放送内容

第1388回
2017.08.13
第5回 実験グランプリ[前編] 物・その他

 今回は、夏休みの大好評シリーズ!おもしろ実験が目白押しの目がテン実験グランプリ!全国各地から集まったチャレンジャーが驚きの実験を披露します。果たして、栄えあるグランプリに輝くのはどのチームなのか?

風の力を使って「ぐるぐる風船」&「手作りホバークラフト」!

 大阪府、富田林市。創立117年の歴史を誇る富田林中学・高等学校。中高一貫のこの学校は、国から理数系の人材育成に力を入れるスーパーサイエンスハイスクールに指定されています。その中で、科学部は、中高合わせて53人もの部員が活動する部活。ドローンを使った実験や、ロボットや生き物の研究など、全部で16のテーマに分かれ、週6日、様々な活動をしています。それぞれのユニークな研究は数々の賞を受賞しているんです。そんな科学部が今回、披露してくれるのは、風を使った実験。

 まずは、風船を両面テープでとめて、輪っかにしたものを用意。この風船の輪っかに下から送風機で風を当てます。すると…風船が空中でクルクル回り始めました。では風船の輪は、なぜ同じところで回り続けるのでしょうか?送風機の風は、一部の風船を上に押し上げようとしています。その時、風は風船の丸みに沿って流れます。より強く風が当たる風船の外側は、風の流れが速まって、内側より気圧が低くなります。その結果、気圧の低い外側に風船が引き上げられる、揚力という力が生まれるんです。さらに、風船の輪全体に重力がかかっていて、この3つの力が釣り合うことで風船は宙に浮かんだまま同じ所で回り続けるのです。

 さらにもうひとつの実験が・・・風のパワーを実感できる不思議な実験!実はこれ、手作りのホバークラフトなんです。ご覧のように下が浮き輪で、上には板を乗せて、穴を開けてあります。ここに送風機を差し込んで、風の力で浮き上がっているんです。では、なぜ地面をスイスイ滑ることができるのでしょうか?浮き輪の中心の空間に風を送り続けると、いっぱいになった空気は、浮き輪と床の間から外に逃げ、床との間に空気の層ができます。すると、浮き輪と床の摩擦がなくなり、人を乗せた状態で、スイスイ滑ることができるんです。ちなみに、ドライアイスが滑りやすいのも同じ理由。ドライアイスの正体は二酸化炭素の固体。これが常温で、どんどん気体になり、軽く浮いた状態になるため、机との摩擦がなくなるんです。例えば、上に重い物をのせても浮いたままなので、スイスイ滑るんです。

日テレアナ科学ショー「タマゴを飲み込むフラスコ」&「ウォーターハンマー」

 2組目は、日本テレビ入社2年目、滝菜月アナと、同じく2年目の佐藤真知子アナ。2人が見せてくれるのは…「サイエンスマジックショー!」
 今回、2人は東京港区にある麻布科学実験教室を訪れ、サイエンスマジックを習ってきました。実験を教えてくれるのはこの道30年、室長の阿部昌浩先生。まずは、サイエンスマジックのお手本を見せてもらいます。
 用意されたのは、ボトルに入った透明な液体。この液体が全く赤くないのに、赤ワインだと言い張る先生。しかし、この液体をグラスに注ぐと…、赤くなったのです。実は先ほどの透明な液体は水酸化カルシウムを水に溶かした石灰水。一方、グラスにはフェノールフタレインという、アルカリ性の物に反応し、赤くなる薬品が入れてありました。石灰水は強いアルカリ性なので、反応し赤くなったのです。

 続いての実験。用意するのは、水の入ったペットボトル。ペットボトルに栓をつけ、密閉した状態にします。後は中に、空気入れで空気を目いっぱい入れたら準備完了。そして栓を抜くと…水が勢い良く吹き上がりました!一体どうして?ペットボトルには無理やり空気が詰め込んでありました。栓を抜くと、詰め込んだ空気が外に出ようと水を押し下げ、細い管から水が勢いよく噴射したんです。ではいよいよ、2人がチャレンジする実験を教えてもらいます。滝アナが使うのはゆでたまご。そして佐藤アナはビンを使った実験を教わりました。

 それでは特訓の成果をスタジオで披露です!まず滝アナが用意したのは、科学実験ではお馴染みの三角フラスコ。そして、何の変哲もない殻を剥いたゆでタマゴ。フラスコの口より大きいですが、このタマゴを、フラスコの中に入れてみせます。使うのは、沸騰したお湯が入った鍋。この鍋から出てくる湯気をフラスコの中に入れます。すると、フラスコがタマゴを飲み込んでいきます!でも、どうやって取り出すの?今度は、フラスコの口元にゆでタマゴをはめ、お湯にフラスコをつけて温めると…ポコンッ!とタマゴが出てきました!では、なぜフラスコはタマゴを飲み込んだのでしょうか?

 ポイントは「水の状態変化」です。液体の水が気体の水蒸気に変わると、体積は約1700倍にもなります。今回の実験の場合、フラスコに溜まった水蒸気が冷やされ、液体の水に変化すると、体積が小さくなります。その時、フラスコの内部の気圧が下がり、上から空気が押す力が大きくなったため、タマゴが中に押し込まれたんです。一方、フラスコからタマゴが出たのはその逆。ビンの中の水が温められたことで水蒸気へと変化。体積が約1700倍に膨らみ、タマゴが押し出されたんです。

 続いて実験を披露してくれるのは佐藤アナ。用意したのは普通のビンと水。ビンに水を入れ、キャップをしてフタをしめます。そして、ある道具を使ってビンの空気を抜きます。その後でビンの口をグーで叩くと…なんとビンの底が抜けてしまいました!実は先ほどの道具は、ワインなどで使う空気抜き。これでまず、ビンの中の空気を抜きます。ビンの上側の空気が薄いので、水の入ったビンを叩くと、中の水はそのままの位置を保ち、ビンだけが下がります。すると、ビンの底に通常ではありえない真空ができます。水はその真空をなくそうと、すごい勢いで落下!その衝撃で、ビンの底が抜けたんです。

液体窒素で雨が降る!?

 3組目は、神奈川県で理科実験教室を開いているアインシュタインラボ。教室の代表を務めるのが北原淳先生です。この日の授業は、銅板で氷が切れちゃう実験。銅は熱伝導率が高く、指から体温が伝わって、氷が溶けて切れるんです。

 今回、北原先生が披露してくれるのは…液体窒素を使った驚きの実験!液体窒素とは、空気中にある窒素をマイナス196℃以下まで冷やすことで液体にしたもの。窒素は常温ではすぐに沸騰して透明な気体になるのですが、空気中の水分が急激に冷やされ、液体の粒や個体になり、白くみえているんです。これが雲ができるのと同じ現象なんです。そんな液体窒素を使い、スタジオに大きな雲を作り、雨を降らせます!
 先生が用意したのは、大量の液体窒素。この中に一気に棒を突き刺すと…スタジオにモクモクと白い煙が上がり、雨が降っているような状況に!
 これは、液体窒素をスタジオに放出し、空気中の水分が一気に冷やされ、雨となって降ってきたのです。

実験グランプリ!次回は後半戦!
果たして…栄えあるグランプリに輝くのはどのチーム!?