#352 疑念
March 12, 2010

image.jpg航空会社のスカイマークで不祥事が相次いでいます。まず、乗務中にコックピットで機長や客室乗務員らの写真をデジタルカメラで撮影していた副機長が諭旨退職処分に。また撮影を許したとして、機長ら14人も減給などの処分を受けました(11日現在)。問題の30歳代の副機長は、去年4月から先月にかけて、少なくとも5回撮影したということです。スカイマークは「航空法に違反した」としてこの処分を下したのですが、当のスカイマーク自身には、監督官庁の国土交通省が厳しい目が向けられています。国土交通省は、会社からの報告が十分ではなく、他にもコックピット内などで怠慢な職務が行われていた可能性があるとみて、11日、スカイマーク社に立ち入り検査に入りました。

これに先だって、スカイマークは他にも航空法に抵触する問題で、国土交通省から厳重注意を受けています。

問題が起きたのは2月のこと。羽田空港で、体調が悪く十分に声が出ない客室乗務員を機長が交代させるよう求めたにもかかわらず、スカイマークの会長および社長は飛べない理由を繰り返し質し、結局「十分声は出ている」として交代させずに運航を命じていたことがわかりました。客室乗務員の本来業務は、保安要員です。声が十分に出なければ、緊急時の客室での指示や誘導などに支障をきたし、乗客の安全が担保出来なくなります。ところがスカイマークの会長らは客室乗務員を交代させなかったばかりか、交代を求めて命令を拒んだ機長を当該便からおろし、この日のうちに機長との契約を解除していました。
運航の最終決定権を持つのは機長です。また乗務員相互の健康確認も定められています。機長は、乗務員が職務を遂行するのに必要な健康な状態であると確認してサインをし、搭乗するわけです。国土交通省は、その安全上の機長判断に会社上層部が従わないことは規定違反だと厳しく指摘し、スカイマークを厳重注意したのです。

安全運航は基本中の基本。しかし法令をないがしろにするこのようなマネジメントがコクピットや客室周辺で起きているとなると、看過することはできません。また、法令を遵守しようとした機長が即日契約解除されるのも、驚くばかりです。安価な料金で輸送実績を伸ばしてきた会社ですが、こうした事案をつぶさに知れば、利用者も様々な「疑念」を抱かざるを得ないでしょう。「真摯に受け止めている」という会社のコメントが、文字通りに受け止められるかは、今後の対応にかかっています。