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珍味発見!? ヒトデの謎  #429 98/04/26

腕の切れたヒトデの横並び4S  ヒトデは、日本でもおよそ280種類、世界ではおよそ2000種類も生息しています。赤や青といった、鮮やかな色のヒトデも多く、警戒色と呼ばれています。また、ヒトデの腕は基本的には5本なのですが、中には、タコヒトデと呼ばれる20〜40本も腕のあるヒトデもいます。

 ヒトデは棘皮動物と呼ばれ、代表的な仲間にはウニがいます。全然見た目は違いますが、丸いウニもミカンのように開いてみると、ヒトデのような形になるのです。そこで、棘皮動物の性格を知るために、ウニやヒトデを取り混ぜて実験!裏返ししてみたり、障害物のあるところに押し込めてみたりして観察してみます。鈍そうに見えるヒトデですが、その運動性能は案外高く、仲間のナマコやウニよりも動きが早いのです!

 似たような形に見えるヒトデにも雌雄があります。この時期、メスは一匹に付きおよそ1000万個の卵を海中に放出します。同時にオスから放出された精子と受精した卵は、成長していきますが、この頃の幼生はまだ五角形の形をしていません。ところが 、およそ1ヶ月後、大きく変態して、五角形の私たちが良く知るヒトデの形になるのです。さらに、ヒトデには恐るべき能力が!なんと、ヒトデは切れた腕をトカゲのように再生できるだけではなく、切れた腕からも本体を再生することが出来るのです!
 
所のポイントヒトデは分裂可能な不思議な生物!


鍋につかっているヒトデ・「しょうゆ、酒、砂糖、水で煮る」のスーパーのあるところ  ヒトデは肉食。二枚貝はもちろんのこと、サンゴまで食べてしまうヒトデもいます。磯でもお食事中のヒトデは簡単に見つかります。それをよく見てみると、なにやらどろどろしたものでエサの貝やカニを包み込んで食べようとしています!実はヒトデは胃袋を出し、それでエサを覆い、消化してしまうのです。しかし、食べられている方も、手をこまねいて待っているわけではありません。例えば、ホタテガイはヒトデが近づくと、あわてて泳いで逃げようとします。でも、どうしてヒトデの接近が分かるのでしょうか?実は、ヒトデはサポニンという物質を分泌しており、サポニンに反応して逃げているようなんです。

 寿司屋さんなどで高級食材として珍重されているウニ。一方、同じ棘皮動物なのに食材としてまったく注目されていません。どこかにヒトデ料理はないのか!?必死の思いで調べたところ・・・ついに天草地方でヒトデ料理を発見!なんと、ヒトデを丸ごと煮てしまい、中の卵巣を取り出して食べるとか。
 
 
所のポイントヒトデはカニ味噌のような味がするらしい・・・


 料理では決してメジャーではないヒトデですが、最近ヒトデが注目されている分野があります。実はその分野とは発生学という学問。生物がどのようにして子孫を残すか、その仕組みを解明するという分野です。ヒトデはホルモンを投与することで、通常では起こらない減数分裂を始め、受精可能になるので、発生学の研究には欠かせないのです。

 
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