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スリランカ 生き物編
第1189回 2013年8月4日


 夏休み海外特集、第1弾スリランカの不思議な生き物に会いた〜い!
 日本から直行便でおよそ9時間、インドの南に浮かぶスリランカ。北海道の8割ほどの大きさの島に8つの世界遺産があり、インド洋の真珠と名づけられた美しい自然が魅力の島では、様々な生き物の不思議な生態を見ることができます。そこで今回は、スリランカの不思議な珍獣の生態に迫ります!

①ゾウの不思議な生態…ゾウの鼻はどれくらい器用なのか?

 目覚ましい発展を遂げるスリランカの街。スリランカでは、ゾウは神聖な生き物とされていて、街中には多くのレリーフやイラストがある。アジアゾウの一種、スリランカゾウは動物園で芸をするなど観光客にも大人気。さらに、重たい物を運ぶ働くゾウがいるなど、ゾウがとっても身近にいる国。主要都市コロンボから北上すること6時間の場所にあるミンネリア国立公園では、動物園では見られない、野生ならではのゾウの生態を観察することができます。
 ゾウは、メスとその子供で群れを作り生活します。オスは大人になると、群れを離れ単独で行動。繁殖の時だけ群れに加わるんです。さらに、スリランカならではの、ゾウの不思議な光景を見ることができます。それは、見渡す限りのゾウの大群!一つの家族の群れとしては数が多すぎます。一体、何で集まっているの?
 スリランカには雨季と乾季があり、雨季に溜まった湖の水が乾季に減ると湖の底の栄養豊かな土が表面に出て、エサとなる美味しい草が生えるんです。ゾウの特徴と言ったらなんといっても長い鼻。でもこの鼻、どのくらい器用なんでしょうか?そこで、飼われているゾウのラクシュミーちゃんに協力してもらい、ゾウの鼻でどんなものが掴めるのか、実験です!
 まずは、大好物のパイナップル。勢い良く鼻を伸ばすとクルッとパイナップルを巻きとり食べれます。大きいものは、鼻を丸めて巻きとるように掴みます。では、一気に小さくしてピーナッツはどんな風に掴むんでしょう?鼻を伸ばすと、今度は鼻先を使って、二本の指でつまむようにピーナッツを掴んでいます。ゾウの鼻先をよく見ると、上に指のように伸びたものがあるのが分かります。これは指状突起と言って人の指のような働きをするんです。この指状突起のおかげで小さな物でも鼻先で器用に掴めるんです。ならば、わずか5ミリのアズキはどうでしょうか?さっそくチャレンジ!
 始めはなかなか上手くつかめませんでしたが、最後は指状突起を上手に使って、見事にアズキを掴み口元へポイッ!ゾウの鼻は、人の指のように器用にものを掴めるようになっていたんです。

所さんのポイント
ポイント1
ゾウはあの器用な鼻を使い、草や果物を巻き取って食べたりしているのだ!

②ゾウの不思議な生態…ゾウの足の裏がやわらかい理由とは?

 ジャングルで親を失ったり、はぐれてしまった子ゾウを保護する施設。ゾウは大人になると、お寺やゾウ使いに引き取られるそうです。この施設で体験できるのが、子ゾウへのミルクやり。ここでは暑さに弱いゾウのため日中に、ゾウが水浴びで涼めるよう川に連れて行くそうです。ゾウが耳をパタパタさせているのも暑さ対策。ゾウの耳には血管が張り巡らされていて、耳を動かし風を当てることで、血管を流れる血液を冷やし体温が上がらないようにしているんです。
 さらに、知っているようで知らないゾウの驚きの能力をガイドさんから聞きました。なんと、ゾウは足の裏を使って遠く離れた仲間のゾウが歩く振動を感じて、コミュニケーションをとっているんだそうです。
 大きな体を支えるゾウの足の裏が敏感なんでしょうか?そこで、専用の機械を使いゾウの足の裏の柔らかさを測定すると、その数値は31。驚いたことに数値で比べると、人の手のひらの拇指球(ぼしきゅう)と同じくらい、ゾウの足の裏は柔らかかったんです。でも、どうしてゾウの足の裏はこんなに柔らかいんでしょう?
 ゾウの足の裏には、4トンもの重い体を支えるクッションとして分厚い脂肪がついています。これが柔らかさの秘密。けれど、とがった石などを踏むと簡単に傷つくため、それを防ぐべく、神経を張り巡らせて敏感になっているんです。ならば、どれほど敏感なのか・・・そこで実験です!
 用意したのは、大量の生卵です。この生卵をゾウが通る道に不規則に並べていきます。ゾウが、足の裏で卵を敏感に感じ取り、卵を割らずにこの道を通ることができるのか?観察すると、卵に触れたら途端に足を上げ卵は割れずに済みました。敏感に感じ取っているようです。器用な鼻も使ってスペースを作っていきます。そして、見事、卵を割らずに道を通過したのです。

所さんのポイント
ポイント2
ゾウの足の裏は卵を割らないほど、とっても敏感だったのだ!

③珍獣王国スリランカの二大珍獣対決!

 寝る時、ナマケモノように木にぶら下がる姿が名前の由来のナマケグマ!水に入って魚を捕まえるスナドリネコなど珍獣がいっぱいのスリランカ。ネズミの仲間で、背中から尾にかけて3万本以上の針が生えているヤマアラシ!硬くて恐ろしくとがっているこの針は、どのくらい威力があるか実験してみましょう!
 アルミ缶は楽々と缶に穴が開き、炭酸が噴出!では、頭に落ちると死んでしまうほど硬いココナッツは…見事に針が突き刺さったんです!
 実は、ヤマアラシの針は毛が変化したもの。断面を見ると、表面は人間の爪と同じ、硬いケラチン層で覆われ、真ん中はスポンジのように柔らかくなっています。だから頑丈でしなやか。鋭すぎる針は、ヤマアラシが敵から身を守るための、強力な武器だったんです。

 また、スリランカ中央部の街「ガンポラ」。なんと、ここには哺乳類なのにウロコがある珍獣がいるんです…それは、ウロコを持つ珍しい哺乳類・センザンコウ。体を覆うウロコの数はおよそ300枚。そして、とても鋭い爪。この爪はエサの白アリを食べるため穴を掘るのに使います。しかも、この鋭い爪を使って木にも登るんです。人が触わるとセンザンコウがくるりと丸まります。実はセンザンコウのお腹にはウロコがないので、こんな風に体を丸め硬いウロコで全身をガードするんです。
 どのくらい硬いのか?自然に剥がれたウロコをハンマーで叩いてみると、ヒビすらはいりません。硬さを硬度計で計測すると、90。これは、レンガと同じくらいの硬さだったんです。この鎧のようなウロコでセンザンコウは敵から身を守っていたんです。

 そこで用意したのは、ココナッツを突き刺すヤマアラシの針とハンマーでも割れないセンザンコウのウロコ。一体、どっちが強いのか勝負!
 スリランカの人たちが熱い視線を注ぐ中、敵を突き刺すヤマアラシの針と敵の牙から身を守るセンザンコウのウロコが激突!結果は…ヤマアラシの針の先が折れました!多少、傷はつきましたがセンザンコウの勝利!こちらの写真はセンザンコウがライオンに噛まれた時の貴重な写真。必死に噛みついて食べようとしているんですが、最後は、ライオンが諦めてしまいました。それほど、センザンコウのウロコは硬いんです。実は、このセンザンコウのウロコも毛が変化したものなんです。

所さんのポイント
ポイント3
毛が変化したセンザンコウのウロコはヤマアラシの針も通さないほど硬いのだ!




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