芸能デスックリーン

SAW6  Saw Ⅵ 2009.10.30


© MMIX Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved.

 女性が目を覚めすと、そこは薄暗い密室の中。対面には自分と同じヘッドギアを付けられた男性が座っている。目の前にはノコギリやナイフなどの刃物類、そして巨大な天秤ばかり。女性が慌てて立ち上がるとピンがはずれ、ヘッドギアのこめかみ部分が締め付けられる。女性の制止を無視して立ち上がった男性もこめかみに痛みが。するとモニターに〈ビリー人形〉が現れ「ゲームをしよう」。2人は多額の借金を抱え、返済の義務を怠り、周りの人に多大な迷惑をかけた。その償いに、時間内でどちらかがより多くの肉を提供すれば命は助けると言う。戸惑う2人にこめかみの痛みは増していく。男性はナイフを手に取り自分の脂肪だらけの腹の肉を切り出した。躊躇する女性もついに泣きじゃくりながら自分の左手を切り出した…。

 冒頭からこんな無茶苦茶なシチュエーションで始まる「ソウ6」。2004年に誕生した第1作目「ソウ」。それ以降、毎年ハロウィンの時期に新作が公開されてきました。1作目は「相手を殺して助かるか、2人とも死ぬか」の究極の選択と、緻密なプロットで、ソリッド・シチュエーション・スリラーの傑作でした。しかし、回を追うごとに、脚本の緻密さは薄れ、反対に残酷描写がスケールアップしていくようになりました。今回も趣向を凝らした殺人ギミックがどんどん出てきます。しかし、コンセプトは6作までは統一され「命を粗末にする者は許さない」、「生に執着する」が大前提にあり、〈ジグソウ〉は命を疎かにする奴らに罠をしかけます。

 第6作目で餌食になるのは保険会社の調査員ウィリアム。彼は保険金支払いの三分の二を却下している人物で、がんに冒されたジョン・クレイマー(=ジグソウ)にも保険金を下ろしませんでした。「必死に生きようとしている者を食い物にしている」。これがウィリアムを罠にはめた理由です。そして、身も凍るような試練を体験していきます。年老いたガードマンと一緒にくくりつけられ、呼吸をするとあばら骨を締め付けられる忍耐ゲームや、若い部下と中年の秘書のどちらかを殺さなければならない究極の選択などなど。またFBIは〈ジグソウ〉の後継者を追求する動きも活発になります。指紋から後継者はFBI捜査官ストラムではないかと思われていましたが、死体で発見されます。これで〈ジグソウ〉事件も一件落着かと思われましたが、ストラムの上司エリクソン捜査官は、ストラムが怪しがっていたホフマン刑事こそが〈ジグソウ〉の後継者なのでは?考えるようになります。さらに〈ジグソウ〉の妻ジルは、亡き夫が残した遺品の扱いに悩んでいました。そしてついに自ら行動に出ます。

 この「ソウ」シリーズは1から3作目までが1つのトリロジーとなっています。〈ジグソウ〉とその意志を受け継いだアマンダの死で完結したのです。そして新たなトリロジーとして「ソウ4」から「ソウ6」が製作されました。〈ジグソウ〉亡き後、まだ判明していない謎、〈ジグソウ〉の意志を継いで死のゲームを続けていく後継者。その完結版が「ソウ6」になっています。
 ところがこのシリーズ、これでThe Endにはならないようです。すでに来年(おそらくハロウィン・シーズン)に「ソウ7」が公開する予定です。1から5作目までの総売上が6億6892万ドルにもなっており、米配給会社のライオンズゲート社も、製作費もそんなにかからないこのシリーズを簡単には止めないでしょう。


☆「SAW6」2009年11月6日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー〈R15+〉
配給:アスミック・エース エンタテインメント
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