#745 『墨つくり』(18/10/7 放送)

三重県 鈴鹿市

鈴鹿墨つくりは、平安時代に始まったと言われ、風土が適していた事で大産地となりました。原材料は煤と膠(接合剤)と香料。鈴鹿墨の特徴は、墨の発色が良く、上品で深みがあり、基線とにじみが見事に調和すること。現在、書道愛好家に幅広く使用されています。そんな墨つくりの音風景があります。

#745

■ DIRECTOR'S COMMENT

今回撮影に伺った墨作り工場は鈴鹿に唯一残っている墨作りの工場です。一大産地となった地にただ一軒だけが残り、親子でその火を灯し続けています。墨を作る工場は壁、天井、床、全てが真っ黒でその作業をする職人さんの顔も墨に覆われいます。100分の数ミリという墨の粒子が飛んでおり、全てを黒に覆うのです。そんな世界でバチンバチンと墨を叩きつけてはギュッ、ギュッと捏ねていく職人の姿に、私は一種のカタルシスを感じました。そしてその作業の作り手の熱は、形になった時に使用する書道家にも伝わっているのだろうと感じました。それは鈴鹿墨がどれだけ多くの書道家に愛されているかで容易に想像できました。撮影協力:進誠堂(村上宗義)

■ ACCESS

名古屋駅から鈴鹿駅まで電車で約50分

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