「第5話」

 有働が今回担当した被告・熊川麻美は、トゲのある言動を繰り返すことで、日本中から嫌われている25歳の女であった。麻美の容疑は殺人。検察側は、生活苦のシングルマザーの麻美が、保険金目当てに、1歳にもならない我が子を乳母車ごと崖から海に蹴落とした、と主張していた。

 事件の現場は、月夜の海辺の岸壁だった。たまたま、天体観測に来ていた多田(須永祥之)という男が、女が乳母車を海に蹴落とすのを目撃して、警察に通報。18時間後に、乳母車は発見されたものの、乗っていた麻美の子供は波に飲まれて行方不明になったのだ。

 接見した有働に対し、麻美は、息子を海に連れて行きかくれんぼをしていた、と供述。有働は、だれかれかまわず毒づく麻美に動じることなく、「殺していない」という言葉を信じ、『被告無実』で闘うことを固めた。

 この事件には、いくつかの疑問点があった。麻美が悪態をつきながら「無実を信じてくれなくてもいい」といった点。真っ暗の海で0歳児の子供とかくれんぼをした理由。乳母車を手ではなく足で蹴り落としたこと――。

 第一回公判で、有働は、検察側の主張が全て状況証拠のみの憶測に過ぎない、と無罪を主張。弁護士事務所への嫌がらせが殺到する逆風の中、有働は、麻美から養育費を請求されていた、子供の父親で不倫相手のサラリーマン・川上(中根徹)ら関係者から話を聞いた。実は、多田の証言によると、犯人は左足で乳母車を蹴っている。つまり、犯人は左利きなのだ。だが、川上を含め事件関係者は、麻美を除いて全て右利きであった。

 第二回公判で、検察側は状況証拠を強化するために、麻美の家に10度以上も足を運んだという児童相談所職員・福西怜子(山下容莉枝)を喚問した。虐待の現場を目撃したという怜子は、麻美が行哉を殺す権利がある、と話していたと証言。これを聞き逆上した麻美は、怜子が子供を産めない身体だと暴露し、退廷を命じられてしまう。

 麻美に対する世の中のヒステリックな憎しみがエスカレートする中、有働と一緒にテレビに写った良子(須藤理彩)が暴漢に襲われてしまう。美智子(浅野ゆう子)が柴田(金田明夫)にボディガードを頼んでいたため、良子は軽症ですんだ。しかし、追いつめられた有働は焦りを覚える。

 しかし、ある事実に着目した有働は、事件を解く手がかりを見つける。いよいよ第三回目の公判。有働が提示した証拠とは――。

| 第1話 | 第2話 | 第3話 | 第4話 | 第5話 |

| 第6話 | 第7話 | 第8話 | 第9話 | 最終話 |


| HOME |

本HPのテキスト及び画像(映像)の著作権は日テレ(NTV)にあります。
無断使用(転用)は、著作権、肖像権の侵害となり、禁じられています。


Copyright(C) 2002 Nippon Television Network Corporation