2008.12.30
「魍魎の匣、あるいは人の事」
美馬坂の研究所に、今収まっている意識の主が久保だと告げる京極堂。関口ら全てが部屋の中を見回す中、京極堂は、ごく普通の若手の幻想作家だった久保を殺人鬼に変えた原因を明かし始めた。

養母の葬式に出るため夜行列車に乗った久保は、匣入りの生きている加菜子の頭部を見せられた。匣を持っていたのは、研究所から匣を持ち出した須崎ではなく、雨宮。陽子に付き添って14年も一緒に暮らしてきた雨宮は、実は陽子ではなく加菜子を愛していたのだ。

武蔵小金井駅での事故の後、雨宮は、加菜子をそのままの形で死なせてやろうと主張した。しかし、須崎は、腕を一本だけ生かし、それを遺産受け取るための証拠にしようと決断。残りの3本の手足をもらった雨宮は、それを水葬にしようと相模湖まで運んだ。つまり、相模湖で発見された最初のバラバラ事件の腕と脚は、加菜子のものだったのだ。

だが、雨宮は、さらにインパクトのあるものを見てしまう。それは、須崎が持ち出した匣入りの加菜子の頭部。須崎を殴り殺して頭部を奪い取った雨宮は、匣に入れたそれを夜行列車の中で久保に見せた、というわけだ。

加菜子の幻影に取り付かれた久保は、同じ物が欲しくなり、次々と少女を殺し始めた。少女の匣詰めにことごとく失敗した久保は、美馬坂のことを知り、研究所にやって来た。美馬坂は、この久保の希望に従って生体実験を行い、その頭部を匣に入れてしまった。

京極堂は、次に美馬坂の話を始めた。戦後、研究所を維持するための資金に事欠いた美馬坂は、須崎の遺産詐取計画を見て見ぬふりをしていた。これに懸命に反論する美馬坂。そんな美馬坂を懸命にかばう陽子。まもなく、美馬坂が、京極堂と木場に責められるのを見た陽子は、衝撃の事実を明かして―。