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ユニバーサルスタジオジャパン の科学
第1241回 2014年8月24日


 2014年夏、最も話題をさらった場所の一つが「ユニバーサルスタジオジャパン」。そこで今回は、気づかぬうちにハマっちゃう!?「USJ」楽しさのヒミツを科学します!

①テーマパーク、その世界に浸ってしまうのはナゼ!?

 森の小道を抜け大きな門のくぐると話題のエリア「The Wizarding World of Harry Potter」。入ってすぐには、ハリーたちが乗って来た汽車や魔法使いの村、「ホグズミード村」があり、入り口を目にしただけでも、皆さん大興奮!村の中には、映画に登場するお菓子屋さんが、実際にお菓子を買えるお店として再現されているんです。他にも、レストランや、ハリーが杖を買ったお店、そして、村を抜けた先に見えるのは、映画のシンボル、ホグワーツ城!
 エリアの中には、ハリーと同じマントや制服を身につけている人がたくさんいます!でも、一歩入っただけで、その世界にここまでハマっちゃうのって、なぜなんでしょうか?心理学の専門家に、ハリーポッターのエリアの映像を見てもらうと「入り口に門があるのにとても大きな効果がある」とのこと。門があることによって、そこから先の対象というのが特別なものと感じ、通常とは違う価値が高いものがあると思わせる効果があると」とのこと。一体どれだけ特別な価値のある世界だと思うのか?

 そこで実験!広場にブースを作り、壷を置きます。定価8千円の壷ですが、この前に門を設置したら、門の先にある壷が、価値のあるものに見えるのか!?
 まずは、門のない状態でブースの中に置いてある壷を見て来てもらい、ぱっと見た印象のお値段を聞いてみます。すると10人中9人が3万円以下の値段をつけ、平均では3万100円となりました。
 続いて門を設置!これだけでその先にある壷の価値が変わって見えるのか実験です!10人の回答を平均すると壺の予想価格は20万8千500円。門がないときと比べ7倍近い高額を答えたという結果になったんです!門は、ただの入り口としてだけでなく、その先にあるものが特別価値のあるものだと思わせる重要な役目を果たしていたんです。

所さんのポイント
ポイント1
神社の鳥居やお寺の門なども日常の世界との境界線として心理に働きかける役割があるそうなのだ!

②テーマパークはなぜ楽しい?

 USJの「ホグズミード村」で人だかりができている場所に行ってみると、そこには映画に出てくる、引き抜くと叫ぶ植物「マンドレイク」がありました。他にも、映画に出てくる「車」や「動く手配書」「蛙チョコ」などなど、至る所に映画でお馴染みの風景が隠れています。お客さんは発見の連続に、終始興奮しっぱなし!実はここに、楽しさの重要なヒミツが!専門家によると「探させることで時間を忘れて楽しく過ごすことができる」とのこと。
 確かに、何かを夢中で探しているとあっという間に時間が過ぎます。では、どれくらい、時間を忘れる効果があるのか?
 ある公園に番組ステッカーを10カ所隠しておきます。これを探してもらうことで、時間をどのくらい忘れるのか?男女8人にABの2チームに分かれてもらい実験です!
 まずAチームの4人には、ステッカーを隠してあることを知らせずに、「探す」という行為がないまま自由に30分間過ごしてもらいます。30分経ったところで呼び戻し、今の時間がどのくらい経ったと思うか聞いてみます。すると4人中3人が、実際の時間、30分より長く感じたと回答。
 ではBチーム、ここからが本番!公園内に番組ステッカーを10枚隠してあることを伝え「呼ぶまでに探してください」と指示。4人は次々とステッカーを発見していきました。そして30分後、探し物をしたBチームは、今の時間をどのくらいだと感じたのでしょうか?結果4人中3人が、実際の30分より短く感じたと回答。探しものをしなかったAチームと比べると、平均で、約14分時間を短く感じていたんです。

所さんのポイント
ポイント2
比較してみると、予想以上に時間経過の感じ方に違いがあったのだ!

③映像と動きの室内型ライドの迫力の秘密

 ハリーポッターエリア、お城の中にある大興奮のアトラクション。映像と乗り物でハリーたちと一緒に空を飛び回る、スリルと爽快感満点のライドです。
 他にも同じく、映像と動きのアトラクションが、7年連続世界一のアトラクションの賞を受賞したスパイダーマンのライド!ニューヨークの摩天楼を飛び回り、ビルの屋上から真っ逆さまに落下!その迫力に皆さん大絶叫!しかし、ライドの動きを外から見てみると…そんなに傾いていません。真っ逆さまに落下する絶叫ポイントは、たった10度程度の傾きだけなんだとか。それなのに、なぜこんなにみんな絶叫してるの?
 脳の専門家によると「人は視覚の動物。映像だけを動かすだけで、動いた!と感じる。実際の動きを加えるとものすごく臨場感を感じる」とのこと。では、視覚に動きを加えるとどれほど臨場感が増すのか?
 別のアミューズメントパークで、映像と乗り物で楽しむアトラクションを借りて実験。体験してもらうのは、こちらの男女4人。興奮度を見るため、心拍数を計測するこちらの機械を付け、実験スタート!ライドを動かさず、床に立ったまま、映像だけを見てもらうと、映像に合わせて、体がゆらゆら動いていました。感想を聞くと、皆さん映像だけでもかなり臨場感を感じているようです。ではこれに、動きを連動させて体験してもらうと…全員が大絶叫!滝に落ちるシーンの心拍数を見ると、映像だけよりも、かなり上がっています。他の3人を見ても、やはり全員が上がっていたんです!

所さんのポイント
ポイント3
視覚の情報に合わせ、ちょっと動きを加えると、ホンモノのようにリアルで迫力満点の擬似体験が味わえるのだ!




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