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冬太り の科学
第1212回 2014年2月2日


 冬、真っ只中!この寒〜い季節に気になることといえば「冬太り」。街の人に、一番太りやすい季節を聞いてみても、やはり「冬」が1位だったんです!でも一体なぜ、冬は太るんでしょうか?そこで今回は、冬の大きな悩み「冬太り」を科学!目がテン流!科学の力で簡単に冬太りを防げるワザを大公開します。

①真冬のプールに入っても体は温まる?

 多くの人が悩んでいるという「冬太り」。一方で、雑誌などでは「冬の方がやせやすい」という記事も。実際、冬は太るの?痩せるの?専門家に聞くと・・・「冬は確かにやせやすくなるんです。寒さで体を温めようとする機能が働くからなんです」。そこで、屋上プールで体を冷やしても、本当に体を温める機能が働くのか?水温6.2度の極寒プールで検証!専門家の指導に従い、入るのは20秒程度。さっそく、プールに入った直後の体表面温度を計測。室温は体温よりも低い25度。部屋の温度で体温が上がることはありません。

 サーモグラフィで見てみると・・・体が冷えきっているため全身真っ青!プールに入る前と比べ、かなり冷えているのがわかりますが、10分後。体温が上がり、赤い部分がみえてきました!そして30分後・・・さらに赤い部分が増え、体温はグングン上昇!なんと!プールに入る前よりも、体温が上がるという驚きの結果に!一体、どうやって体温が上がったんでしょうか?専門家に聞くと、「筋肉をがたがたと震わせて、熱を作り出して体を温めようとする。体としてはエネルギー消費が高まっていますので、やせやすいということになります」。

 そこで別の人で筋電計をつけて筋肉の震えを観察しところ、プールに入る前の筋肉は体が温まっているためほとんど震えていません。そして、プールから出た直後は体が冷えきっているため、筋肉の震えも大きく熱をたくさん作り出そうとしていることがわかります。そして15分後・・・見た目には震えがおさまってきたのですが実際は、筋肉は、見えないぐらいの小さな収縮を繰り返し、熱を作っていたんです。

所さんのポイント
ポイント1
冬は、寒さで筋肉が小さな震えを起こし体温を維持しようとするので、エネルギーを消費する。だから、冬は「痩せやすい」のだ!

②実験!お風呂前の乾布摩擦で消費エネルギーUP?

 身体に負担なく、冬に消費エネルギーを高める冬太り対策はないのでしょうか?専門家に聞くと・・・「お風呂の前に"乾布摩擦"をして頂く方法が効果的です」。実は、先生によると、お風呂で上がった体温を下げる時にも、エネルギーを消費するというのです。では本当なのか実験してみます!
 実験に協力して頂いたのは女性。40度に設定したお風呂に、まずは比較のため、何もせずに5分間入ってもらいます。そして、お風呂に入った後の消費エネルギー量を計測。計測時間は、体温を下げるのにエネルギーを使う入浴後30分間です。結果、消費エネルギーは30.8kcal。安静時、消費エネルギーは20kcalほどなので、お風呂で上がった体温を下げるのに、確かにエネルギーを使っていたんです。

 では、ここからが実験本番!より、消費エネルギーを高められるという乾布摩擦で実験です!十分に休憩を取った後。温かい部屋で、全身を10分間かけて乾布摩擦してもらいます。そして再び入浴。すると・・・入浴後30分間の消費エネルギー量は42.4kcal!たしかに、乾布摩擦しない場合よりも、消費エネルギーが上がっていましたが、一体どうして?専門家は「乾布摩擦をすると、皮膚がマッサージ効果で血流がよくなる。したがって、お風呂から熱が体の中に入りやすい状態になっているということになる」という。

 冬は寒いので、血管が収縮しています。そこに乾布摩擦をする事で、皮膚近くの血管が拡張します。血管の表面積が増えるので、お風呂に入った時、体が温まりやすくなるんです。高くなった体温を元の状態に戻そうと、心臓が、送りだす血流量を増やし血管から放熱、この時、エネルギーを消費します。乾布摩擦後の入浴は、普通に入浴するよりも体温が上昇するので、放熱に時間がかかり、その分、消費エネルギー量が増えたんです。

所さんのポイント
ポイント2
〜目がテン流 冬太り対策その1〜 お風呂の前には乾布摩擦をするべし!

③実験!小さな取り皿は食べ過ぎを抑える?

 冬は、忘年会に新年会などなど宴会が目白押しで、ついつい食べ過ぎてしまいます。では普段、私たちは、宴会でどれだけ食べ過ぎているのか検証!用意したのは、宴会ではよく出る大皿料理5品。この料理で実際に宴会をしてもらい食べる量を計測します。宴会に参加してくれるのは、男女5人と大食漢の安村アナの6名。安村アナには、食べる量に影響が出ない様嘘の実験内容を伝え、本当の目的は隠しました。今回は、食事の摂取カロリー量を計測するため飲み物は0kcalのウーロン茶。それでは、宴会スタート!!

 安村アナが食べた量は、別室でスタッフが管理栄養士と共に計測。そんなこととはつゆ知らず、序盤から次々とおかわりする安村アナ。そして2時間が経過したところで実験終了。安村アナが、宴会で食べた量は、カロリーにしてなんと総計2744kcal!どうして宴会では食べ過ぎてしまうのか、その大きな要因を専門家は・・・「枠組み効果というのがあります。例えばお皿に乗った料理の量を、お皿に対しての比率で判断する。宴会料理のときは自分の取り皿に料理を盛るということをしますから、お皿に対してどうしても少なく盛りがちです。1回1回が少ないので食べ過ぎてしまう」。確かに、宴会中の安村アナを見てみると、取り皿に少しずつ、何度も何度もおかわりをしていました。取り皿で食べることで、1回に食べる量を少なく感じて、視覚的に満足できず、何度もお代わりしてしまうことが、食べ過ぎの大きな要因の一つだったんです。

 では、どうすれば、宴会での食べ過ぎを防げるのか?そこで目がテンでは、「取り皿を小さくすることで食べる量が変わるのか」実験!大小2種類のお皿に同じ50グラムのチャーハンを乗せ、どちらのお皿が、多く食べてしまうのかを見てみましょう。

 ある男女に協力してもらい、まずは、普通のお皿で限界まで食べ続けてもらいます。すると、女性は8皿400グラムを食べきったところでギブアップ!その後、男性も16皿800グラムを食べ切って終了。普通のお皿での結果は、女性8皿、男性16皿でした。そして翌日。再び2人に集まってもらい、今度は小さいお皿で限界まで食べ続けてもらいます。もちろん、量は普通のお皿と同じ50g。結果、女性は、6皿300グラムを食べ切ったところでギブアップ。男性も、前回よりも4皿少ない12皿600グラムでギブアップ!結果、2人ともお皿を小さくしただけで、本当に食べる量が少なくなってしまったんです!

 ということは、食欲魔人の安村アナでも「小さな取り皿作戦」は効果はあるのか?!後日再び、同じ居酒屋に呼び出し、宴会のメンバーも料理もすべて前回と同じ。唯一違うのは、取り皿が小さくなっただけですが、安村アナは気付いていません。

 この日も安村アナは、1品目から食欲全開!バクバクと嬉しそうに食べていきます!そして前回同様、2時間経過したところで実験終了!前回との比較をすると・・・なんと!普通の皿で食べた料理は約2800kcalでしたが、小さな取り皿で食べた料理は900kcal!普通の皿の時の1/3以下の食事量にまで減ったんです。では、一体なぜお皿を変えただけで食べる量が減ったのか?専門家に聞くと「大きなお皿に乗せる場合と小さなお皿に同じ量を乗せる場合とでは、小さなお皿に占める割合が多いですから、ついつい多めに判断する。お腹が満腹になる前に、視覚的に十分満足だということが脳にわかれば、私たちはそれ以上食べない」。

所さんのポイント
ポイント3
〜目がテン流 冬太り対策その2〜 宴会はできるだけ小さな皿で食べるべし!

④小走りで消費エネルギーアップ?
 冬太りするもう1つの原因は「運動不足」。実は冬の運動不足を部屋の中で簡単に解消できる方法があるんです!それは「小走り」

 2人の男女に、郵便物を取りに行ったり、トイレに行ったりと日常的な行動を10個小走りで行ってもらいました。普通に歩いた時と消費エネルギーを比較してみると・・・なんと!小走りで行った場合は、歩いたときと比べて倍増していたんです!軽い運動でも、継続的に行う事で消費エネルギーが増えることがわかりました。

所さんのポイント
ポイント4
〜目がテン流 冬太り対策その3〜 家の中では小走り!




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