
私が高校生だった当時、テレビの音楽番組では小室哲哉のプロデュースした音楽がランキングを独占し、百貨店でも、喫茶店でも、街中に小室サウンドが溢れていました。その楽曲は、まさに私の青春時代のテーマソングと言っても過言ではありませんでした。それだけに、その小室哲哉を初めて目の前にしたのが大阪地裁で、初公判の当日であったことが、本当に残念でなりません。地裁へと入る前、報道陣に対し、力無く小さい声で「お騒がせしました」と話した小室被告。数々のヒットソングを世に送り出し、茶色の長い髪をなびかせて自信に満ちあふれていた当時の姿は、そこにはありませんでした。今までにも裁判を取材したことはありました。ただ、他の事件と決定的に違うと感じたのが、裁判所に、被告の大勢のファンが来ていたことです。時代を席巻し、若者の心を完全に掴んでいた小室被告。時代が変わっても、今なおその楽曲を支持するファンの方々も多く、話を聞くと、やはり小室被告の、そして小室サウンドの復活、再起を望んでやまない様子でした。裁判はまだ始まったばかりですが、きちんと罪を償って、もう一度、人々を魅了するような楽曲を聴かせて欲しい、小室サウンドを聴いて育った私自身も同じ思いです。

一昨年は泡盛を、去年は小麦粉を、毎年のように何かを浴びながら、沖縄の成人式を取材してきました。毎年、色とりどりの羽織・袴を着て、大荒れする沖縄の新成人たち。単に馬鹿騒ぎをしたいだけなのか、何か意図があるのか、今年、私は沖縄市内の真和志中学校出身の新成人に密着しました。髪に剃りを入れ、大きく突き出たリーゼントヘアー。正直言って、話し掛けづらい空気が全身から漂っています。しかし、成人式の準備をしながら笑顔で友人と話している顔を見ていると、そこには幼さすら感じられる時も。見た目はとんがっているけれど、まだ20歳の、普通の青年なんだなと実感しました。確かに、法律を無視したり、暴れて器物を損壊したりする非常識な新成人もいます。しかし、羽織・袴姿の新成人全てがそうなのではありません。これだけ毎年ニュースで叩かれているにも関わらず無くならないのは、それなりの、彼らなりの理由があるのではないでしょうか。締め付けることも時には必要ですが、それには反発が伴います。理解しようとしなければ前には進みません。大人たち、新成人たち、それぞれがお互いに歩み寄り、双方にとって最良の成人式が行える日が来ることを、一人の取材者として切に願います。

ついに来ました、この日が!年に一度の全力疾走、兵庫県西宮神社の開門神事『福男』です!思えば去年この福男を初めて走った私は、そのあまりの人の多さに圧倒され、おみくじを引いても『末吉』…。前列の108人を決めるくじにも外れ、肝心の走りでも…惨敗。その悔しさを胸に挑んだ、今年。走る前に改めてコースを下見し、去年1番福と2番福を獲った方から秘策も伺い、準備万端!意気込んでおみくじを引いてみると、そこには『凶』の一文字が。……。10年ぶりくらいに引いた『凶』が、この大一番のタイミングとは…幸運の女神は今年も私には振り向いてくれないのか…。結局前列108人のくじも外れ、今年も後列からのスタートに。だったら少なくとも去年よりは良い順位でゴールしようと、小雨の降る寒さに震えて並びながら、じっとその時を待ちます。そして午前6時、待ちに待った「かいも~ん!」の声が響き渡ると、同時に私は走り始めていました…、数百人の群衆に完全に飲み込まれながら。結果は…、まあそれはまたの機会にでも♪ただ言うなれば、「福男は、走ることに意味がある!」、今そう自分に言い聞かせています。新年の参拝、そして新年の運試し!皆さんも一度、いかがですか♪

年末から関西で相次いでいる、タクシー強盗事件。12月29日には兵庫県稲美町で運転手が車のそばで殺害され、翌30日には大阪府東大阪市でも運転手が血を流して倒れているのが見つかりました。そして年が明けて、1月5日。今度は30日の東大阪市から12kmほどしか離れていない松原市で事件が起きたのです。どの現場も人があまり通らない寂しい場所で、首を刃物で数か所刺すなど、共通点も多く見られます。街でタクシーの運転手の方々に話を聞くと、やはり犯人が逃走中のため一様に不安な様子…。しかし、東京ではタクシー内の運転席と後部座席の間に透明の仕切り板を付けているのに、なぜ大阪では付けていないのか?…聞くと、こんな答えが返ってきました。「大阪では付けないよ。お客さんとの会話を一番大事にしているからね。そうやってコミュニケーションをとることで、襲おうという気持ちが薄らいでくれるといいよね」。タクシーという密室の中で、連続して起こる強盗殺人事件、運転手の方々にとって怖くないはずがありません。そんな最中でも、乗客に積極的に話し掛けようとする運転手の方々に、私は“大阪の心”を見た気がしました。


