OA内容

#87 2013/11/29 OA
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  • 「辻口博啓」 「パティシエ」
    主題歌「夢/FUNKY MONKEY BABYS」

    自由が丘。
    ここに開店前から行列のできるスイーツの名店がある。
    その名は「モンサンクレール」。

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  • ショーケースに並ぶのは、
    ひとたび口にすれば誰もを虜にする甘い宝石だ。
    遠方からわざわざ足を運ばせる、
    その人気店を取り仕切るのは、
    洋菓子のワールドカップ「クープ・ド・モンド」
    史上最年少優勝を果たした革新者
    パティシエ・辻口博啓
    パティシエとして世界最高峰の技術を持つ辻口には、
    常に心に刻んでいる言葉がある。

    「和を似て世界を制す」

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  • 実家は、石川県にある「紅屋」という和菓子屋だった。
    和菓子が大好きで、家業はまさに天職。
    だが小学校3年生の時、
    初めて食べたショートケーキが、
    辻口の夢を洋菓子職人へと変えた。

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  • 高校卒業後、修業をする為に上京。
    しかしその3か月後、思わぬ悲劇が彼を起こった。
    実家の和菓子屋が倒産したのだ。
    原因は父親が借金の保証人になったこと。
    その現実に耐えかね、父は失踪してしまう。
    地元の会社に就職して家族を助けて欲しい。
    そう、母に頼まれた。

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  • 夢を諦めるか、家族に背を向けるか。
    どちらが正しいかは、わかっている。
    だが、あのショートケーキの感動が忘れられず、
    もう一回東京で修行させて欲しいと菓子の修行に出た。

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  • そんな息子に母は言ってくれた。
    「家のことは任せてやりたいことをやりなさい」
    ありがたかった。
    成功を収めないと母親に対する恩を仇で返すことになる。
    パティシエの世界で一流を目指すという強い思いがあった。

    毎日、朝6時から深夜まで、
    寝る間も惜しんでお菓子を作り続けた。
    母に恩返ししたい、その一心で。
    今やコンセプトの異なる12のブランドを展開。
    その中のひとつ和スイーツ専門店「和楽紅屋」は
    辻口の悲願、実家の和菓子屋再建という夢を叶えた店だ。

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  • 10月、辻口の姿はフランス・パリにあった。
    向かったのは、新たなチャレンジの舞台。
    来場者数10万人以上、
    「チョコレート版ミシュラン」とも呼ばれる祭典
    “サロン・ド・ショコラ”。

    辻口の次なる夢は、そのコンテストで最高位の受賞だ。
    参加するのは日本でも高い人気を誇る、
    巨匠ピエールエルメやジャンポールエヴァンなど、
    世界各国から選び抜かれた170人の一流パティシエやショコラティエ。

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  • コンテストで作るチョコレートは全部で5種類。
    一つはハイビスカスの食用種であるローゼル。
    食べた瞬間、ジャム状にしたローゼルの香りが広がる、
    未だ誰も知らない新たな味のチョコレートだ。

    そしてもう一つ、山椒を使ったチョコレート。
    辻口が勝負をかけた「和を以て世界を制す」ための食材だ。
    フランスでは馴染みがない食材。
    だからこそ、山椒を使ってフランスの人たちを驚かせたい。
    そんなチョコレートを作りたかった。

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  • 山椒の風味がふわりと広がる生クリームと
    上質なチョコレートとの斬新な出会い。
    夢のさらに、その先へ。
    辻口が挑むフランスの舞台で披露される。
    山椒、ゆず、パイナップルやハイビスカスなどを使った
    5種類のチョコレート。どれも至極の逸品だ。

    最高位に選ばれるのは、170人の中からわずか12人。
    初挑戦にして見事、最高位を獲得。
    厳しい戦いを辻口は制した。絶賛だった。
    その賞賛の拍手を、
    今こそ夢を後押ししてくれた人、母へ送りたい。
    母への感謝を胸に、辻口は新たな夢を追い続ける。

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  • 「浅田政志」 「写真家」
    主題歌「Million Films/コブクロ」

    新人写真家の最高賞、
    木村伊兵衛写真賞を受賞した写真集「浅田家」。
    普段、見かける風景を追いかけたようなこの写真。
    実は被写体は写真家の家族だ。
    みんなで扮装し、様々なシチュエーションで撮影を行う。
    その目的は家族の思い出を増やすため。

    およそ7年をかけ、1枚1枚紡いでいった。
    その写真家こそが、革新者・浅田政志。
    なぜ、家族を撮るのか?

    「写真から生まれるコミュニケーション」

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  • 今や彼がシャッターを切るのは家族だけではない。
    この日は、コブクロのニューアルバムのジャケット撮影。
    相手が誰であろうと、
    浅田が大切にしているのはただひとつ。
    家族と同じ、現場でのコミュニケーションだ。
    何気ない会話は被写体との壁をなくし、
    素の表情を引き出す為。
    そんなコミュニケーションから生まれる1枚は
    どんな写真より雄弁にその人を語る。

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  • 幼少の頃から、父親が写真を撮り、
    年賀状にするのが常だった。
    父親のカメラを借りて写真を撮り始めたのは中学生の時。
    高校卒業後は写真の専門学校に進学。
    卒業制作のテーマの題材は、
    ずばり「家族」
    家族との撮影でコミュニケーションの大切さを学んだ浅田は思った。
    今度はこの写真の持つ力を、もっと多くの人に伝えようと。

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  • この日、向かったのは福岡県北九州市。
    地元の人達と一緒に、作品作りに挑戦するためだ。
    こうして全国各地を飛び回り撮影し続ける浅田の思いは、
    今も昔も変わらない。
    今回の撮影場所は、
    長年地元の足として愛されてきたモノレール。
    コミュニケーション不足が生む電車内のマナーがテーマ。

    集まったのは小学生からお年寄りまで、
    男女問わず幅広い層。
    写真を通して皆で楽しみながら、
    そこで生まれるコミュニケーションの大切さを、
    少しでも感じてもらいたい。

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  • しかし地元とはいえ、初対面の人ばかり。
    そこで浅田は何気ない会話で、皆の緊張をほぐしていく。
    それはいい写真を撮るためだけではない。
    こういったところで知り合った方と
    終わってからも関係が続くきっかけとして
    こういう撮影があれば良いと思っている。

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  • 撮影開始―。
    しかし浅田がシャッターをすぐに切る事はない。
    重ねた会話の数だけ被写体の表情は豊かになる。
    浅田はそう信じている。
    つまり、そういう写真家なのだ、浅田という男は。

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  • 通勤列車の中で、いたずら好きな魔女が魔法をかけると…
    乗客達はみんな好き勝手を始めてしまう。
    それを見た魔女の親が怒ると…
    魔法が解け、ハッと我に返り、
    マナーが悪かった自分に気付く。
    そんな物語だ。

    写真を通してコミュニケーションを。
    その力を信じ、浅田はシャッターを切り続ける。