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本当はすごい研究 ロボット編
第1228回 2014年5月25日


 よくよく聞くと本当はすごい研究スペシャル第三弾ロボット編!!
 ロボットと言えば、直立二足歩行ができるものや人と会話をするなどのイメージですが…本日紹介するロボット研究者は、私たちのイメージを覆すロボット界の異端児!ロボットの最新の研究をわかりやすくご紹介します!

①世界唯一の性能を持つロボット

 日本最先端の研究を行いロボット産業の中核を担う重要な機関「千葉工業大学未来ロボット技術研究センター」。所長の古田貴之先生が開発したロボットは、災害などで人が入れない場所でも移動することができる世界唯一の性能を持つロボット。福島の第一原発で1階から5階まで、建屋全階を動ける、唯一のロボットなんです。そこで、こちらのデコボコな道で性能を見せてもらいます。操作はロボットに搭載されたカメラの映像をみながらコントローラーを使って行います。
 それではスタート!まずは砂利道エリアをなんなく走行。次にブロックが散らばるエリア。悪路にも関わらず、前輪部分でブロックをしっかりつかんで走行しています。そして、こんなデコボコな道でも二つの車輪の片方を逆回転することでなんなく方向転換を行っています。さすが世界唯一の性能を持つロボット。でもどうして、過酷な場所でも簡単に走行できるのでしょうか?その秘密が手足のように突き出た可動式の4本の車輪。そして、その車輪についた突起によってどんな道でも地面をしっかりとつかみ、車体を安定させながら走行することができるんです。そして車体全体を覆うように装備されたベルト状の車輪により、狭いところでもその場で向きを変えて移動できる、高い運動性能を持てるんです。  さらに、アームを取り付ければ、扉を開けることもできちゃうんです!
 まさに、どんなところでも行くことができる世界唯一の性能を持つ災害対応移動ロボットなんです。さらに、このロボットの最新型「櫻壱號(さくらいちごう)」は完全防水仕様。水の中も移動することができます。
 古田先生は、今後は、災害現場などの調査以外にもロボットだけで人命救助活動ができたりする、災害対応移動ロボットの開発を目指しています。

所さんのポイント
ポイント1
水陸両用!傾斜45度の階段も昇り降りできるスゴいロボットなのだ!

②ぶつからない車イスロボット

 古田先生が、人の役に立つロボットを作ろうと思ったきっかけは、少年ロボットが活躍する手塚治虫の名作『鉄腕アトム』。古田先生はアトムではなく、アトムを作った天馬博士の方に憧れるようになり、将来ロボット博士になろうと心に誓いました。最初は、鉄人28号のような巨大なロボットを作りたいと思っていたのですが、中学生の頃、難病にかかり足が不自由になったことで、従来の車イスでは行けない場所でも行くことができる脚のついたイス型ロボットを作ろうと考えました。その後、奇跡的に病気は回復しましたが、その思いは変わらず役に立つロボットの研究を始めたんです。脚のついたイス型ロボットを開発するため、まずは最先端の様々な技術がつまっている二足歩行ロボットの研究をスタート。そして、世界で初めて、自分でボールを認識し蹴ることができる二足歩行ロボットを開発。さらに次々と複雑な動きができるロボットを制作してきました。その技術を応用して、古田先生の目指す脚のついたイス型ロボットの原型とも言えるものを開発!それが「ぶつからない車イスロボット」。障害物が置かれたこちらのコースを走行してその能力を見てみます!
 操作は前進のみでスタート!周りに障害物があると勝手によけていくんです。これは、車体の下についている2つのセンサーで車イスロボットのほぼ全方位をカバーしているからできるんです。そして、もう一つの特徴が、小さいローラーが斜めに複数ついた特殊なタイヤ。回転方向を調整することで真横の移動も可能になるんです。これらの技術で障害物をよけることができます。
 さらにこの車イスロボット、人が操作せず自動で動くという計画もあるんです。
 位置情報を発信している装置を車イスロボットが受信することで人が操作せずとも目的地まで自動で移動することができるのです。現在、東京都の取り組みで、銀座にその発信器が設置されています。この発信器を利用して、古田先生を始め、色々な研究者が試験を行っているのです。

所さんのポイント
ポイント2
まだまだ進化をとげる車イスロボット!古田先生の目指す脚のついたイス型ロボットまであと少しなのだ!

③変幻自在の未来の自動車ロボット

 変幻自在の未来の自動車ロボット「ハルクII」。このロボットは変形することでどんなところでも行くことができる未来の自動車のモデルなんです。

脚がそれぞれ人工知能を持つことにより、1つのロボットとして機能をし、複雑な動きができるのです。さらに車体の中にある頭脳のようなロボットで、8本の脚をまとめ、動かしているのです。
では、一体どんな姿に変形して、走行するのでしょうか?
 第一形態は「ビークルモード」。前後に動くだけではなくタイヤの向きを変えることで普通の車ではできない縦横無尽に動きまわることができるのです。
 第二形態は「インセクトモード」。タイヤを脚に変形させまるで昆虫のように歩くんです。タイヤで走行できない路面の悪い場所などで使います。
 第三形態「アニマルモード」。4足動物のように前側に脚を持ってくることで車体を細くし、せまい道でも走行できるようになっているんです。この3つの形態になることでどのような場所でも走ることができるのです。これを人が乗れるくらい大きくすれば、どんなところでもいけるので、道路を舗装しなくてもよくなるんです。なので、自然を壊さずに移動でき、環境と共存できる車になります。さらに、細い道を進むことができるので、緊急車両などにも応用できるのです。

所さんのポイント
ポイント3
いろんな場面に応じて車の形を変えたりできる!そんな車が街中を走る未来が楽しみなのだ!




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