放送内容

第1390回
2017.09.03
かがくの里・田舎暮らし の科学 場所・建物 食べ物

 自然がテーマの科学者たちが未来につながる楽しい田舎暮らしを目指す長期実験企画「目がテンかがくの里」!蒸し暑かった8月のある日の大事件!

涼を求めて…流しそうめんをやろう!

 8月上旬。流しそうめん計画のため動き出した阿部さんが真っ先に向かったのは、かがくの里近くにある立派な竹藪!地主の方に許可を頂き竹を切ってそうめんの流し台作り!できるだけ巨大なものを作りたいと考えた阿部さん。切り出したのは、およそ6mの立派な竹!

 これを真っ二つに!水とそうめんが流れるように節を壊します。地元の方にもお手伝い頂き、作り上げた数は…5~6m級が6本!全部繋げるとおよそ30m!試しに水を流してみるといい感じ。
 でも、ここである問題が発覚。そうめんを流し続けるには大量の水が必要。それも口に入れて大丈夫な水です!水道が近くにない場所でやるためには、どうしたらいいんでしょう?

 そこで阿部さんが訪れたのが自然エネルギーの専門家、川村先生!
 さっそく水の問題を相談すると…川村先生が取り出したのは謎の装置。これで解決できるみたい!一体どうするんでしょうか?

 ともかく下準備は整ったので、メインのそうめん作り!今回も調理科学の専門家、露久保先生にお願いします。この時期、よく食べるそうめんですが、そもそもどういうものかご存知ですか?
 実は、小麦粉を塩水で捏ねて生地にするところまではうどん・冷や麦と全く同じ。違いは太さと、細くする方法!まず太さ。うどんは1.7mm以上。冷や麦は1.3~1.7mmそうめんは1.3mm以下と決まっています。

 そして、そうめんは細くする方法が超独特!うどんと冷や麦は生地を切って細くするのに対し、そうめんは伸ばして伸ばしてひたすら伸ばして1本の麺を1.3mm以下にするんです。あまりにも大変な工程なので今では沢山の機械を使ってつくられることが多いんですが、今回は完全手作り。
 しかし、今回用意した小麦粉を見た露久保先生は「市販のものよりくすんだ色になってる」とちょっと気になる様子。

 真っ白ではない小麦粉。もしかしておいしく作れないのかな?食べられないことはないと言うので、そうめん作り始めましょう!
 まずは塩水を小麦粉に加え、15分ほどよくこねます。ここでさっそく調理科学的なポイント!小麦粉に含まれるタンパク質のうちの2種類が、水分を入れてこねることで、混ざり合いグルテンという一つのタンパク質になります。

 グルテンは粘り気があり伸びやすい性質を持っているので細くのばしていくことができるんです。
 こね終わったら乾かないように濡れたふきんで包み、生地を寝かせます。こうすると水分が生地に行きわたりグルテンがどんどんできていくんです。
 30分後、生地を平たく延ばしたあと渦巻き状に太く切っていきます。こうして出来た1本の極太麺=麺帯を1.3mm以下まで細くしていくんです。乾燥を防ぐため手に油を塗り細く伸ばしながら桶へ。一度に伸ばすと切れてしまうので少し伸びしては寝かせ、少し伸ばしては寝かせを繰り返し…直径7mm程度まで細くします。
 今度は2本の棒に麺を8の字にかけて乾燥を防ぐために密閉できる箱に入れ寝かせます。普通は木箱ですが、段ボールでも代用できるんです!これを1時間寝かせ段ボールを開いたころには辺りはまっくら!そして、またもや延ばしていきます。これを箱に戻し、今度は翌日まで12時間寝かせます。
 しかし翌朝とんでもないことが!さらに伸ばすため、段ボールを開けると…なんとそうめんが全部ちぎれて落ちてしまっていたんです。

 手作りそうめん大失敗!阿部さんガックリ。
 原因は一体なんなんでしょうか?露久保先生によると、最初から懸念していた小麦粉の茶色さが原因だったよう。
 そもそも一体なぜ茶色いのかというと、数日前、機械を使って小麦を粉砕。全粒粉という状態にしました。小麦の構造は大きく胚乳と表皮に分けられますが実は市販の白い小麦粉は、全粒粉から胚乳だけを取り出したもの。表皮はふすまと呼ばれ、これを取り除くため全粒粉は機械で何度も何度もふるいにかけられます。しかし今回は、阿部さんが1回ふるいにかけただけ。このふるいの甘さによりふすまが入り茶色に・・・。ふすまがグルテンの形成を邪魔し粘り気と伸びやすさが損なわれてしまったことが原因だったんです。

 さらに、そうめん作りに適しているのは、だいたい11月~3月。寒い季節の方がグルテンの形成が適度に進むため、そうめんは冬に作るのが普通なんだそうです。夏の食べ物なので、夏に作ろうという勢いだけで、よく調べもせず阿部さんとスタッフで盛り上がったみたいで、作る前に露久保先生からその部分もご指摘いただいていました。

ポイント1

阿部くんのふるいがあまかったのと時期が悪かったのだ!

流しそうめんの台は用意したので…○○流す!

 手作りそうめん大失敗…かし露久保先生から「そうめんみたいに引っ張って伸ばす麺は厳しいんですけど、うどんのように生地を薄く延ばして、包丁で細く切っていくようなタイプであれば作ることは可能」とのこと。そこで、流しそうめん、改め流しうどん大会の幕開けです!その場所は、かがくの里のほど近く、美しい河原。橋の欄干から竹を取り付ければいい傾斜になりそう!まず竹とりでもお世話になった地元の方にも協力頂き竹を設置します!
 そういえば、川村先生に相談した水の問題。この川の水を流すわけじゃないそうですが、どうするんでしょう?とにかく先生の指示に従いながら竹を組んでいきます。切り出しておいた細い竹3本を支えにし微妙な角度を調整!川の水でリハーサルを繰り返し形ができてきました。作り始めてから3時間…ついに完成!

 6m級の竹を5本使用!グネグネ曲がってだいたい30mのコース!ここで気になるのは、水問題ですが…流しうどんの出口には太陽電池パネルと、タライの中に研究室で川村先生が見せてくれた謎の装置はポンプだったんです。出口に置いたタライに飲み水を20リットル入れれば、あとはそれがポンプによってぐるぐる回り続ける仕組み!しかも、一旦川で水は冷やされるので温くなりません!

 ここで魚養殖の専門家、千葉先生もやってきました!あとはうどんが茹で上がるのを待つばかりですが、その前に地元の方から天然の鮎の差し入れが!実はこの川、鮎釣りの名所。鮎釣り名人の和田さんが釣った鮎を持ってきてくれたんです。

 それでは、いよいよ流しうどん大会を始めましょう!まずは、自然循環型装置。
 太陽エネルギーで水をくみ上げ、うどんがちゃんと流れました!ちょっと茶色いうどんも好評!いろいろとお手伝い頂いた地元の方々も楽しんでいただけたみたい。鮎の塩焼きも頂き、最高の夏休みの思い出になりました。

ポイント2

なんか大人の夏休みって感じ!そうめんじゃなかったけど、大成功だったのだ!