#632 『夜網漁の音』(16/7/17 放送)

岐阜県 美濃市

夜網漁は、舟べりや水面を櫓でたたき、かがり火でも川魚を追い込む伝統漁法。毎年6月半ばに解禁されるこの地の風物詩でもあります。夜になると、暗闇の長良川からは「トントントン」といった舟べりを叩く音が響いています。長良川の夜網漁は、11月頃まで行われています。

#632

■ DIRECTOR'S COMMENT

夜網漁の解禁日に、長良川の中流域に行って来ました。「清流長良川の鮎」は世界農業遺産にも認定され、街を盛り上げています。今回撮影した夜網漁はそんな遺産のひとつと言えます。漁師さん曰く「指紋が見えるうちは動いちゃダメ」との事で、陽がとっぷりと暮れるのを待ってから始まりました。真っ暗な中で息を潜めてそっと網をはり、一気に音や光で魚を追い込む人の知恵を使った、本当に昔ながら漁がそこにありました。一番捕れる時期には張った網にかかった鮎で、白い線ができるほど捕れるそうです。ただし、下流に出来た堰のせいで、その鮎も昔に比べ相当減ってしまっているとの事。昔は7艘も船が出ていたという話を聞き、さぞ壮観だったんだろうと思いを馳せました。(村上 宗義)

■ ACCESS

美濃太田駅から美濃市駅まで車で約30分

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