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道の駅 の科学
第1196回 2013年9月29日


 行楽シーズン真っ盛り!旅の季節に大人気のスポットといえば・・・そう、道の駅!20年前、全国103ヵ所だった道の駅は、今や1千ヵ所以上に急増。なぜこんなに人気なのでしょうか?そこで本日の目がテンは、行楽シーズンに大人気「道の駅」の知られざる人気の秘密を科学の力で解明します。

①なぜ道の駅で衝動買いする?“足ツボ刺激”で大実験!

 多くの観光客が立ち寄る道の駅。その目的を訪れた観光客に聞いたところ、トイレや食事などの『休憩』に立ち寄る人がほとんど。でも、出てきた人の手には山のような買い物袋が。どうやら、道の駅に立ち寄ると、“ついつい”買い物をしてしまう人が多いようです。買い物をしに来たわけではないのに、ついつい買い物をした人の平均額は、3381円でした。では、なぜこんなに買ってしまうのか?消費者心理に詳しい専門家に聞いてみると、「トイレに行きたい、疲れたので休憩したいなどの、気分をリフレッシュできる。いわゆる“苦痛の状態”から解放されると衝動買いが起きやすくなる」という。

 苦痛から解放されると衝動買いする!?本当なのか大実験!とあるお店で激痛足ツボ刺激を受け、この苦痛から解放された後、お店の出口前に置いてある健康グッズを衝動買いするのか実験!男女20人に、「足ツボ刺激を受ける撮影」とだけ伝え集まってもらい、くじ引きでA・B2つのチームに分かれてもらいます。
 まずはAチーム10人から実験開始!強烈な刺激で苦痛を味わってもらいます。さらに、Aチームに用意したのは・・・激痛足ツボサンダル!歩く度に足裏が刺激され、厳しい苦痛が襲います。つまり、Aチームには苦痛から解放されないまま帰ってもらうということ。この場合、衝動買いをするのでしょうか?が、しかし・・・何も買わずに帰ってしまいました。続いても、マッサージと足ツボサンダルで苦痛を味わい続ける女性は何も買わず。その後も、苦痛から解放されないAチームは商品を目にするものの、10人全員が何も買いませんでした。

 では、苦痛から解放されるとどうなるのでしょうか?まずはAチーム同様、苦痛をたっぷり味わって頂き・・・その苦痛から解放!そしてリフレッシュしたまま普通のサンダルで帰ってもらいます。 
 果たして、苦痛から解放されると衝動買いをするのか?すると、商品棚の前で立ち止まり、ヒアルロン酸石けんをお買い上げ!そして続いての女性も商品棚の前で立ち止まり、足ツボボールをお買い上げ。苦痛から解放されたBチームは10人中4人が買い物をしたのです。この結果について、専門家は「ポジティブな状態になると気分が良くなるため、モノが良く見えて衝動買いが起きやすくなる。逆に気分が悪い時は悪い経験を思い出して、それと一致するように購買にネガティブな反応を示すことがある」という。

所さんのポイント
ポイント1
道の駅では、運転の疲れやトイレの我慢などから解放されポジティブな状態になるため、ついつい衝動買いをしてしまうのだ!

②なぜ道の駅で大量買いする?“お店の広さ”を変えて大実験!

 道の駅でついつい買い物をしてしまうもう一つの理由、それは店内のレイアウト。専門家によると、「道の駅の場合は、郊外に立地しているため、空間を贅沢に使える。そうすると、商品の品質が同じであっても、より高く見える。より良い品質のものに見えるということがある」。確かに、道の駅の店内は、スーパーやコンビニとは違い、空間を広く使っています。
 そこで、商品を狭い空間に並べた時と、広い空間に並べた時とで“商品の印象”に違いが出るのか実験!用意したのは、定価1450円の帽子。まずは、狭い空間いっぱいに棚を並べて実験。道行く人に協力してもらい、お店の中へ。狭い空間に置かれた帽子をじっくり見てもらい、帽子の予想金額を答えてもらいます。すると・・・実際の金額よりも450円安い「1000円」と予想。その後も、実際の価格よりも安く予想する人が続出し、10人に聞いた結果、平均予想金額はわずか745円。しかも全員が、実際の価格よりも低い金額を予想したんです!

 そこで今度は、先ほどと同じ帽子の棚を、広い空間に置いて実験。広い空間にしただけで、商品の価値を高く感じるのか?同様に道行く人にじっくり品定めしてもらい、値段を予想してもらうと・・・なんと10人に聞いた結果、平均予想金額は2913円!10人中7人が実際の価格よりも高い金額に思えたというんです!

 では、なぜ広い空間に商品を置くと高く感じるのか?専門家に伺うと・・・「これは“少量陳列効果”が働いている。少ししか並べていない少量陳列効果というのは、きっとこの商品は大量生産品ではない。これは品質の高い物、価格が高くて当たり前なんだと考えてしまう」という。確かに、高級ブランドの店舗は、広い空間に対して並んでいる商品の数は少ないですよね。道の駅も同様に、店内にびっしり商品を並べず広々と使うことで、品質をより高いものに感じる効果がもたらされていたんです。
 道の駅では、この少量陳列効果でより品質が高く感じるものを、実際には普通の値段で買えるためお得感があり、ついつい買ってしまうんです。

所さんのポイント
ポイント2
スーパーなどでは、大量に陳列することで安く見え、買いやすくしているのだ!

③道の駅のフシギ大検証!高額商品あり・なしで売り上げ変わる?

 やって来たのは栃木県那須高原にある道の駅。店内には、地元の伝統工芸である木工品がずらり!さらに、お値段5万円の般若のお面も!しかしこのお面、5年間売れていないそうです。さらに見つけたのは、地元の職人渾身の木彫りのカエル7万5千円!立派な木彫りなのに、残念ながらまだ売れていないそうです。ところ変わって、日光の道の駅では、お値段8万5千円の鹿の剥製が!この他、全国各地にある、めったに売れない高額商品の数々。これには何か意味があるのでしょうか?専門家は「道の駅に高額商品を置いていることで、売上げに大きな影響を及ぼす可能性がある」という。

 そこで目がテン大実験!パン屋さんに協力してもらい、1個300円の商品を用意。さらにもう1つ、秋にふさわしく、麦の穂をイメージした、1個10万円の巨大飾りパンも用意!高額商品が横にある時とない時とでは、パンの売り上げにどんな影響があるのか実験です。

 まずは、高額商品が無い場合から実験スタート。開始早々、一個お買い上げ。その後も次々と買う人が現れ、1000人が通過したところで終了。結果,高額商品がない時の売り上げは20個中15個でした。続いて、横に高額商品を置くと売り上げは変わるのか?実験スタート!すると・・・10万円のパンを見てから300円のパンを買う人が続出!開始から1時間後には20個すべてのパンが売れ、新たに20個補充。その後も勢いは止まらず・・・1000人に達したところで販売終了。結果は、用意した40個がすべて売れました。高額なパンを置いただけで、売り上げが2倍以上にUP!一体どうして!? 

 専門家「アンカリング効果が働いたと考えられます。高額な商品があると、これが(金額の)判断基準となり商品のイメージを良い方に引きずる。相対的に(他の商品の)価格は安いため、コストパフォーマンスが非常に良いものと消費者に評価されて、購買がより進む」という。
 日光市の道の駅で見つけた、3年間全く売れていない鹿の剥製。その近くには、1本3000円の鹿の角が売られており、決して安くない商品なのに3年間で30本も売れているんだとか。

所さんのポイント
ポイント3
道の駅で売れていない高額商品は、実は他の商品の売り上げを上げる効果があったのだ!




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