Q.イッテQ!モンブラン登頂プロジェクト完結編


天候の関係で登頂アタックが早まった事を聞くイモト。
出発は予定より1時間遅れた。
ゆく道は長く険しい。
できるだけ節約したい体力、
ただ黙々と歩みを積み重ねる。
だが沈黙の行進は突如破られた。



モンブランで最も恐れるべき「雷雲」に包まれた。
このまま登山を続けるのは自殺行為。
急いでコスミック小屋まで戻る。
往復2時間のいってこい、
また振り出しに戻ってしまった。



出発が遅れるほどに、リクスは高まる。
心が折れないように、気持ちを奮い立たせ
その時を待つ。
ここでプロの登山家角谷さんがある決断をする。
それは、登頂を目指すのであれば、
スタッフには登頂アタックを断念してもらう、つまり
お荷物ディレクターは登頂をご遠慮いただくということ。



イモトを無事に頂上に連れて行くためにも
この手段に出るしかない。
そして午前5時15分、再アタック。
おそらくはテレビ史上初、
番組関係者がご遠慮願われたロケ。



出発から40分。空がしらみ始めた。
と、同時にゆく道の厳しさを知る。
だが、山は容赦がない。
40度を超える傾斜、一歩足を踏み外せば
たちまち麓まで滑り落ちる。
頂上まではまだ半分。


ゆくてを切り裂く巨大クレバス。
深さ50m。そこを誰が、置いたとも分からない
一本のハシゴで乗り切る。
躊躇している時間はない。
山での弱気は、パニックやトラブルの引き金。
角谷さんに叱咤されながら、
1つずつ壁をのり越える。


午前7時30分、
第一の番人タキュールを乗り越えた。
だがあくまでここは通過点。
白き女王を守る次なる刺客は、標高4,465m「モンモディ」。
60度の斜面が60m続く氷壁。


深い雪をなれないアイゼンで歩き、すでに3時間。
一歩がとてつもなく重い。
這いつくばるように登る。
そんな状況に待ち構える最大の難関、
斜度60度、高さ60m「モンモディの氷壁」
息苦しさの中、歯を食いしばり拷問に耐える。


体重を支えるのは、アイゼンのつま先・2本の爪だけ。
イモトの強靭な足でさえも悲鳴を上げる。
だが、これを乗り越えれば、
白き女王の本丸を捉える事ができる。
そして二つ目の山モンモディを制した。



ここまで乗り越えてきた山々、
残すは、後一つ。
苦しかっただけの道のりを超え、
ようやく見えた希望の頂。
だが、実際の道のりは、まだ4キロもある。
高低差は400m以上、標高は4300m。
酸素は平地の60%しかない。
息を深く吸い大きく吐く。
呼吸が乱れれば、高山病の引き金になる。


残されているのはわずかな力。
だが、白き女王はそれさえも奪いにくる。
吹きつける強烈な風、
体感温度はマイナス20度を下まわる。
長時間冷たい風を受け続け、
イモトは低体温症を発症してしまった。
高山病に低体温症、
もはや気持ちだけでは支えきれない。


しかし容赦のない斜面、叩き付ける風。
そしてついに、イモトの心が折れる。
体力も精神も燃え尽きた。
その場に倒れ込む。
意識はモウロウとし、
自分が何をしているのかさえ分からなくなる。


頂上まであと200m。
本当に乗り越えるべきは自分。
わずかに残る闘争心よ。
肉体の限界を乗り越えさせてくれ!
ゴールはもう目前!
あと10m!
そしてついに…!!



イモトアヤコ・アルプス最高峰に立つ。
標高4810メートル。
強靭な肉体とたくましい精神力、
天候に恵まれる幸運、
それを備えた者だけが辿り着ける場所。


頂上にいたのはわずか5分。
イモト、この夏最大の挑戦、
「登山」。極めて単純だが、
そこにはあらゆるモノが詰まっていた。
立ちはだかる苦難、試される自分、
自然の厳しさと美しさ、仲間達との友情、
そして、吐き気と頭痛。
人生にそんな事は無くても困らないが、
あればあったで素晴らしい。
アルプスの頂に立ち、
そう思うイモトだった。


イモト、お疲れ様!!