去年のシーズン4にも出場していた須田さん。結果は惜しくも二次予選にて敗退。悔しくてしばらくはすっかり力が抜けてしまったそうです。

しかし、シーズン5の開催が発表されると…これから沢山の人生の岐路に立つであろう2人の娘さんたちに「つまずいても諦めない姿勢」を見せたい、また、「自身も新たな人生を切り開きたい」という想いが高まり応募を決意!
そして2015年3月、「レシピの女王・シーズン5」がスタート。そこにはリベンジから初の女王を目指す、須田さんの姿がありました。

3月8日 一次予選(ステージA)

シーズン4で敗退した原因を、特殊な食材を使ったレシピにしてしまったことと考えた須田さんは、「家庭にあるもので誰でも簡単に作れる」をテーマに、一次予選のレシピを考案。

披露してくれたのは、須田家での定番料理でもある「彩り野菜とレンジ蒸し魚の黒酢ソース」。キノコの上に魚をのせて、電子レンジで温め、自慢のソースをかけるだけ。なんともお手軽なレシピですが、キノコと魚が互いのダシを吸いあって絶妙な旨みを引き出し、「視聴者への良きアイデアになったのでは?」と審査員の先生方から高評価をいただきました。

そして結果は見事合格!今年も一次予選を通過することができました。須田さんの肩をポンポンと叩きながら「おめでとう」と声をかけるご主人の姿はとてもステキで印象的でした。

6月28日 二次予選

この日再び東京に集まったのは、一次予選を突破したわずか14人。二次予選の審査形式は、抽選で決められた2人1組での対決勝負。勝者のみが最終予選に進めます。

前回のシーズン4では、この二次予選で敗退した須田さん。「今回は何としても勝ち進みたい!」と意気込んでいましたが、抽選の結果、最終の第7組に!「ずっと緊張していなければならない…」と出来れば最終組は避けたかったようです。
そんな須田さんが披露してくれたレシピは、「食べるXO醤でコク旨卵かけごはん~艶々茹で鶏とレンジ茄子の香味ダレで夏おかず~」

この大事な一戦で「卵かけごはん」?と思いきや、ただの「卵かけごはん」ではありませんでした。まず卵を卵黄と卵白に分け、メレンゲ状にした卵白とご飯をあらかじめ混ぜておきます。そして、ふわふわの白味ご飯の上に卵黄をのせることで、卵黄のコク旨を楽しむことが出来るという、ちょっと贅沢な卵かけごはんです。そして極めつけは「食べるXO醤」!市販のXO醤の裏面を見ながら材料の配合を考えた須田さんオリジナルの調味料。長女の莉加さんが「商品化したいくらい美味しい!」と語るこの「食べるXO醤」は、「卵かけごはん」との相性が抜群!最終組でお腹いっぱいであろう審査員の先生方も、「これはやばい!」と箸が止まらないほどの美味しさだったようです。

そしてむかえた結果発表!去年はここで敗退した須田さんですが…今年は違いました。
シーズン4の経験を生かし、粘り強く研究を重ねた結果、今年は見事勝利をおさめたのです!ロビーで様子を見守っていたご主人も思わずガッツポーズ!まだ見ぬ未知の舞台、最終予選への切符を手にしたのでした。

8月9日 最終予選

最終予選は二次予選に引き続き1対1の対決勝負。抽選で、須田さんはまたしても緊張の待ち時間が長く続く最終組を引き当ててしまいました。しかも対戦相手は最年少の南雲理恵さん。「主婦としての経験は豊富でも、若い人の斬新なアイデアに勝てるかしら」と不安を隠しきれない様子の須田さん。

そんな須田さんのレシピは、去年のシーズン4で披露したかったものの、二次予選で敗れたために実現できなかった、須田家の定番料理「香草香るサーモンマリネのパン粉焼き~グリル野菜のペストロッソ和えとフルーツマリネを添えて~」

実はこのレシピ、サーモンが苦手だった長女・莉加さんに、どうすれば克服させてあげられるかと試行錯誤して生まれた料理だったのです。ポイントは、すし酢を使ったマリネ液にサーモンを漬け、香草入りのパン粉で揚げ焼きし、魚臭さを消して爽やかな味わいにしたところ。この料理のおかげで莉加さんはサーモンが大好きになり、須田さんが母として大きな自信をつけた一品でした。

そんな想いが詰まったレシピで挑んだ、若手主婦との勝負の結果は…!?みごと大勝利!魚のふわふわ感と野菜のシャキシャキ感が好評価につながり、夢のファイナルステージ進出が決定しました。結果を聞いて思わず目頭を押さえる須田さん。勝ち上がった喜びもさることながら、レシピに込めた娘さんへの想いが認められたことが、須田さんにとっては何より嬉しかったに違いありません。

9月6日 ファイナルステージ

準々決勝から決勝までの3試合をたった1日で戦う、過酷なファイナルステージ。

この舞台に立つことができたのは、一次予選から快調に勝ち上がってきた八木志津香さん、二次予選で敗者復活した村松恵香さん、最終予選に繰り上げ出場となった青木早希さん、そして須田さんの4名。

第5代女王が決まる、長い長い一日が始まりました。

【準々決勝】

4名の中から上位3名が準決勝に駒をすすめることができる準々決勝。テーマは「ひき肉を使ったレシピ」。当日会場へ一番乗りしてやる気に満ち溢れていた須田さんのレシピは、食べると中のプチトマトがぷちゅっと弾けて楽しい「プチトマト弾ける大きなミートボール・オレンジソース~塩辛シーザーポテト添え~」

しかしレシピを開発する過程で問題が発生。肉だねで包んだプチトマトが、揚げると中で割れてしまうのです。それを防ぐために須田さんは色々な方法を試したそうですが、どれも上手くいかず大ピンチに。ところが建築業をしているご主人が言った「コンクリートは、大きくひび割れないように、わざわざ小さな傷を入れておくんだよ」という何気ない言葉がヒントとなり、画期的なアイデアを思いつきました。

なんと、砕いたアーモンドで肉だねをコーティングするのです。こうすると肉だねの表面に小さな傷ができ、それが中のトマトの破裂を防いでくれるというわけ。しかもアーモンドは、食べた時のガリガリ感・香ばしさもプラスでき、まさに一石二鳥。ふとした夫婦の会話を大きなアイデアに発展させるとは、まさに家族一丸の成果です。

調理中は使い慣れないキッチンのせいか、火が舞い上がるハプニングもありましたが、そこはベテラン主婦。落ち着いて調理を続け、約8分もの時間を残して無事完成させました。

そして迎えた結果発表。青木さん、村松さんが次々と準決勝進出を告げられ、残る枠はあと1つ。最後に上重アナが名前を読み上げたのは…須田さんでした!またしても見えない家族の力が後押しとなって快進撃を続ける須田さん。次はいよいよ準決勝です。

【準決勝】

準決勝のテーマは「お弁当」。須田さんも普段から娘さんにお弁当を作っているそうで、やはり主婦にとって朝は忙しい時間帯、前日の残りものを使う事が多いそうです。しかしここでは1から30分で作らなくてはなりません。「お弁当」というテーマには意外に苦戦したようです。

色々な種類のおかずが入っていて、かつ短時間で簡単に作れるものを意識したという須田さんのレシピは、「胡麻と大葉香るパリパリポテトの海老フライ弁当」

実はこの海老フライ、ポテトを衣にした須田家では定番の海老フライ。パン粉よりもパリッとした食感が持続しボリュームアップも期待できることから、お弁当のおかずにピッタリなんです。ご主人にも娘さんたちにも、どちらにも喜んでもらえるようにと考えた、彩り鮮やかでボリューミーなお弁当がみごと完成。「バッチリ練習通り。これで負けても悔いはない」と語っていた須田さんでしたが…なんと高得点を叩き出し、結果は決勝進出!ついに、女王の座をかけた最後の戦いに勝ち進みました。

【決勝】

決勝戦は長女・莉加さんが強敵と評していた村松恵香さんとの一騎打ち。
テーマは「フリー」でしたが、奇しくも両名とも魚料理で勝負となりました。

須田さんが披露したのは「太っちょ鰯の明太コロッケ・即席トマトソース~手作りガリのマヨソース・さっぱりコールスローとともに~」。

地味になりがちな鰯を華やかに仕上げて家族に喜んでほしいと考えたこのレシピは、須田さんの一番のお気に入り。たっぷりとジャガイモを使用することで魚臭さが消え、またかさ増しにもなっているリーズナブルな一品です。

審査員が特に注目したのは、鰯のフライに付けるトマトソース。味はもちろんのこと、トマトジュースを使って電子レンジだけで簡単に作れる、忙しい主婦にはありがたいアイデアは大好評でした。 「順子残り15分!」「落ち着いて!」と懸命に声をかけるご主人、長女・莉加さん・義理のお母さんが祈るように見守る中、須田さんは無事調理が完了!
去年からの長い長い須田さんの、いや須田家の戦いが、ようやく終わりました。

決勝の舞台に立った須田さんのことを、長女・莉加さんは、「母はベテランといわれるけど、何のコンクールにも出た事がない、本当に普通の主婦なんです。」…莉加さんには須田さんの姿が、日本一の座をかけ戦ったファイナリストである以上に、家族想いで努力家の、素敵なお母さんとして映っていたに違いありません。そしてそんな莉加さんの横には、大会の度に仙台から東京まで5時間かけて車を走らせ、いつもそばで支えてくれたご主人の笑顔もありました。 「家族の協力がなければここまでこられませんでした。」ステージ上の須田さんの目には、うっすら光るものがありました。

そしていよいよ結果発表!「第5代レシピの女王は…!」目を閉じてその瞬間を待つ須田さんと村松さん。両手を握りしめ祈る家族たち。
「須田順子さんです!!」そのコールに須田家は思わず大歓声!鳴り止まぬ拍手の中、須田さんの目からは大粒の涙がこぼれ落ちました。

大会史上初の、再挑戦で女王となった須田さん。 挫折しても逃げることなく粘り強く挑戦し、ついに夢をつかんだ須田さんの姿は、長女・莉加さん、二女・華さんに、とても大きく大切なものを伝えたことでしょう。

「家族の絆」が、素敵な新女王を誕生させました!

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