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GODZILLA ゴジラ 2014.07.21

 日本映画の宝、ゴジラが「GODZILLA」となってハリウッドで製作された2度目の作品。今回はワーナー・ブラザース製作だが、16年前ソニー・ピクチャーズがローランド・エメリッヒを担ぎ出してメガホンを取らしたのが、日米のゴジラ・ファンから「あんなの“ゴジラ”じゃない」「トカゲの映画だ」などと不評を買い大失敗(ゴジラ映画として観なければ結構ポイントは高いのだが・・・)。このエメリッヒ版GODZILLAは本家東宝も黒歴史としており、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』にそっくりの怪獣(ジラ Zilla)を登場させ、本家ゴジラのシッポの一撃で吹っ飛ばされていた。
 ワーナーは同じ轍を踏まないように、長編をまだ一作しか取っていないが、ゴジラ大好き監督に白羽の矢を立て、1954年東宝製作のオリジナル『ゴジラ』の精神を引き継いだ作品となっている。
 監督のギャレス・エドワーズは4年前の『モンスターズ/地球外生命体』という、ほとんどモンスターが現れない怪獣映画を作った。その手法が今回の『GODZILLA ゴジラ』にも生きていて、ゴジラの全貌をなかなか見せない。特徴ある背びれや長いシッポ、太い足など部分的に見せ、徹底的に焦らす。しかし全体像をさらけ出すとその圧倒的な大きさに度肝抜かれる。これまでのゴジラの中で一番デカい全長108m。神戸ポートタワーと同じ高さだ。

 さて今回ゴジラはなぜ現れたか? 2億7千年前の地球は高度の放射能に覆われ、当時生息していた怪獣はその放射能を食べて生きていたが、地上の放射能を食い尽くした怪獣たちは地下に潜り放射能を含むマグマを食するようになった。しかし、広島、長崎の原爆、相次ぐ核実験により、地表の放射能濃度も高くなり、それを求めて怪獣たちが姿を現すようになる。1954年から行われたのビキニ環礁の核実験は、実は目覚めた怪獣を抹殺しようとしたものだった。しかしそれは逆に怪獣にパワーを与えることとなってしまった。そこに現れたのが放射能を主食とする怪獣“ムートー”と、原子炉を体内に持つゴジラだった。この2体はお互いを倒さなければならない運命を持った怪獣同士だった。

 と言う訳で、ゴジラは人間の敵として現れたのではなく、ムートーが地上に現れたのを退治するために出現したのだ。初期の東宝版ゴジラや、エメリッヒ版GODZILLAはあくまでも人間の敵としてビルをなぎ倒し街を破壊する悪魔だったわけで、その圧倒的な強さに為す術もない無力の人間を描いていたのに対し、今回のGODZILLAは人間の存在すら意識していないのだ。そこがちょっと物足りなかった。ただ、CGを駆使して作りこんだゴジラの造形は、日本の着ぐるみ、ミニチュア主流のゴジラとは段違いの迫力。是非大きな画面で観て欲しい。


☆『GODZILLA ゴジラ』2014年7月25日(金)より全国東宝系にてロードショー
配給:東宝
© 2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC