Q.珍獣ハンターイモト マッターホルン登頂プロジェクト


事の始まりは8月1日。
2012年一大チャレンジは始まった。
8月5日 イモトは富山に入った
向かった先は国立登山研修所。
ここには高さ17mの人工壁が設置されており
安全に本番さながらのトレーニングができる。






とにもかくにもマッターへの第一歩は踏み出された。
8月5日。
より実践的なトレーニングに入る。
その舞台は立山連峰剱岳。
この山にこもりマッターを想定しての訓練を重ねる。
丸6日ひたすら山と向き合った
ただ岩山で肉体と精神を鍛えぬいた。
そして8月9日。
剱岳で最も難しいとされる源次郎尾根ルートからの登頂に成功!

しかしマッターホルンに登るには
登山許可をかけた検定をクリアしなければならない。
それはスイスの山で行なわれる。
どんな試練が待っているのか?


お盆が過ぎた8月19日イモトはスイスに入った。
4000m級の山々が連なるアルプス山脈。
そのシンボルとして君臨する孤高の山『マッターホルン』
人呼んでアルプスの角。





テストトライアルの試験官は現地のプロガイド、
天才クライマー ミハイル・レルエン。

『マッターホルンテストトライアル』
実はこの制度、ガイド達を守るために作られたもの。
マッターホルンでは、ガイドと登山者が互いの体を結び合う
一方の登山技術が未熟すぎると、不意に滑落などした場合
ともに命を落とす事になるからだ。



テストが行われるのは、マッターホルンとは別の2つの山
一次試験は、高低差200mほどの岩山・リッフェルホルン






それにパスすれば、
雪と氷で覆われた標高4164mブライトホルンで最終試験。
2回にわたってふるいにかけられる。






8月20日、テストトライアル初日。
見るだけなら美しいが登るとなれば待つのは地獄。
本音を言えばテストに受かる事を心からは願えない。
いよいよ始まる戦い!
それを前にメンバーからの差し入れを!
松嶋からは『アロエ』
日焼け後に塗ると効くようだが、
できれば高級な日焼け止めが欲しかったイモトだった。





いよいよ一次試験。
試験を受けるのはイモトだけではない。
登山部全員、カメラマンでも現地の検定員に試される。

高低差およそ200mの岩山。
これを1時間で登るのが合格の目安。
試されるのは基本的な身体能力とクライミング技術。
あえて険しいルートを選ぶ。
実は検定で重要視されるのがスピード。
素早く登り素早く降りる、
それが不測の事故を防ぐ最大の防御。

我々の国内トレーニングは無駄ではなかった。
わずか20分で中盤まで到達。
そして日本の山と異なるのは標高。
およそ3000mは息も乱れる。
さらに高度感も次元が違う。
見れば足がすくむ高さ。
怖いが躊躇は厳禁。



いよいよ待つのは最後の難関。
さすがの山男たちも立っているという80度の壁。
文字通り岩にへばりつく。
わずかな岩の突起に命を預ける不安。
ペースが致命的に落ちる。

検定だと分かっていても自分の弱さをさらけ出すしかない。
そして無事登頂成功!
きっかり1時間 全員そろって、頂上に到達。
今日の所は全員合格!

麓におりた我々は、
士気を高めるためマッターホルン博物館を尋ねた。
アルピニストたるもの登る山の歴史を知るもの重要。



マッターホルン登山で最も有名なヘルンリルート。
このルートこそ、174年前、難攻不落の頂を制した栄光の道である。
その偉業を成し遂げたのは登山家ウィンパー。
このルートを探し出すのに、実に5年もの歳月を費やした。
先人達の犠牲の上にルートの発見や登山技術の進歩はある。





これはウィンパーが実際に使っていたロープ。
初登頂を果たした帰りにちぎれ、4人の仲間を失った。
これはマッターホルンの悲劇と呼ばれ、
ヨーロッパで最も有名な登山史として受け継がれている。

栄光と悲劇の登山家ウィンパーは著書にこう残した
【いかに勇気や体力があろうと慎重さをかいていては
何にもならない。どうか忘れないでほしい。
一瞬の不注意が一生の幸福を台無しにしかねないのだから―】


8月21日、テストトライアル最終試験。
検定を前に宮川からの差し入れが―
元気をくれるチアガール!
さぁいよいよ真価が試される。

舞台は標高4164m、ブライトホルン。
課せられたのは画面の反対側から登り
尾根を1キロに渡り横断する難関ルート。






氷河を歩いて30分、本当の試験会場はここから先
試されるのはより高度なクライミング技術と、
雪や氷への対応力。そして精神的な強さ。

まずは急斜面を当たり前のように登る。
ここからアイゼンを装着する。
歩きにくくはなるが、これをなくして氷の壁は登れない。




標高は400mを超えたが順調。
マッターホルンの山頂近くには雪と氷のエリアがある。
アイゼンとピッケル、両方を使いこなせる技術が不可欠。





ブライトホルンの尾根が見えた。
高度なクライミング技術と恐怖心の克服がテストされる。
ナイフリッジと呼ばれる左右が切れ落ちたルート。
これが1キロにわたって続く、まさにナイフの刃を渡るよう。
踏み外せば命はない。
どんな状況でも、冷静にクライミングできるか?
それは技術以前に要求されるポイント。





高所恐怖症でパニックになれば試験はパス出来ない。
精神的なパニックや弱音は絶対にご法度。
隊全体が集中出来なくなるからだ。

しかし行く道はなお容赦がない。
一瞬足りとも気が抜けないクライミングが続く。





後ろは振り返らず前へ
何よりも大切なのは絶対に登りたいという闘志。
こうして登山開始から4時間。
ブライトホルンの尾根 地獄の1キロを見事に踏破!
ブライトホルン山頂に到達!
見事試験に合格した!
しかし主任の石崎は不合格・・・
だがテストをパスすることはスタートラインに立ったというだけのこと 
この先には過酷な現実がある。
それは、登頂成功率30%という悲劇的な数字。
果たしてイモトはそびえ立つアルプスの角
そのてっぺんに辿り着けるのか?





8月中旬スイスに入り、
マッターホルンテストトライアルを見事にパスした登山隊は
日本に一度帰国。
アタックの体制を整え当初の予定通り8月31日再びスイスに入った。
しかし、到着すると思わぬ事態がまっていた。
真っ白に雪化粧をまとうアルプスの角、
昨晩、季節外れの雪が降ったのだ。
マッターホルンに登れるのは雪がついていない
7月から9月初旬まで。
夏の2か月間と決められている。
今、目の前の山には立ち入る事はできない。
マッターホルンの登山シーズンはあと10日ほど
その間に雪が溶けなければ、そのまま閉山となってしまう。
つまり登頂は、中止。
どうにかなると楽観的に受け止めていたが、
事態は予想以上に深刻だった。
積雪は30センチ以上もあるらしい。
通常のコンディションなら
アイゼンを使うのは頂上に近い部分だけ。
しかし、雪が溶け登れる状態になっても
道中の半分以上、アイゼンを履いてのクライミングになるという。

いずれにしても待ち受けるのは過酷な状況
雪が溶けずアタック中止か?
あるいは、雪にアイゼンを突き立てアタックするか?




9月2日
今日は最初のテストで登ったリッフェルホルンで追試
数ミリの段差に爪を突き立てのぼる。
体力はもちろん、足場を信じる勇気が必要。
ゴムの靴底なら滑る事のない岩場でも
アイゼンの場合、気を抜けば一瞬で滑り落ちる。

と、その時!
カメラマンが滑落!!
だが、ブロガイドは突然のアクシデントでも
ロープ一本で引っ張り上げる。

4年前、山登りを始めたイモトだが、
今回の訓練で、その能力は1皮も2皮も剥け、
飛躍的なレベルアップをとげた。



9月4日
昨日より雪は少なくなったように見えるが、
アタックの許可はでない。



9月6日
待機期間も既に5日。
あきらめるか、アタックするか
遂にジャッジが必要。
5日前と比べれば確かに雪は減っている。

しかし100%の安全を確保するため
一つだけ条件が出された。
アイゼンを履いてのクライミングは
普通に比べ倍以上体力を使う。
加えてカメラを回す事でペースも落ちる
よって下山には、順調に登ったとしてもヘリコプターを使う。
これが、アタックの条件。

出発は明日。
早朝5時にアタック、高低差1200mの岩登り。
コンディションは行ってみなければ分からないが
8時間以内に頂上につけないペースや状況になれば
そこでアタック断念となる。
登頂成功率は、30%






ここでイモト、アタック決定をある人に報告。
電話の相手は角谷さん。
これまでイモトを育ててきてくれた日本屈指の登山ガイド。
当然今回も、角谷さんに同行してもらうはずだったのだが
実は今年の3月八ヶ岳で山岳ガイド協会の試験中、
講師を務めていた角谷さんは受験者のスリップに巻き込まれ滑落。
大腿骨の付け根と骨盤の一部を粉砕骨折。
それは、その後の日常生活にも支障が出ると
言われるほどの大怪我だった。
しかし現在は富士山を登るまで回復した。





これまでどれだけ励ましてもらった事か。
そして、今回も角谷さんがいればどれだけ心強かった事か
甘えてはいけないと解っていても励ましの言葉を求めてしまう。







ここでスペシャルな差し入れが森三中から!
山をおりるとマッターの麓に森三中その人たちが!
ちょうどスイスでロケだったので
四つ目の樽風呂をついでに用意した。

まずは、ロープウェイで標高2583m、シュヴァルツゼー駅へ。
近づくほどにその切り立った岩肌が鮮明に見えてくる。
コレから先 どれほどの苦難がまっているのか。





ついにそのスタート地点にたった。
全権を握るガイドは、天才クライマーミハイル・レルエン。








イッテQ!登山部・顧問貫田宗男。







そして、貫田さんの秘蔵っ子で日本山岳界若手のホープ中島健郎。






カメラマンは二人、岩登りのエキスパート・河邊則宏と辰野貴史。

以上でアタック隊が編成される。
石崎は、麓の小屋で待機。
それでは向かおう!






今日の目的地は、マッターホルンの付け根にあるヘルンリ小屋。
そこで一泊し、早朝からアタックにそなえる。
ツェルマットでも大人気のハイキングコース。
ここで手越からの差し入れ!
それは、つらい時用の写真立て
ボタンを押すと手越君のこえが!







そしてベッキーからの手紙!
ベッキーラッキーツアーinヨーロッパが
10月14日に発売します!!







登山開始から2時間
最終アタックの拠点となるヘルンリ小屋に到達。






最終アタックの拠点も
今日は、ガラガラ。
普段なら何十組もアタックするのだが
どれほどコンディションが悪いのか?
やがて始まる地獄の行軍
そのまえに一本の電話が−
内村からの応援電話だ。

午後7時
アルプスの角が闇に沈む
試練にそなえ身体を休めた。





まずは午前4時
天気は快晴、自然は味方してくれている。
午前5時 暗闇の中 ヘルンリ小屋を出発
東壁と北壁が作る尾根に沿って高度差1,200mをクライミング。

暗闇ではいっそうの集中力が求められる。
体力はできるだけ温存したいがそんな余裕はまるでない。
てんてんと灯るヘッドライト。
男達の激しい吐息が行く道の険しさを物語る。
ペースは予想よりかなり速い。
世界最速の男が率いるイッテQ!登山隊
最後に出発したが、他の隊を追い越す勢い!
垂直の壁は行けども行けども続き
険しさも増して行く。
一流のアルピニストでさえ吐息だが、そこはまだ
マッターホルンの足下に過ぎない。






登り始めて1時間。
空が白み始めた。






標高は、まだ4,100m。
しかし、想像を絶する運動量
とにかくペースが速い。





午前6時52分
マッターの山頂が赤く染まり始めた。
その名も「アルプスの栄光」
視界が鮮明に照らされると同時に
高度感が襲ってくる。
麓からのカメラでは半分以上来たかの様に見えるが
まだ、1/3にも届いていない。
やはりマッターホルンはこれまでの山とレベルが違う。
午前7時
白い雪と黄金の朝日が山を美しくいろどる。
その肌に必至に食らいつく登山隊。

闘志はまだついえてはいない。
だが行く道はまだ長く途方もなく険しい。

行く道には、徐々に雪が増え始めた。
いつアイゼンを付けるかの判断もきわめて重要。





午前7時30分
マッターホルン中腹にある避難小屋がみえてきた。
標高4000m、断崖絶壁に作られたソルベイ小屋。
あくまでも避難用でよほどの場合でない限り
中にクライマーが入る事はない。






ここで待ち受けるのが
難所のひとつマッターホルンの「肩」
左右が切れ落ちた尾根を登って行くため。






こうして、登山開始から4時間
マッターホルンの肩の上に出た。
肩から先は斜面がしばらく続く。
だがその先には難関中の難関が続けざまに待ち受ける。





まずは左右の足下が4,00m切れ落ちるナイフリッジ、
そしてマッターホルン最大の難所。
通称フィックスロープと呼ばれ、
反り返るほどに感じる地獄の急斜面。
左右の足下が4000m切れ落ちた平均台も
なんのその。






今のイモトは天も味方についてくれている。
風はほとんどなく気温もあたたかい。
雲ひとつない晴天。

さぁいよいよ突入!
マッターホルン登山。
最大の難所 フィックスロープ
それは頂上直下高さ300mの岸壁。
フィックスロープと呼ばれるのは
非常に危険で、常時ロープが設置されているため。
クライマー達は、疲労がピークの状態でこの難所を迎える
いよいよイモト、フィックスロープをその手に掴む。
ここから高度差300m、体力と精神力が試される。




午前9時20分
フィックスロープ登攀開始!
まずはミハイルが先行し
イモトとつないだロープの安全をしっかり確保
技術・体力・精神力
全てはこの斜面のために鍛えてきた。





いよいよ運命の分かれ道
イモト、この300m登りきれるか?
あるいは登りきれないか?






すでにここまで
全力を尽くす戦いを4時間以上続けてきた。
斜面はまさに垂直、
たちまち手足の筋肉はパンパンになり思わず立ち止まる。
頂上までまだ250mもある。
魔性の山は一切容赦はしない
イモトは角谷さんの言葉を思いかえしていた。





前回のアコンカグアではどれだけ登りたいと願っても
その道は自然の力によって閉ざされた。
未だ心に残るあの悔しさ。
だが、今は違う。
思い続けてきたその頂
山は道を開いてくれている!
再び歩き出す!!

銀のはしごが見えたら
これがフィックスロープのゴール!




午前10時30分
イモトマッターホルン最大の難所を制覇!
足取りも確かに最後の危険地帯を乗り越えた。
さぁあとは100mのビクトリーロード。







残すは頂上までのびるゆるやかな100mの尾根
苦難を乗り越えたものだけが踏みしめる事を許される
ビクトリーロード。
山は一転して穏やかに登山隊を出迎える。






見事登頂成功!!!















さぁイモト、マッターホルンでアクティビティ!
いってこい!!






イモト、お疲れ様!!