「深夜の音楽会」
〜Yomi-kyo Orchestra House〜

♪日 時  2003年 5月 21日(水)深夜2:03〜3:03
♪出 演 
指 揮 *佐藤俊太郎
トロンボーン *中川英二郎
管弦楽 *読売日本交響楽団

 

司 会  (左)茂森あゆみ/(右)奥田佳道

♪曲 目
五木田岳彦作曲
ConcertoforTromboneandOrchestra(世界初演)

R=コルサコフ作曲(五木田岳彦編曲) くまん蜂の飛行

プロコフィエフ作曲 バレエ音楽「シンデレラ」から

♪収 録  2002年 11月 20日 東京オペラシティ にて収録



♪今夜の見どころ…

今夜のソリストはトロンボーン奏者の中川英二郎さんです。
クラシックというよりはジャズの世界で活躍をされている方です。何となく渋〜い大人の感じがする人なのかな? と思っていましたが、お会いしてびっくり!!とても爽やかな人でしかも若い!!
〜ということで、スタッフ一同今回の収録は、楽しみにしていました。(実は「深夜の音楽会」スタッフはほとんど女性なのです)

トロンボーンは、交響曲を演奏する時には欠かせない金管楽器のひとつではありますが、ソロ楽器としてのコンチェルトとなると、あまり曲がありません。
そこで今回は 中川さんの為に、ニューヨーク在住の五木田岳彦さんが、トロンボーンコンチェルトを作曲してくれました。中川さんも現在ニューヨークに在住し、活動しています。
「新時代のコンチェルト」ということで書かれた「トロンボーンとオーケストラのための協奏曲」は音圧が一番の聴き所。スケールの大きいこの曲には五木田さんの様々な思いが込められています。
その事については、番組中に五木田さんがお話をされているので、その話しを聞いてから中川さんの演奏を聴くと、イメージを描きながら楽しめると思います。また、一つの曲ができるまで、なんとお二人は、Eメールで楽譜をやりとりしながら曲を作り上げたそうです。いつもは何気なく使っているEメールも音楽の世界ではこんな風に使われているのかと、驚いてしまいました。
そしてアンコールは、「くまん蜂の飛行」。すばらしい速さで超絶技巧を必要とするこの曲を、トロンボーンで吹きこなしてしまう中川さんには本当にびっくりさせられました。ところが、放送を見ると感じていただけるとは思いますが、中川さんは難しい顔ひとつせず、とてもスマートにサラリとふいてしまうのです。その姿に驚いていると、中川さんは、「小さい頃から、ステージで演奏することが生活の一部になっていたのであまり緊張しないし、とにかく演奏するのは楽しいし、気持ちいいんですよ」とおっしゃっていました。
現在28歳、年齢的にみれば若手ということですが、キャリアや演奏はすでに大ベテラン。そんな中川さんが、これからどんな活動をしてくれるのか本当に楽しみです。



♪演奏者の略歴

佐藤俊太郎 (指揮者)

1972年仙台に生まれ、5歳からヴァイオリンを始めた。
環境問題の研究のため、91年にロンドン大学へ留学したが、93年に同地のロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージック、ヴァイオリン科に進んだ。
入学直後に室内オーケストラを自ら結成して指揮し、市内の教会でベートーヴェン交響曲全曲演奏会を敢行し、英国音楽界の注目を集めた。96年4月にイギリス室内管弦楽団定期公演で公式デビュー、その成功によって同年秋のシーズンから準首席指揮者(アソシエイト・コンダクター)に招かれて現在に至る。

97/98シーズンにはギリシャ及びトルコへのツアーを成功に導き、ナイジェル・ケネディのイギリス・グランド・ツアーの指揮者にも起用された。ロンドン・フィル、フィルハーモニア管にも定期的に招かれている。
97年2月にはボストン室内管弦楽団を指揮してアメリカ・デビュー。この公演の成功によって同年7月のタングルウッド音楽祭に招かれてヤング・アーティスツ・オーケストラを指揮した。98年2月に京都市交響楽団を振って日本デビュー。
以後2000年までに大阪フィル、札幌交響楽団、読売日響、日本フィル、仙台フィル、群馬交響楽団、ジャパン・チェンバー・オーケストラを指揮している。97年以降、フィンランドの主要楽団から相次いで招聘を受け、ヘルシンキ・フィル、フィンランド放送響、タピオラ・シンフォニエッタ等、すべての主要オーケストラに招かれた。クオピオ交響楽団は99年秋に行った最初の演奏会の成功を受け、首席客演指揮者のポストを提供し、2000年初めからその任にあり、2003年からは首席指揮者として招聘する。
また、その他にこれまで共演したオーケストラは多数にのぼり、新日本フィル、関西フィル、フィンランドのラハティ交響楽団、アヴァンティ室内管弦楽団、トゥルクフィル、オウル交響楽団、ヨエンスウ管弦楽団、ユヴァスキュラ管弦楽団、ポリシンフォニエッタ、ラッペーンランタシンフォニエッタ、オランダ放送交響楽団、スペインのパブロ・サラサーテ管弦楽団、タングルウッド・ヤングアーティスト管弦楽団などがあげられる。主な共演者はヴァイオリンのナイジェル・ケネディ、ピンカス・ズッカーマン、アン・アキコ・マイヤース、タスミン・リトル、ライナー・キュッヒル、ジョルジ・パウク。チェロではラファエル・ウォルフィッシュ、ジュリアン・ロイド・ウェッバー、ピアノのドミトリ・アレクセーエフ、ピーター・ドノホー、歌手の白井光子、クリストフ・プレガルディエン、ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、レズリー・ギャレット、フランソワ・ルルー、ロザリンド・プロウライト、管楽器のエマ・ジョンソン、ウィリアム・ベネット、赤坂達三等と共演した。

2001年2月には、クオピオ交響楽団と名門フィンランディア・レーベルより珍しい曲も多く含んだ「フィンランド音楽集」をリリースし、各誌で大注目された。また、ウィリアム・ベネット、イギリス室内管弦楽団と共に収録したニールセン:フルート協奏曲、ライネケ:フルート協奏曲、フルートの小品数曲(Beep−1999)、クオピオ交響楽団とはフィンランド管弦楽曲集(Finlandia−2001)に続き、シベリウス交響曲第2番(ブライドコプフ新批判校訂版による世界初録音)とクリスティアン2世組曲等の録音がある。(Finlandia−2002)これからの日本の指揮界を担うマエストロである。



中川英二郎 (トロンボーン)

1975年、東京生まれ。祖父がヴァイオリン奏者でNHK交響楽団の前身、新交響楽団に在団。父はトランペット奏者の中川喜弘。伯父はクラリネット奏者の中川武、トロンボーン奏者の中川敦嗣。
3歳からピアノを始め、5歳半ばでトロンボーンを吹き始める。
12歳の時、初の渡米を経験。15歳、東京芸大付附属高校に入学。学業並びにライブ活動はもちろん、スタジオの仕事に着手。この年、故松本英彦(Ts)とサマー・ジャス・フェスティバルで競演。増田力也の「ダウン・アンダーズ」でレコードデビュー。
16歳、バークリー音楽大学夏期セミナーに特別招待される。同年、初リーダー作「中川英二郎&FUNK'55」をニューヨークで録音。18歳の時リーダー第2作「ベイブ」を録音。「スペシャエル・ナイト・フォー・ディンゴ」に参加。このころから、トロンボーンニストとして、映画、TVドラマ、CM、アーティストのサポートなど、ジャンルを問わず数多くの録音に参加、今では一番忙しいスタジオミュージシャンとして活躍、現在TVより聞こえてくるTbの音の約7割が中川英二郎のもの。
一方、作編曲家としてもこの時期から活動しはじめる。96年より佼正ウィンドオーケストラのゲストプレーヤーとしてCD録音に参加。数多くのウィンドオーケストラのソロプレーヤーとしてステージ活動。特にNTV主催読売日本交響楽団との共演(深夜の音楽会)ではダビッドのトロンボーンコンチェルティーノで堂々クラシック界デビュー。97年5月来日のクラシックジャズプレーヤーでお馴染みのトロンボーン奏者、アラン・トゥルーデル氏との競演は大好評。クラシックの二重奏、ジャスのデュエット等、日本に「中川英二郎」有りと大きくアピールした。同年リーダー第4作「ピース」をジャズ界の巨匠ブレッカーブラザーズと録音。翌年3月発売。
2001年拠点をニューヨークに移し、世界を視野に入れた活動を開始。文藝春秋2月号「この100人に投資せよ」芸術部門に選ばれる。


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