成田空港『滑走路に残された炎上の跡』
March 23, 2009

その日、私の取材先は出社前にもうわかっていました。成田空港で、フェデラル・エクスプレス社の貨物機が着陸に失敗し炎上したのです。成田空港に到着し、事故の起きた現場へ急行すると、完全にひっくり返り、真っ黒に焼け焦げた貨物機の無惨な姿が目に飛び込んできました。機体からは今も煙が立ち上り、辺りには焦げ臭い臭いが立ち込めています。そこかしこに散らばった機体の一部からは、着陸した時の衝撃の大きさが伝わってきます。
その後の取材で、原因が“風”であったことがわかりました。国土交通省によると、事故当時は最大で風速18mの風が吹いていたということ。気象予報士の木原さんに聞くと、通常、台風が強風域に入るのが風速15mだそうです。事故当時、いかに強い風が吹いていたかが伺えます。滑走路には風を遮ってくれる物など何もありません。現場で取材をしていた間も、何度も体に非常に強い風を感じました。出張などで航空機は頻繁に利用し、風で機体が揺れたりすることは多々ありますが、その風が牙をむいた時の恐ろしさをこれほどまでに感じたことはありませんでした。

東京駅『ファンが見送るラストラン』
March 13, 2009

何千人もの人がカメラを構え、駅のホームに押し寄せる…、こんな光景は今まで見たことがありません!!寝台特急『富士・はやぶさ』、通称ブルートレイン。半世紀の長きに渡り東京と九州を繋いできたこの列車が、ついに今日で、東京駅からの出発が最後となってしまうのです。鉄道というと、熱烈なファンがいるのはもはや周知の事実ですが、あれよあれよという間に駅のホームは鉄道ファンの方々で埋め尽くされていきます。最前列でカメラを構え臨戦態勢の方、駅のアナウンスを録音しようとマイクを伸ばす方、それぞれに自分なりの方法で、この『富士・はやぶさ』のラストランを記憶と記録に納めようとしています。驚いたのは、中高年の方や男性だけでなく、10歳前後の少年たちや女性の姿も意外と多いこと。話を聞くと…、「親が鉄道好きで小さい頃から鉄道に触れてきたため、自然と自分も好きになっていた」のだそうです。う~ん、なるほど。こうして鉄道ファンの熱い魂は、代々受け継がれていくものなのですね♪

岩手県奥州市『王国の実態』
March 5, 2009

岩手県奥州市。通称“小沢王国”とも呼ばれている、民主党・小沢代表の地盤です。小沢代表の第一秘書が西松建設から違法な献金を受け取ったとして、政治資金規正法違反で逮捕されたこの事件。私が取材に訪れたのは、まさに今、西松建設が建設に携わっている“胆沢ダム”。今回の事件をどのように感じたか、近隣の建設会社の方に話を聞こうとしたものの、軒並み「何もお答えできません」という返事が。そこには、「うかつなことは言えない」といった恐怖感のようなものすら感じられます。何とか話を聞けたある建設会社の方は、胆沢ダムは、地元では“小沢ダム”と呼ばれているのだと話しました。大手ゼネコンが建設を担い、莫大な金が動く公共事業。自民党時代からゼネコンとの関係が指摘されていた小沢代表ですが、地元におけるその影響力は想像以上のようです。“小沢ダム”というその通称からは、長きに渡って王国に君臨する小沢代表の、絶大な力の一端が垣間見えた気がしました。

沖縄県北中城村『一家に一体何が??』
February 18, 2009

沖縄県の住宅街で、民家のウォークインクローゼットから女性の腐敗した遺体が見つかったこの事件。一家は、2階建ての1階に夫と夫の父親が、2階に妻と娘が住んでいて、家庭内別居状態だったといいます。実際に現場でその家を目の当たりにしても、特に何か間取りが変わっているわけでもなく、ごくごく普通の一軒家に見えます。同じ家に暮らしていて遺体があることに気付かないものなのか疑問に感じますが、何より気になるのは、娘の行方がわからなくなっていること。周辺で取材を進めると、不思議なことに娘は、行方不明になる直前まで学校に通っていたといいます。近所の方に話を聞くと、沖縄ならではのゆったりとした土地柄か、どなたも快く取材に応じてくれます。しかしどんなに聞いて回っても、なかなか事件に直接結びつく有力な情報は得られません。この家族に一体何があったのか?!その答えを知っているかもしれない娘の行方はわからず、事件が進展を見せぬまま、私も帰京の途へとつくことになりました。自分の取材した事件が解決する前に現場を離れるのは、やはり辛いものです。一刻も早い解決を願います。

新潟県苗場市『無人となったゲレンデ』
February 10, 2009

群馬県で、送電線を点検していたヘリコプターが不時着した影響で、隣接する市や町が停電したのは午前9時53分。にわかに報道フロア全体が慌ただしくなり、次から次へと情報が更新されていきます。最新の情報を整理しながら、向かったのは新潟県の苗場スキー場。停電は新潟県にも及び、多くのスキー客が乗るリフトやゴンドラなども止まってしまったというのです。越後湯沢駅から苗場スキー場へと向かうにつれ、徐々に雪もその強さを増し、周りの景色も白一色に染まっていきます。苗場の一つ手前のスキー場に着いた時には、雪はもはや吹雪のようになっていました。リフトが動かないため、スキー客はその吹雪の中を自力で下山しています。話を聞くと、“全ての電気が止まり、人がいないゲレンデ”に怖さを覚えたといいます。もし自分がその状況下に置かれたら…、やはりゾッとします。苗場スキー場に着くとすでに停電は復旧していましたが、普段当たり前に使っている電気が、当たり前に使えなくなった場合のダメージの大きさを痛感させられる事故でした。

宮崎県都城市『墜ちた番人』
February 9, 2009

公正な判決を下し、社会の秩序を保つ『法の番人』、裁判官。その『番人』であるべき現職裁判官が逮捕された容疑は、“準強制わいせつ”でした。福岡高裁宮崎支部の一木容疑者(元裁判官)が、高速バスの中で、隣に座った女子短大生に猥褻な行為をした疑いが持たれているのです。しかも一木容疑者はかつて、児童への猥褻事件や、女性への猥褻事件などで、自ら有罪判決を下したこともありました。容疑を否認しているという一木容疑者。墜ちた元裁判官を、裁くのもまた裁判官です。同僚の起こした事件に対し、どのような気持ちで判決を下すのでしょうか?一木容疑者個人に留まらず、裁判官全体に対する信用をも失いかねない、あってはならない事件でした。

両国『いつまでたっても届かない、ファンの声』
February 2, 2009

去年8月、間垣部屋所属の元若ノ鵬が大麻所持の疑いで逮捕され、9月には同じロシア出身の露鵬、白露山の2人も大麻の陽性反応が出たため解雇されるなど、次々と不祥事が発覚した相撲協会。ファンの方々は口々に相撲協会の現状を嘆き、再発防止を願いました。しかし…。これらの声は協会に響いているのでしょうか!?またしても大麻で力士が逮捕される事件が起きたのです。逮捕されたのは尾車部屋所属の若麒麟容疑者。その後、師匠である尾車親方と若麒麟容疑者に相撲協会が下した処分は、尾車親方は“2階級降格”、若麒麟容疑者は退職金の出る“解雇”というものでした。なぜ罪を犯したのに退職金が出るのか!?国技館前を通る方に話を聞いても、「民間企業では考えられない!」などと憤慨する声が大半でした。確かに、理事長も新しく変わりました。外部の意見を採り入れるために再発防止検討委員会も作られました。しかし今回、少なくとも私には、相撲協会自体が根本的な体質を変えようとしているようには感じられませんでした。

大阪地裁『墜ちた、時代の寵児』
January 21, 2009


私が高校生だった当時、テレビの音楽番組では小室哲哉のプロデュースした音楽がランキングを独占し、百貨店でも、喫茶店でも、街中に小室サウンドが溢れていました。その楽曲は、まさに私の青春時代のテーマソングと言っても過言ではありませんでした。それだけに、その小室哲哉を初めて目の前にしたのが大阪地裁で、初公判の当日であったことが、本当に残念でなりません。地裁へと入る前、報道陣に対し、力無く小さい声で「お騒がせしました」と話した小室被告。数々のヒットソングを世に送り出し、茶色の長い髪をなびかせて自信に満ちあふれていた当時の姿は、そこにはありませんでした。今までにも裁判を取材したことはありました。ただ、他の事件と決定的に違うと感じたのが、裁判所に、被告の大勢のファンが来ていたことです。時代を席巻し、若者の心を完全に掴んでいた小室被告。時代が変わっても、今なおその楽曲を支持するファンの方々も多く、話を聞くと、やはり小室被告の、そして小室サウンドの復活、再起を望んでやまない様子でした。裁判はまだ始まったばかりですが、きちんと罪を償って、もう一度、人々を魅了するような楽曲を聴かせて欲しい、小室サウンドを聴いて育った私自身も同じ思いです。

沖縄県那覇市『新成人と大人』
January 12, 2009


一昨年は泡盛を、去年は小麦粉を、毎年のように何かを浴びながら、沖縄の成人式を取材してきました。毎年、色とりどりの羽織・袴を着て、大荒れする沖縄の新成人たち。単に馬鹿騒ぎをしたいだけなのか、何か意図があるのか、今年、私は沖縄市内の真和志中学校出身の新成人に密着しました。髪に剃りを入れ、大きく突き出たリーゼントヘアー。正直言って、話し掛けづらい空気が全身から漂っています。しかし、成人式の準備をしながら笑顔で友人と話している顔を見ていると、そこには幼さすら感じられる時も。見た目はとんがっているけれど、まだ20歳の、普通の青年なんだなと実感しました。確かに、法律を無視したり、暴れて器物を損壊したりする非常識な新成人もいます。しかし、羽織・袴姿の新成人全てがそうなのではありません。これだけ毎年ニュースで叩かれているにも関わらず無くならないのは、それなりの、彼らなりの理由があるのではないでしょうか。締め付けることも時には必要ですが、それには反発が伴います。理解しようとしなければ前には進みません。大人たち、新成人たち、それぞれがお互いに歩み寄り、双方にとって最良の成人式が行える日が来ることを、一人の取材者として切に願います。

兵庫県西宮神社『リベンジなるか?!』
January 12, 2009


ついに来ました、この日が!年に一度の全力疾走、兵庫県西宮神社の開門神事『福男』です!思えば去年この福男を初めて走った私は、そのあまりの人の多さに圧倒され、おみくじを引いても『末吉』…。前列の108人を決めるくじにも外れ、肝心の走りでも…惨敗。その悔しさを胸に挑んだ、今年。走る前に改めてコースを下見し、去年1番福と2番福を獲った方から秘策も伺い、準備万端!意気込んでおみくじを引いてみると、そこには『凶』の一文字が。……。10年ぶりくらいに引いた『凶』が、この大一番のタイミングとは…幸運の女神は今年も私には振り向いてくれないのか…。結局前列108人のくじも外れ、今年も後列からのスタートに。だったら少なくとも去年よりは良い順位でゴールしようと、小雨の降る寒さに震えて並びながら、じっとその時を待ちます。そして午前6時、待ちに待った「かいも~ん!」の声が響き渡ると、同時に私は走り始めていました…、数百人の群衆に完全に飲み込まれながら。結果は…、まあそれはまたの機会にでも♪ただ言うなれば、「福男は、走ることに意味がある!」、今そう自分に言い聞かせています。新年の参拝、そして新年の運試し!皆さんも一度、いかがですか♪