
1967年のコメディ映画「泥棒貴族」をあのコーエン兄弟が脚本を担当してリメークした作品。オリジナルは仏像の偽物で騙す話だったが、今作はクロード・モネが描いた消息不明の画の贋作がキーアイテムとなる。
ロンドンの美術鑑定士ハリー(コリン・ファース)は雇い主である美術コレクターのシャバンダー(アラン・リックマン)に復讐の機会を窺っていた。メディアを牛耳る大富豪のシャバンダーは実は傲慢なクソ野郎でハリーはこれまでに幾度も煮え湯を飲まされていた。そしてついにシャバンダーをどん底に陥れる作戦を考えついたのだ。それはモネの有名な連作『積みわら』のひとつ“夕暮れ”の贋作を15億円で売りつけるという物。ハリーは親友で贋作作りの名人ネルソン少佐(トム・コートネイ)に作品を仕上げてもらう。そしてもう一人の重要な協力者、テキサスのカウガールPJ(キャメロン・ディアス)をロンドンに呼び寄せる。実は今回作戦で使う“夕暮れ”(映画の中だけの作品で現実には実存しない)は完成から50年経った1941年、ナチスによってパリの美術館から盗まれる。その4年後、今度はパットン将軍率いる第一師団がナチスを急襲した時、“夕暮れ”は姿を消してしまったのだ。PJはその時の隊長の孫娘にあたる。「“夕暮れ”は彼女が持っていた」ということであれば贋作に信憑性が出ると踏んだのだ。しかし、とんとん拍子に進むかと思われたこの作戦も、自由奔放なPJのせいで思わぬ想定外の出来事に見舞われる。何事にも臆せぬPJにシャバンダーは一目惚れするわ、新たな鑑定士マーティン(スタンリー・トゥッチ)が雇われ、彼が“夕暮れ”を鑑定することになるわ、PJのせいで一文無しになったハリーがホテルの壺を盗むハメになるわ…。果たして机上の作戦《モネ・ゲーム》は成功するのか…?
主演のコリン・ファースと言えば主演作「英国王のスピーチ」で、一昨年のアカデミー賞の主演男優賞を獲った俳優。英国王にもなった男がこの映画ではパンツ姿で壺を持ってホテルのロビーをうろうろする姿が可笑しい。このいかにも堅物な英国紳士にピッタリなコリン・ファースに、アメリカを代表するコメディエンヌ、キャメロン・ディアスの組み合わせは興味が湧く。芝居はキャメロンがコリンを引っ張っていくような感じだった。そのキャメロンも41歳。さすがに顔面の劣化は防ぎようがないが、プロポーションは相変わらず凄い。この映画でも惜しげもなく下着姿を疲労しているが、磨かれたボディは40を超えた女性のそれではない。憎々しいシャバンダーを演じたアラン・リックマンや、出番は少ないが、いかがわしい雰囲気を醸し出しているマーティン役のスタンリー・トゥッチも相変わらず上手い。
しかしなんと言っても苦笑を誘うのは、日本人軍団。シャバンダーの美術品オークションのライバルという金持ち役なのだが、どこでも団体行動、空気が読めない、へらへら笑って取り繕う、困るとペコペコ…。今でも日本人はアメリカ人にこういう見方をされているのかと考えてしまう。
☆「モネ・ゲーム」2013年5月17日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
配給:ギャガ