モネ展

2015.9.19sat-12.13sun

東京都美術館 休室日:月曜日、10月13日(火)、11月24日(火) ただし9月21日、10月12日、11月2日、11月23日(いずれも月)は開室

Works 作品紹介

第3章 収集家としてのモネ

ジヴェルニーのモネの家には、彼が収集し愛でた作品が飾られていました。モネの暮らしを彩り、創作の源ともなったこれらの作品は、画家自身の作品とともに息子ミシェルからマルモッタン・モネ美術館に遺贈されました。モネの収集した作品は、ほかの画家とのつながりや彼の審美眼を垣間見せてくれるもので、画家モネをより深く理解する手掛かりとなるでしょう。本章ではこのコレクションから、モネが敬愛したドラクロワの作品や10代のモネに戸外制作を勧めたウジェーヌ・ブーダンの水彩画、ルノワールやカミーユ・ピサロら印象派の作品、一緒に展覧会を開催したオーギュスト・ロダンの彫刻のほか、モネの個展を契機に画家を志したポール・シニャックといった次世代の画家たちの作品をご紹介します。

19世紀フランスのロマン主義を代表する画家ドラクロワ(1798-1863)。本作品は、モネも訪れたル・アーヴル近郊の景勝地を描いたものです。そびえ立つ石灰層の絶壁が大きく描かれ、前景には浜辺に打ち寄せる白波が巧みに捉えられています。波の浸食によって形成されたアーチ部分は、タイトル通り「馬の脚」のようにも見えます。モネは、若い頃からドラクロワを称賛していました。

ヨンキント(1819-1891)は、17世紀オランダの海景画の流れを汲みつつも戸外制作を学んだオランダ出身の画家。モネ自身の言葉によれば、彼に「決定的な眼の教育」を施した画家でした。自然をよく観察し、一瞬の光を画面に定着させるヨンキントの作品は、モネのみならず多くの印象派の画家たちに影響を与えました。スペイン国境に近い南仏の港が落ち着いた色彩で描かれた本作品は、ヨンキントの死後の競売で、モネ自らが購入した作品です。