「足の裏」(1人)と回答した人もいました。
 確かに腰をあたためるといいような気もしますが・・・。確かめてみました。
 3人の男性に協力してもらって、ここはいけそうという場所にカイロを貼って体表面温度の変化を調べました。チェックしたのは「腰」「背中」「お腹」「脇の下」「首筋」「足の裏」の6箇所。
 結果は予想外でした。街頭で一番支持されていた腰には温め効果はそれほどなく、「お腹」と「足の裏」が最も有効だということがわかりました。
 お腹に貼ると良さそうというのは実感的に想像できますが、なぜ足の裏に全身をあたためる効果があったのでしょうか。専門家によれば「足の裏には、太い静脈があって、カイロによって静脈の血があたためられ、ふくらはぎのポンプ作用によって温かい血液が上半身に送られた結果」だというのです。
 なるほど、「貧乏ゆすり」がいいのと同じ理屈です。
 逆になぜ「腰」はあまり効果がないのに、支持を集めたのでしょうか?
 これも専門家によれば「腰はもともと冷えている部位で、そこにあたたかいカイロを当てることで、より「温かくなった」と感じやすい」のではないかということでした。
 これからカイロを貼る時は、「お腹」か「足の裏」またはその両方がオススメです。

③カラダを動かさなくても温まる方法?
 カラダを動かさなくてもカイロを使わなくても、あたたかくなれる方法?を 最後に一つ。といっても手品でも魔法でもありません。
 人体の不思議を応用した方法です。
 人間は生命を守るために交感神経と副交感神経という自律神経が バランスよく働くという話はすでにご存知の方も多くいると思います。
 自律神経に詳しい専門家によれば、「人は寒さと感じると交感神経が優位に立って、寒さから身を守ろうと、血管を収縮させる反応が起こります。逆に温かい時には、副交感神経が優位に働き、血管を拡張させます。この反応は、寒さや温かさを頭の中でイメージするだけでも起きます。」
 実際にそんなことは起こりうるのか、実験で確かめてみました。
 暑さも寒さも感じない室温の中で、「津軽海峡冬景色」を聞いてもらいながら、男女4人の手のひらの体表面温度がどう変化するかを見てみました。すると4人中3人は、「津軽海峡冬景色」が佳境に入っていくにつれて、どんどん体表面温度が下がっていきました。音楽の寒いイメージが血管を収縮させたと結果といえます。
 ところが、一人の男性だけは、体表面温度は下がるどころか逆に上がってしまいました。
 専門家にそのことを聞くと「温かいイメージだけでなく、リラックスしたり、好きなものに接して気持ちがゆったりしても副交感神経が働くので、この人の場合、寒さイメージよりそちらが優位になったのではないか」と推測。実際、後に男性に聞いてみると「津軽海峡冬景色」はこの男性の十八番の曲で、聞いている時も仲間とカラオケで歌っているイメージを持っていたのです。
 イメージというものが体に大きな影響を及ぼすという新たな発見になりました。
 でも、イメージだけで冬の寒さを乗り切れるかと言えば、残念ながら答えはNOです。理屈は正しいとしてもイメージよりも実際の寒さの方が、カラダへの影響が強いからです。とは言え、心頭滅却すればナントカ。気持ちの持ち方一つで、多少は寒さも和らぐ?のではないでしょうか?



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