#256 梅雨
June 30, 2008

080630rain2.jpg

梅雨だというのに衣類乾燥機が壊れてしまいました。社会人になる前に購入したものですから、かれこれ15年選手であります。

梅雨(ばいう)には黴雨という別の字もありますが、「梅が熟す時期」「黴の生えやすい時期」、どちらにしても言い得ていますね。とりわけ気密性の高い昨今のマンションや住宅では「黴雨」のほうが深刻。室内干しをすると、下手をすれば衣類も生乾き、室内もじっとり、でもう最悪です。

で、家電量販店に行って乾燥機を見たらば。いまや洗濯乾燥機のほうが売り場のスペースをたっぷり占有していることに驚きました。何せ洗濯機や乾燥機なんてそうそう買うものではないので、世のトレンドの変化にびっくり。中でもドラム式の洗濯乾燥機など、あれこれオールインワン、節水節電と至れり尽くせり。また10年単位で使うものですから真剣に・・・。

洗濯や乾燥はいざとなればコインランドリーという手段があります。何とかなるわけですが、何とかならないのが自然の常。九州や四国ではこの週末も相当な水の被害が出ています。まだ1か月近く続く雨の季節。水不足も困りますが、どうか甚大な被害がでることの無いように。防災士のはしくれとしてはそう思います。あすから7月です。

#255 読了日記039 『教科書に載った小説』
June 20, 2008

週末に起きた地震。発生から7日目です。梅雨に入って雨と二次災害が心配な状況が続きます。被災地の皆さんには心よりお見舞い申し上げます。

・佐藤雅彦・編『教科書に載った小説』(ポプラ社)

小学校の教員だった父を持つ編者は、少年時代のある日「教科書に載った小説」の魅力に目覚める。それから幾星霜。様々な出版社の教科書を集める機会に恵まれてそれらを読破する中で、「おせっかいながら他人に読ませたくなった」という小説を集めた一冊。著者はこれらの作品群を、「敢えて言うなら、『誰かが、人が育つ過程に於いて通過させたかった小説』とでもなるのだろうか」と総称している。収録された12の作品を読むと、なるほどその総称に頷けるのである。

たとえば三浦哲郎の『とんかつ』は、青年への成長への賛美と人情のあたたかさ。たとえばドイツ人リヒターの『ベンチ』には差別の愚かしさが。たとえば松下竜一の『絵本』には時を超えた篤い友情が。

教科書的な、という形容詞が似つかわしいテーマを表現したものはたしかに少なくない。しかし中には、シュールな描写、人の世の不条理、いろいろな意味にとれる痛烈な隠喩といった、なかなか高度で教科書的な評価軸から遠いとも思える作品もあるのだ。それらは必ずしも著名な作家の著名な作品だけではなく、古今数多の作品から佳作を選び抜いた教科書編集者の思いも透けて読みとれる。ということで、「おせっかいながら」という作者の思いに、すっかりはまってしまった。続編を期待する。

080619kyoukasyo.jpg

#254 金曜日
June 13, 2008

きょうは金曜日。週末が見えてきました。今週は日曜日に大きな事件が起き、毎日その続報をお伝えしてきましたが、ご覧になった皆さんも、容疑者の供述や「書き込み」に怒りや疑問を覚えたことと思います。亡くなった方やケガをした方、現場に居合わせて恐怖を感じた方、そしてそれらの皆さんのご家族。本当に多くの方々が人生を大きく変えられてしまいました。とくに亡くなった方々の前途を考えると、胸が痛みます。悠々自適の人生を歩もうとしていた70代の男性、夢を叶えてこれから歩む道に胸を膨らませていた若者…、どの方にとっても、明日を絶たれた無念は察するに余りあります。

大きな病を抱えたり、貧困にあえいだりしない限り、私たちは「明日は必ずやってくるもの」と信じて疑いません。というか、信じる信じない以前の問題です。ふつうに暮らす市井のひとびとは、意識的に「明日の有無」を考えることなど無いのが自然でしょう。こういう事件のたびに、何も考えずに明日のあること、何もしなくても明日がやってくることがいかにありがたいことなのかを痛感します。そのありがたきことを何の前触れもなく絶ちきることの罪が、いかに大きく、許し難いことか。時間が経つにつれ、残された方達の怒りや憎しみが増していくのは当然です。

#253 入り口
June 5, 2008

080527nishikigoi2.jpg

新潟の小千谷駅前です。大きな錦鯉が池から飛び出して…というわけではありません。地下道の入り口なんですね。小千谷といえば、「小千谷縮(ちぢみ)」と「花火」そして「錦鯉」で知られるところ。歴史ある養殖技術。そのなかから生まれた美しさは息を呑むほどです。大きさ、体型(とでも言うんでしょうか)、そして何より色彩と柄。調和のとれた美しい錦鯉は泳ぐ芸術品といわれるんですよね。

という町ゆえに、駅前の地下道の入り口もこんなかたちになっているわけです。確かに「小千谷縮」「花火」は、かたどるにはちょっとムリが生じますし。…大きく開いた錦鯉の口から入っていくのが、妥当なところと言えましょう。この入り口は3つあるようですが、面白いのはしっぽの方が入り口になっているものも有ること。口から入って、しっぽから出る…ほほほほほ。

小千谷には「錦鯉の里」なる施設も。ネットで施設のページを見てみると、ここは驚くばかりの錦鯉が飼育され、鑑賞できるようです。体重の最も大きな鯉は重さ16キロ!胴回りが80センチ!ですって。ウエスト80って、私と似たようなものですよ。今度会いに行くとしましょう。

#252 薫風
June 2, 2008

080527nagaoka.jpg
熊本に続き、今度は新潟に出張してきました。4年前の中越地震で大きな被害を受けた小千谷市です。長岡までは新幹線、そして少し戻るかたちで車での移動です。長岡駅を出てすぐ、気になることが思い出され、運転手さんに尋ねました。「仮設住宅はどうなりましたか?」「ああ、去年で丸3年たって、今はもう無くなったねぇ」。新幹線の車窓からも見えた、駅近くの仮設住宅はすっかり無くなって、更地に戻っていました。結局もとの集落に戻れず、いわゆる「復興住宅」に転居したり、アパートに移ったり。被災者の暮らしは4年を経て変転を余儀なくされたようです。

小千谷の取材先周辺でも、空き地がところどころに見受けられました。聞けば、地震で壊れた住宅を建て直すよりも、遠方に住む子供世帯の家に身を寄せることを選んだ人も少なくないとのこと。地震は建物だけではなく、長くつづいてきた無形のコミュニティをもダメージを与えるのだなあと痛感します。
080527shinanogawa.jpg
帰り道、信濃川にかかる大きな橋を越えました。長岡市妙見の「越の大橋」です。下流方向を眺めるとなんとものどかな風景、薫風が田んぼの水をこえてそよぎます。新潟出身の私には馴染みの深い光景です。「ああ、新潟の5月だなあ」とホッとするのですが、上流側の右岸は、大規模な土砂崩れの名残がはっきり見えます。2歳の男の子が地震から4日ぶりに救出されたあの場所です。信濃川になだれ込んだ大量の土砂や岩はそのままにして、山側に道路が新設されていました。薫風が抜ける車中で、大災害のつめあとを目の当たりにし、しばし言葉もなくなりました。