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<みどころ>
人の心の奥底に棲みつく鬼畜。普段は姿を見せないその鬼畜が、ある状況の中でフッと現れる。そして、事件が起きる。このドラマの主人公は、貧しいながらも働き者の妻とがんばってきた小さな印刷所の主。この印刷所に、ある日、3人の子供をつれた女が現れたことから、主人公と妻の心の中の鬼畜が蠢き始める。情愛、裏切りなどが明らかになり、疑念が渦巻く中、鬼畜と化した主人公は、安心しきって笑顔を向ける子供たちに牙をむく。
果たして、鬼畜に抗しながらも最後に負けてしまう主人公の心の葛藤とは、子供たちの運命は…。
<あらすじ>
川口の工場街にある竹中印刷所では、今日も夜遅くまで主人の竹中保夫(ビートたけし)と妻の春江(黒木瞳)が働いていた。保夫は中学卒業後、父親の跡を継いでこの道に入った印刷一筋の男で、元銀行員だった春江との間に子供はなかった。保夫は10年間、ここ川口で開業したが、最近は景気が悪く、パートの従業員もいない。経費節減のため、真夏にもかかわらず工場内のエアコンさえ止めていた。
そんな保夫の工場に、ある日、幼い子供たちをつれた小出昌代(室井滋)という女が姿を見せた。話によると、昌代は保夫が川口で仕事を始めたときから付き合っていた愛人で、現在本庄で小料理屋のママをやっている。一緒にいる子供は、5歳の保(片岡涼)、4歳の良子(佐藤愛美)、10ヶ月の庄二(諸岡真尋)の3人。
昌代は、1年近く滞っている子供たちの生活費と養育費の支払いを求めるためにやってきたのだ。
春江は、保夫が自ら子供たちの名前をつけ、しかも全員を認知していると知り、顔色を変えた。
春江の派手な格好や子供たちの顔を見て、3人の父親はほかの男の可能性が高い、と保夫の軽挙を責める春江。子供たちが慣れた様子で、保夫に「とうちゃん」と話しかけるのを見た春江は、ハラワタが煮えくりかえる思いだった。
この10年間、春江は経理はもちろん営業や工場内の仕事までこなした。自分に子供ができない分、春江は、保夫の愛を信じてがんばってきた。そんな春江を、保夫はずっと裏切り続けていたのだ。
まもなく、昌代が子供たちを残して失踪したことから、保夫は厳しいツケを払うはめになった。春江が裏切りの証拠ともいうべき子供たちの世話をするはずもなく、保夫は工場の仕事と並行して食事の世話や洗濯などをやらざるをえなくなったのだ。病弱な乳飲み子の育児は特に大変で、医者に庄二が栄養失調だといわれた保夫は、慌てて昌代の行方を捜し始めた。
銀行に新規の融資を断られた春江のイラ立ちが募る中、ついに事件がおきた。寝ていた庄二の顔の上に毛布が落ちて窒息死したのだ。庄二を診た医者は、衰弱と嘔吐による窒息死として死亡診断書を書く。気の弱い保夫は、春江が故意に毛布を落としたと察しながらも、事故と思い込むつもりだった。
やがて、昌代の居場所をつきとめた保夫は、喜ぶ保と良子を連れて訪ねた。だが、保夫らが見た昌代は、若い男とベッドにいたらしい半裸の姿。保夫は事情を説明して骨壷を渡したが、保と良子は昌代と暮らしたいとは言い出さなかった。
昌代のしどけない姿を目の当たりにしたことで、保らがほかの男の子供ではないか、との疑念が保夫の心の中でさらにふくらみはじめた。子供さえいなくなればこの地獄のような状況から抜け出すことができる…。そう考えた保夫は、残る2人の子供を消す計画を立てた。
保夫は、まず名前や住所を覚えていない良子を行楽地に置き去りにした。安心しきってかわいい笑顔を見せる良子はいつしか人の波に消えていった。
そして、保。春江は、保が今までのいきさつをすべて知っているとみて、毒殺を試みた。これを知った保夫は、保を自らの手で消そうと計画。親子旅行ということで伊豆に行った保夫は、保を断崖の上から突き落として…。
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