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2000/7/9 放送
’90年 青春伝説 評伝
ロックミュージシャン  hide

 
 
 

今年ゴールデンウィーク最中の5月2日…。
横須賀であるロックミュージシャンの3回忌が行われ、多くの若者達が集まった。彼らが手を合わせた相手とは…、hide!
伝説のロックバンド「X−JAPAN」のギタリストとして、ビジュアル感覚にあふれたパフォーマンスの草分け的存在となり、自らボーカルをとったソロ活動においても、高い音楽性を示し、ロック界のカリスマ的地位にまで上り詰めていたhide。

しかし、2年前…。
彼はその突然の死によって、ファンの前から姿を消した…!

葬儀の日、築地本願寺に集まったファンの葬列は実に5万人。
そしてその光景をきっかけに、多くの大人はhideの存在を知ったのである。
一人のロックミュージシャンと若者たちの心をつないだものとは一体なんだったのか…?

その謎を解く一つの出会いが、彼の人生に隠されていた。
先天性代謝異常という難病を抱えた貴志真由子ちゃんとの出会い。
一人の少女と紡いだ、知られざる心の交流とは?

ある時、hideはこうつぶやいている。
「俺は、いつも15歳の自分に向かって語りかけているんだ…。」

若くして天国へと旅だったロックミュージシャン、hide
彼がその短い命の燃焼の中、残したメツセージとは、どのようなものなのだろう…。

彼の詠い続けた「生きること」への勇気。それは世代を越えて、私たちの心に届くのではないだろうか…?

hideは1964年、神奈川県横須賀市に生まれた。
本名は松本秀人という。
平凡な父と母、hide自身も、学校では目立たない少年だった。
少年時代、彼が抱え続けたコンプレックス、それは彼が肥満児だったこと…。少年特有の危うい自意識のなかで、hideは窒息寸前になってなっていたのである。

しかし、一つの出会いが彼の灰色の世界を原色に塗り替えていく。
それはアメリカの人気ロックバンドKISSとの出会い…。
15歳で感じた「ワクワク」とした思い…。
そのワクワクを追いかけるように、彼のロック人生は始まった。
祖母に買ってもらったKISSと同じギター、レスポール。
それが松本秀人少年の人生を切り開く、鍵となっていくのである。

高校がエレキギター禁止だったため、横須賀のどぶ板ストリートと呼ばれるロック少年の集まる場所で、青春を燃やすhide。
その中で出会ったのが、後にX−JAPANをともに結成することになる、あのYOSHIKIだった。

1989年、ソニーからメジャーデビューを果たしたhide。
デビューアルバムが60万枚を突破、以後「X」は音楽シーンで数々の伝説を作り上げていくのである。

そして始めたソロ活動。初のソロアルバムは、15歳の自分が感じた「ワクワク」を多くの少年少女に届けたいという思いで、制作されたものであった。
そしてそのワクワクは、一人の少女の心に届いた。

当時14歳だった貴志真由子ちゃん。
しかし、彼女は世界でも23例しかないという先天性代謝異常の病を抱えていたのである。
コンサートの楽屋を訪ねた彼女と、hideは不思議な絆を結んでいくことになる。

1996年の3月、真由子ちゃんは唯一の治療法である骨髄移植を受けることになった。しかし、手術直後、容態が悪化、真由子ちゃんはほとんど危篤状態に陥ったのである。

病院に駆けつけたhideは、無菌室のガラスを隔てて数時間、彼女を励まし続けたという。
そして真由子ちゃんは死の淵から生還。これをきっかけに、hideはある行動をとり、世間を驚かせた。それは、骨髄バンクのドナー登録をすること…。
知られざる交流の中、hideの心に何かが生まれていた。

1997年、X−JAPANが衝撃の解散!
年明けとともに、活発なソロ活動を開始したhide。
その密度の濃い活動は、若者達の熱狂を受け、ロックミュージシャンとして、さらに大きく羽ばたこうとしているように見えたhide。
しかし、1998年の5月2日…。

その人生は突然、ぷつりと途絶えた…。
部屋のドアノブにかけられたタオルによる窒息死…。
最初自殺と報じられたが、関係者の証言によって、今は不幸な事故だったことが定説になっている。

最後のきらめきの中、hideは私たちに何を残そうとしたのだろうか…?



 
 
 

 
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