2回目でもおいしい!目がテン!?ライブラリー

科学で咲く夏 アサガオ  #440 98/07/12

 アサガオといえば小学生一年生。というくらい、誰もが一度は学校で育てたことがあるのがアサガオ。学校が始まる朝には、もうきれいな花を咲かせています。毎日観察していても、意外と知られていないのが、アサガオがどのようにして咲くか、ということ。そこで今回の目がテンは、魚住アナが自宅マンションのベランダでアサガオを育てる!題して「りえのアサガオ日記」・・・「アサガオ」を科学します。

 中国やネパールが原産地といわれているアサガオが日本にやってきたのは奈良時代。遣唐使が種を漢方薬として持ってきたのがはじまりです。その後、江戸時代にブームを迎え、庶民へと広まりました。観賞用として品種改良も進み、花の形が変化したものも登場しています。

 種を植えてから、発芽するまでに一週間ほどかかるというアサガオ。でも、植えた翌日に芽を出すことが出来る裏技もあります。その裏技とは・・・種を丸一日水の中に付けておくという方法。「ふやけ種」と呼ばれ、乾燥状態の種が水を吸って一気に本来の形に戻るのです。さらに、種にも向きがあって、植えるときに間違えてしまうと、上手く双葉が出ないことがあります。普段あまり気にせず育てているアサガオですが、意外にデリケートなんです。

5枚おきになっているアサガオ  うまく双葉が出たら、後は簡単。すぐに一枚づつ本葉が出始め、すくすくと成長していきます。太陽の光を受け光合成をする葉にはある規則性があります。よく観察してみると、上に行くにつれ、互い違いに順番に葉が出ているようなのです。実は、その角度は常に一定で、約72度!光が良く当たるように、5枚おきに離れて葉が重なるようになっているのです。

ツルは上から見て必ず左巻き!  順調に育つアサガオは、ツルを伸ばし始めます。毛が下方向に生えているため、上へ上へと強く支柱に巻き付いていくのです。ところが、ツルを見てみると、どれもこれも同じ方向に巻いているのが分かります。そこで、敢えて逆巻きにしてみると・・・数時間後、アサガオのツルはくるくると元に戻って行くではありませんか!




所のポイントツルは上から見て必ず左巻き!


 そろそろ花が咲く頃になったアサガオ。ぜひ花が咲く瞬間が見たい、と明け方に早起きしてみると・・・もう咲いている!そこで翌日、朝三時頃に起きてみると、またしても暗闇の中で咲いている!アサガオの花は暗闇を感じてから9時間後に咲くため、日没から9時間後の午前3時頃にはもう咲いてしまうのです。

所のポイントアサガオは暗闇を感じて9時間後に咲く


 すぐにしぼんでしまうアサガオの花。咲いている時間はわずかに7時間ほどです。しかし、花が咲く目的のひとつは、受粉して種を作ること。アサガオにもちゃんと花の奥に蜜の出る所があります。そこに蜜を求めてやってきたハチなどの昆虫が身体に花粉をくっつけて運び、受粉の手助けをするのです。ところが、確実に受粉するためにはちょっと時間が短いのではないのでしょうか?そこで、今にも咲きそうなつぼみを切って雄しべと雌しべを観察してみると・・・雄しべと雌しべが擦れ合って、自家受粉しているではありませんか!アサガオは短い時間でもちゃんと受粉できるようになっているのです。


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