放送内容

第1412回
2018.02.11
戦国時代・足軽 の科学 物・その他

 様々な時代の生活を実際に体験し、そこに隠された驚きの科学を発見する「目がテン!歴史研究会」。第5弾となる今回、歴史プレゼンター都丸紗也華さんがチャレンジするのは…「戦国時代」。戦国時代といえば、スポットが当てられるのは、いつも有名な戦国武将ばかり。でも実は…合戦に参加した人の9割は“足軽”と言う下級兵士なんです。そこで、戦国時代の知られざる真実に迫るため、あえて足軽に注目!
 今回の目がテンは歴史研究会第5弾!「戦国時代の足軽」を科学します!

長さ6mの槍!意外な使い方とは!?

 都丸さんがやってきたのは、愛知県豊田市にある「足助城」。待っていたのは…戦国時代の足軽の生活に詳しい、小和田泰経先生。この足助城は、標高約300mの山の中に、戦国時代の"山城"を忠実に再現したもの。私たちがよく目にするお城は、大きく立派な天守があるイメージですが、山城の足助城の場合は、2階建てでこじんまりとしています。実はこの山城は、戦の際、立てこもって戦うための、いわば砦のようなもの。城主や家臣は、普段は山の麓に住んでいて、戦の時だけ、この山城に入って立てこもり、敵と戦うためのものだったんです。

 今回、都丸さんにはこの山城を舞台に、足軽の生活にチャレンジしてもらいます。まずは恒例の着替え!足軽との比較のため、最初に上級武士の格好に着替えます。上級武士が身につける、「当世具足」と呼ばれる甲冑は、とにかく防御力重視。

 鉄砲などの武器の進化に対応し、どこを攻撃されても守れるよう、全身を覆っています。最も守らなくてはならない頭は、兜と面頬というマスクで完全ガード。面頬には、威厳を示し強そうに見せるために、フェイクのヒゲがついたものもあったそうです。突然ですが、ここでクイズ!実は戦国時代の上級武士の甲冑が、ある世界的に有名な映画の登場人物のモデルになっているんですが、誰なのか分かりますか?正解は…スター・ウォーズの登場人物「ダース・ベイダー」。監督のジョージ・ルーカスが伊達政宗の甲冑から衣装を思いついたそうです。続いては、いよいよ足軽の格好へお着替え!足軽の甲冑は上級武士より守っている部分が少ないのが特徴。

 戦の最前線で素早く動けるよう、動きやすさを重視した甲冑なんです。
 そもそも、足軽という名前も機動力に優れ、「足軽く」駆け回る兵士という意味だそうです。続いて体験するのは、足軽の武器。戦といえば、刀で斬り合うイメージがありますが…小和田先生によると、足軽の多くが使っていたのは別の武器だというんです。その武器とは…長い槍。これが、足軽の主な武器の一つ。竹製で重さ3kg、長さは、なんと6m!

 身長の3倍以上もの長さの槍を、普段は田畑を耕し、武芸の心得もない足軽に扱えたのでしょうか?そこで用意したのは、敵に見立てた標的。都丸さんに、長槍で標的を攻撃してもらいます。それではチャレンジスタート!標的を狙いますが、竹がしなり、まともに当てることもできません。結局、穂先を当てられないままギブアップ。実は足軽は、都丸さんのような使い方をしていなかったというんです。果たして、槍をどのように使っていたのか?見せてもらいました。なんと!槍を大きく振り上げ…標的に叩きつけました。突くイメージの強い槍ですが、実は足軽は叩いて使っていたんです。

 都丸さんも先生に教わって、再びチャレンジです。すると…なんとすぐに、標的を捉えることに成功しました。的を狙いやすいだけでなく、女性の力でも竹のしなりで衝撃がアップしたようです。そこで「突く」と「叩く」で衝撃力を計測してみることに。実験に協力してくれたのは、都丸さんと同じく、槍を初めて持つ一般女性。槍の先には特殊な機械を取り付け、槍が標的に当たった時の衝撃力を計測します。まず突いたときは、平均48kの衝撃力。続いて叩いたときは、なんと平均612kの衝撃力。 突いた時に比べ、叩くと12倍以上もの衝撃を与えられたんです。

ポイント1

戦国時代、足軽は長槍で“叩く”ことで敵と戦っていたのだ!

足軽の戦場メシ!荷物の中に隠された食材とは!?

 続いて都丸さん、足軽が戦の時に持ち歩いていた荷物を身につけることに。上級武士の荷物は「小荷駄隊」と呼ばれる兵士が運びますが…足軽の多くは荷物すべてを自分で運んでいました。そこで、都丸さんも足軽の荷物を全部、身に着けてみます。山道を切り拓くためのナタに、水筒。寝るときに使う、むしろも体に縛り付けます。荷物をすべて身につけた状態。荷物の総重量は約5k。さらに…長槍も持って歩きます。行軍では1日に数10k歩くこともあった足軽。戦場につくまでが、すでに重労働だったんです。

 続いては、戦場の足軽の食事を体験。実は、先ほどから身につけている荷物の中に、すでに食べ物が4つ隠されていたんです。ここで、都丸チャレンジ!都丸さんには持ち物の中から、実際に足軽が食べていた4つの食材すべてを見つけ出してもらいます。どうしても見つけられない時は、ギブアップボタンを押せば先生が助けに来てくれます。
 それでは、チャレンジスタート!まず手にしたのは、枕のような袋。中から出てきたのは…なんとカツオぶし!足軽はこれをそのままかじることで、戦場でも貴重なタンパク質を得ていたんです。

 次に手にしたのは…兵粮袋という食料を入れるための袋。その中から…謎の黒い食べ物が。これは兵粮丸という戦場での携帯食。実はとっても、足軽にとって助かる食べもの。使われている材料は、きな粉やそば粉、クルミなど、栄養価の高い5種類の食材。それらに、はちみつと日本酒を加えて混ぜ合わせます。それを3cmほどの大きさに丸めて、1時間ほど蒸します。蒸しあがったら、一日、天日干しをして水分を飛ばせば完成です。1日に2個食べれば飢えをしのげたというほど腹持ちがよく、いわば現代の栄養補助食品のようなもの。続いて手にしたのは、巾着袋。こちらは干飯という保存食。

 玄米を一度蒸してから天日干ししているので、炊かなくてもそのまま食べられるお米なんです。と、ここまでは3つの食材を順調に正解した都丸さんでしたが…最後の1つがどうしても見つからず、ギブアップ。実は4つ目の食材は…縄。芋がら縄といい、ズイキというサトイモの茎を味噌汁で煮しめ、乾燥させて縄状に編んだもの。普段は縄として使用し、非常時には鍋に入れるだけで、味噌汁になり、栄養と塩分を補給できるんです。
 10分煮込めば…芋がら縄の具沢山味噌汁の出来上がり!これぞまさに“戦国時代のインスタント味噌汁”。

ポイント2

足軽は戦場でも食事ができるよう、さまざまな工夫を凝らしていたのだ!

足軽の寝床“幕舎”づくりに挑戦!

 続いては、戦国時代の足軽の眠り方に挑戦!小和田先生によると、行軍中や戦場で、足軽は幕舎と呼ばれる、テントのようなものを立てて野宿をしていたそうですが、どんなものなのか?そこで幕舎作りに都丸さんが挑戦です!都丸さんには、4つの道具をすべて使って、足軽のテント「幕舎」を作ってもらいます。

 それではチャレンジスタート!まず手にしたのは長い棒。三角形のテントをイメージして、棒を地面にさし始めましたが…短い棒の使い方がわからない様子。その後も、必死でなんとかテントの形にしようとしますが…どうやってもテントの形にならず、都丸さんはついにテント作りは諦め、むしろを敷いて寝ることにしたようです。見かねた先生が、幕舎の作り方を教えてくれました。作り方は意外に簡単。まず長い棒2本を、自分の身長くらいの間隔をあけて地面にまっすぐ打ち付けます。短い棒も長い棒と平行になるように、打ち付けます。そして、4本の棒の上に、屋根となる麻の布を紐で縛りつけ…その下に、布団がわりのむしろを敷けば完成。屋根代わりの麻の布を斜めにして、雨水がたまらないようになっているんです。

 戦国時代の夜も更け…恒例になっているのでとりあえずやってみることにした「眠り方チャレンジ」。しかし…都丸さん、寒くて寝られない様子。そこで先生が、足軽が実践していた寒さ対策を教えてくれました。当時の足軽の生活について書かれた貴重な記録「雑兵物語」。ここには「唐辛子をすりつぶして尻から足のつま先まで塗っておくと、凍えないで済む」と書かれています。さすがに痛そうなので、今回は切った唐辛子を布で包み、つま先に入れました。トウガラシに含まれるカプサイシンは、皮膚の感覚神経に直接作用し、刺激を与えるため、脳が温かいと勘違いし、寒さを感じにくくなる効果があるそうです。

 寒さ対策も施したところで、無理とは知りつついよいよチャレンジスタート!
 戦国時代の戦場では、冬でも敵に気づかれないよう、火を焚けないことがあったそうです。都丸さん、トウガラシの効果は感じているようですが…さすがに今回は寒さに耐えられずギブアップ!都丸さん、ご苦労さまでした!