知識の宝庫!目がテン!ライブラリー


洋食 の科学
第1180回 2013年6月2日


 大人も子供も、みんな大好きな家庭料理「洋食」。
 実は洋食は、海外の料理をヒントに日本で独自の進化を遂げた料理のことなんです。しかし、いざ家庭で作ってみると、なかなかレストランのように美味しく作ることができない・・・。そこで本日の目がテンは、科学を使って、家庭でも美味しい洋食が作れる方法をご紹介します。

 ①洋食人気No.1「ハンバーグ」ふっくらジューシーに焼く方法とは?
 ②日本で生まれた「ナポリタン」モチモチ麺の作り方とは?
 ③ふわとろ卵の「オムライス」家庭で上手に作る方法とは?

①洋食人気No.1「ハンバーグ」ふっくらジューシーに焼く方法とは?

 家庭料理としても人気の洋食メニューといえば、やはり「ハンバーグ」。しかし、焦げたり、生だったり、家でハンバーグを焼くのは難しい・・・。
 そこで、東京・西麻布にある人気洋食店の窪田シェフに協力を仰ぎ、「窪田シェフVS一般の主婦」によるハンバーグ焼き対決を実施!!材料やこね方は同じ、小判型に整えるところまで窪田シェフにやって頂き、1個あたりの重さも、155gに揃えます。

 Aは窪田シェフのハンバーグで、Bは主婦のもの。完成後、どちらも塩コショウのみの味付けにして、ハンバーグにはうるさい男女に2つを食べ比べてもらったところ・・・結果は、2人とも「Aの方が美味しい」という評価。では、なぜこれほどはっきり美味しさに差が出たのか、出来上がり直後の重さを測ったところ、窪田シェフのハンバーグが20gも重かったんです。
 2人の焼き方にはある違いがるのか!?実は、片面に焼き色がついたらひっくり返すところまでは2人とも同じでしたが、主婦は肉汁の色で焼け具合を確認して完成。一方の窪田シェフは、フタをする前にフライパンの油を捨てたんです!この油はお肉から出たものですが、一体、そこにどんな意味があるのか?専門家に伺うと、「油は熱を伝えやすい性質なので油が多いと急激に肉に熱が伝わる」という。

 そこで、焼く時の温度変化を観察してみると、まずは主婦のように油を捨てずに蒸し焼きにした場合、その直後からハンバーグの中心温度はわずか2分で60度まで上昇し、フタをする前の2倍まで上がりました。
 続いて窪田シェフのように、油を捨ててから蒸し焼きにすると、2分後、ハンバーグの中心温度は46度と、上がり方が緩やか。6分後も60度までしか上がりませんでした!
 そして、その出来上がりは、お肉の表面に大きな割れ目はできず、肉汁が出て行かないためふっくらとしています。

 専門家によると「肉をしっとりジューシーに仕上げる為のポイントは、とにかく中心の温度をあまり上げないこと。その為には、じっくりと加熱することが大切」なんだとか。油を捨てることが、肉の温度を上げ過ぎず、ふっくらジューシーなハンバーグを作る秘訣だったんです。

所さんのポイント
ポイント1
お肉が生焼けになるのを防ぐために、焼いている最中はフタを何度も開けてはいけないのだ!

②日本で生まれた「ナポリタン」モチモチ麺の作り方とは?

 今、ブームになっているナポリタンの美味しさのポイントは、懐かしいケチャップ味とパスタのモチモチ感のようです。秘密を探るため、横浜の老舗洋食店伝統のナポリタンの作り方を観察。

 麺は、少し芯を残した状態で茹でた後、そうめんやうどんのように水でしめ、サラダ油で和えて冷蔵庫で一晩、茹で置きにしていました。
 では、なで茹で置きにするのか? 茹で置き麺の柔らかさの違いを時間ごとに計測すると、茹でてから6時間後、最も柔らかくなることが判明。茹で置くことで、水分がパスタ全体に行きわたり、柔らかくなるんです。さらに、一晩茹で置いた麺を炒める時は、麺のモチモチ感を出すため、フライパンに水を入れます。

 では、イタリア人がナポリタンを食べたらどう評価するのか!?
そこで、具材や味付けは同じまま、A「太麺で柔らかい日本風のナポリタン」B「アルデンテで作られたナポリタン」の2種類どちらが美味しいか、ナポリタン初体験のイタリア人5人が試食!すると・・・どうやら、麺そのものはBのアルデンテが良いと全員が感じていながら、3人は「Aの方が味が濃くておいしい」と判定。材料や分量が同じなのに、Aの方が濃いと感じたのはなぜ!?

 その理由の一つが、炒める時に入れる水!専門家によると、「麺に水を加えて炒めた状態というのは、お米に水を加えてもっちりとしたご飯を炊いた状態と同じように麺ももっちりしてくる」という。お米を炊いたとき、デンプンと水を一緒に加熱することで、糊状になる「アルファー化」が茹で置きのパスタに起こり、ソースが絡みやすいモチモチした食感になっていたんです。
 さらに専門家によると、「パスタの水分量が多いと、ソースに含まれる塩分がパスタの内部まで浸透しやすくなる。こうなるとパスタ自体の味が濃くなって、ソースとの味の馴染みもよくなる」という。
 そこで!一晩茹で置きした麺とアルデンテの麺の水分量を計測してみると、茹で置きの方が10%以上も水分量が多かったんです。

所さんのポイント
ポイント2
ナポリタンの美味しさの秘密は、麺のモチモチ食感と水分量が多いことで、ソースがなじみやすくなり、味が濃く感じるからなのだ!

③ふわとろ卵の「オムライス」家庭で上手に作る方法とは?

オムライスで1番難しいのが、ご飯を卵で包むところ。科学でオムライスを上手につくる方法はないのでしょうか?

 そこで、日本橋の老舗洋食店に伺い、ふわとろオムライスの秘密を探るべく厨房へ向かったところ、シェフが卵を割った後に取り出したのは、菜箸ではなく「泡立て器」!実は、白身と黄身は固まる温度が違うため、しっかり混ぜないとまだら模様になって、ふわふわの食感にならないのだとか。
 専門家に伺うと、「卵は黄身と白身では、それぞれの水分量やたんぱく質の量・質も異なるため、固まり始める温度が全く違う」という。

 では、一体どれくらいの差があるのか?まずは白身の部分だけをフライパンで熱した場合の温度変化を計測すると、ほぼ全てが固まる温度が、白身は74℃を超えたあたりだったのに対し、黄身はなんと100℃を超えてようやく全体が固まりました。菜箸で混ぜた時、白身と黄身がしっかり混ざっていないので、熱すると固まり方がバラバラになってしまいます。実はこれが、ごはんを包む時に破けてしまう原因だったんです。

 一方、泡立て器で混ぜた卵の場合は、ムラなく固まっていきます。その理由は、黄身の構造にありました。黄身は、「卵黄球」と言う粒が集まってできており、菜箸で混ぜた場合を見てみると、卵黄球が大きな固まりのまま残っている。一方、泡だて器で混ぜると、卵黄球が小さい粒となり、卵白と溶け合っているのがわかります。泡だて器で黄身の卵黄球を細かくし、白身ときれいに混ぜることが、ムラなく固まる秘密だったんです。
 さらに!菜箸と泡だて器で同じ回数混ぜた卵を同じコップに入れると、泡だて器の方が多くなりました。これは、空気がたくさん含まれている証拠。

所さんのポイント
ポイント3
均一に火を通してご飯を包みやすいふわとろ卵にするためには、泡だて器でよく混ぜ合わせることが大切なのだ!




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