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| 2000/9/3 放送 ネズミ講『天下一家の会』内村健一 |
![]() 天下一家の会・第一相互経済研究所の会長として史上空前のネズミ講を主催した内村健一。 彼のスローガン「天下一家」思想とは… 「世界万民、助け合って天下をひとつの家とする。いわば人間みな家族。白人も黒人もない…相互扶助のスクラムをがっちり組むこと…」。 だが、内村の「助け合い」の実践とは…“現ナマの錬金術”ネズミ講だった! その仕組みとは… 「天下一家の会」の会員になろうとするものはまず、2,080円を出資。 その内、会から指定された6代前の先輩会員に1,000円を送り、残る1,080円を本部へ送る…この手続きが終わると、4人の子会員勧誘のための書類と会員証が送られてくる。会員は4人の子会員勧誘が義務づけられている。 子会員はさらに4人ずつ孫会員を誘って16人。さらに32人…64人…と増え6代目が1.024人。この6代目の会員が各々1,000円ずつ最初の会員に送って「上がり」となる。6代まで達成すれば102万4000円が「現金書留」で送られてくる…という具合。 内村のネズミ講は、昭和42年から地方都市を中心に日本全国に瞬く間に拡大。最盛期には会員180万人!3000億円が乱れ踊った! その「拝金主義」は、どこからきたのか… なぜ内村のネズミ講だけが大きく増殖したのか… 内村は大正15年、熊本県の地方の農家に生まれた。4人兄弟の次男。 中学を退学後、予科練、鹿児島海軍航空隊に入隊。“特攻隊員”として20歳で「終戦」を迎えた。 郷里に帰ってみると、価値観は一変、ゼロからの人生スタートだった。 「戦争から帰って焼け野原を歩いていると、日本が復興するには国の基幹産業が立ち上がらなければいけないと考えたわけです…その資金をまかなうためには…と自分なりに考えた結果、まず保険会社に飛び込みました。」 20歳の“特攻くずれ”内村の目に、敗戦直後の日本は「金の力」…それも「現金の力」だけが信じられる異様な社会状況だったという… 内村は保険会社に外交員として飛び込み、以来20年間、県内屈指の腕利き外交員として勧誘のネットワークを築き上げていく。 人を信用せず、現金だけを信じた内村の第2の人生のスタートだ。 「彼は別に話術がうまいわけじゃない…“ネバ口”といわれ、考え考え…とつとつとしゃべる…それに田舎なまり丸だし…ただし相手の目をじっと見て話す。だから説得力があった。」(友人) 実は、内村の保険外交員は…副業だった。 昭和23年に結婚した内村は、妻に「新月」という遊郭を経営させ、子供3人に恵まれている。 現金商売の面白さをこの時代に味わったといえる。 遊郭は、売春防止法が制定された昭和32年まで続き、その後、旅館業からラーメン屋に転業。昭和42年、ここから「第一相互経済研究所」が発足した。 内村が、「天下一家の会」の発想を得たのは、病院のベッドの上だという。 40歳の時、彼の持病だった糖尿病が悪化して入院。ひらめいたのが、ネズミ講だった。 「現ナマの魅力」…内村の考えたネズミ講は、瞬く間に地方都市に口コミで広がっていった。 その背景は、内村が日本の地方に根強い、「地縁」や「血縁」などに精通し、様々な「縁」を駆使したことだった。 加えて、内村の“独自性”は、金儲けに「思想」というオブラートをかぶせてしまったところ… 彼の唱えている「天下一家」の思想は、熊本の謎の思想家で内村夫婦の仲人でもある、西村展蔵から伝えられたものだという。 1000億の金を操っていた頃、熊本の第一相研は地上8階地下1階の巨大ビルに、6機の飛行機、3機のヘリコプター、ベンツのリムジンを備えていた。 また全国各地のホテルを買収。保養所を続々と増やした。 昭和47年に脱税容疑で内村は逮捕されるが、それでも会員は増え続けた。 当時の法律ではネズミ講自体を裁けず、それが会の拡大を助長した。 金に踊った人々…その熱狂は永遠ではなかった。 詐欺的商法として社会問題になった後、各地で次々と訴訟が起き、昭和53年、ネズミ講防止法が成立。天下一家の会は解散。 第一相研も破産宣告を受けた。 しかし、なおも収まらない内村は、昭和55年、なんと参院選全国区に出馬! 「“選挙に出ろ”とは神様のお告げ。金銭面では破産を宣告されたが、説き続けたてきた天下一家の助け合いの精神が、どれだけ人の心をつかんだかを確かめたい!」…だが、あえなく落選。 昭和58年、ついに脱税の罪が確定。内村には罰金7億円が課せられたが2億円しか払わず、収監されてしまう… しかし、持病の糖尿病で病院に入院…闘病… 彼は皮肉にも、自らの最期の姿を、こう予言することになった。 「お金万能主義に陥り、お金を追いかけて命をすり減らしていくという金が仇の世の中…欲が先に立つものは…必ず、自滅する…」 平成5年、内村健一はこの世を去った。享年69。 破産管財人から被害者への返済は今も続いている… |
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